デジタルリマスター 2023年5月30日

真夜中の重機たち(デジタルリマスター)

夜も更けてまいりました

ある夜、自転車で西新宿界隈を走っていると、ふと巨大なクレーン車が道の先にあるのが見えた。近づいてみると、そこはビルの工事現場。クレーン車がアームを持ち上げる、まさにその時だった。

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迫力ある前面
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テカテカが際立つ背面

そう、まさに目の前。テカテカなクレーン車がうなりを上げながら、アームを持ち上げていく。

あぁ、たまらん。こりゃたまらん。カッコ良い。テカテカで、機械で、カッコ良い。アームがウイーンと動く。テカテカなアームが。これは良い。凄く、良い。

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ちょっと興奮しすぎだ

良いものは良いとして、もう少し冷静に、客観的に見る目も必要だ。衝動に身を任せて突っ走っても、ロクな結果にならないことは知っている。ちょっとだけ、頭を冷やしていこう。

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コーンライトが強い真夜中重機

これはどうだろうか。この辺りには街灯が少なく、代わりにコーンライトの赤色が重機を下から照らしている。

より情緒的で温かみはあるが、メタリックな色合いは薄まっており、重機っぽさはあまり感じられない。これは好みが分かれるところだろう。

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背後の光が強すぎて、残念な真夜中重機

これは先ほどとは逆に、周囲が明るすぎてしまっている。背後のマンション入口部分や駐車場のライトが強すぎるため、肝心の重機が目立っていない。重機のテカり具合はなかなか良いだけに、残念だ。

私は声を大にして言いたい。マンションとか、駐車場とか、深夜は電気を消しやがれ、と。

重機鑑賞をする上で必要な光源は、路上にあるものだけで十分なのだ。それ以外の光は邪魔になるだけなのである。防犯意識とか、そんなのどうでもいいじゃない。

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明治通り、西早稲田周辺にて
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こちらも少々背景の光が強いか

これらもまた背景の光が強い物件である。

いずれも背後の光が強すぎて、重機本体の質感が分かりづらい。アーム部分にテカりがない。クレーン車はすらりと伸びるアームが最も美しい部分なだけに、惜しいところ。いやはや、真夜中重機の鑑賞というのも一筋縄ではいかないものだ。

さてさて、いよいよ最後になってしまったが、最後は私が最も気に入っている真夜中重機をお見せして終わろうと思う。

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いかがだろうか。これぞまさに「THE 真夜中重機」といわんばかりの逸品である。

極めて暗い背景に、周辺光によってわずかに照らされたボディの質感、ハイライト。陰影のコントラストが強く、そのアームには妖艶さすら感じられる。

シャベルカーの傾き具合も良い。ただ平地にぽつんと置かれているのではなく、工事中の土盛りの上に放置されているというのもオツである。


やっぱりテカりがキモなのか

深夜に見る路上の重機たちは良い。そんな私の身勝手な主張だが、少しでも分かっていただけた方がいれば、これ幸いだ。

真夜中重機たちにはツヤがある。いや、これは艶といっても良いだろう。それだけ、魅了される美しさがある。そしてこの艶こそが、真夜中重機の一番の魅力なのである。

実は、重機の他にも一つだけ、ツヤツヤテカテカしている方がカッコ良いと思うモノがある。それは、便器。便器もツヤツヤしている方が美しい。次は「真夜中の便器たち」でもやってみようか。

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これは……ちょっと違う。私の琴線には触れない
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