カカオの代わりに海苔を摘みに行く
バレンタインから一日遅れてしまった2月15日の夜、漁業権の設定がされていない海岸へと潮が引く時間に合わせて夜中に出向き、天然の海苔を食べる分だけ摘んできた。ちょうど今がシーズンなのである。
野生のカカオは日本だと入手困難だが、海苔であればどうにかなるので、意外とバレンタイン向きの食材だ。時期的にも場所的にもまあまあ寒いが、これくらい人生の許容範囲だ。
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これをよく洗って、細かく刻んで、簀垂れ(寿司用の巻き簀で代用)に流して、天日で干したら板海苔のできあがり。
ここで通常であれば四角にするところを、バレンタインっぽくハート形にするのだ。ほら、なんとなく手作りチョコ造りに似ているだろう。
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海苔をアイロンで伸ばす
天候に恵まれたおかげで海苔は乾いたのだが、ちょっと厚すぎたのか、刻みが足りなかったのか、反りまくってしまった。
これではハート形とは言えない。そもそもハート形にする必要はないのだが、目指す最終形はこれじゃない。
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どうするか少し迷ったが、クッキングペーパーで挟んでアイロンを充てることにした。皺を伸ばすといえばアイロンである。
これは生の板海苔で加熱して焼き海苔にする必要があるので、ちょうどいいやと高温でプレスする。こういう行為にもはや躊躇はない。
チョコレートの艶をテンパリングによって出す工程と、広義で同じと思っていただければ幸いだ。
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丸まっていた黒い海苔は、ピシっとハート形になってくれた。それに加熱によって色も鮮やかな深緑色になっておいしそうだ。
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海苔弁を作る
手作りチョコレートといえば仕上げはかわいい包装である。ならばこちらは海苔弁だろう。
白米をキャンバスにして、手作りのハートをセットアップ。
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だめだ、バレンタイン感が皆無すぎる。
これでは海苔をケチっただけの海苔弁だろう。
チョコで言えばイチゴにあたるかわいい色が欲しい。
やはり梅干だろうか。
いやもっと広範囲に彩りを与えたい。
よし、海苔明太子弁当で勝負!
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板海苔を買ってきてハート形に切りぬけばいいのではという気もするが、摘むところから手作りができて大変満足だ。特に意味や想いは込められてないが、食品加工欲求は満たされた。
海苔はしっかり厚みがあって香りも高く、明太子との相性ももちろん良く、とてもおいしかったです。