特集 2023年2月8日

はじけないポップコーンを撲滅したい

もっとハジケさせるにはどうしたらいいか

意外と不発弾が多いことが分かったが、つまりまだ伸びしろがあるということ。工夫してハジケ率を高めることができないだろうか。

効率よくはじけさせる方法をインターネットで調べたが、「加熱を続けても意味がない」と一刀両断しているものが多かった。確かに、加熱時間を伸ばすと先にはじけたものから焦げていくのだ。

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長時間加熱したら煙が出てきて火事になるかと思った、めちゃくちゃ焦った

はじけないのも嫌だが、焦げてしまうのも悲しい。

ただ、いつも焦げるのは先にはじけたやつらなのである。だったら、はじけたやつは取り除き、まったくはじけていないものだけを加熱すれば焦げる恐れは小さくなるのではないか。

うまくはじけてないコーンにもパターンがいくつかあるが、これらをそれぞれ「全くハジケてないやつ」「2割ハジケ」「5割ハジケ」と命名して独断と直感で分類した。

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この「全くはじけてないやつ」だけをふたたび加熱します

ちなみに普通に作った場合のグラフに5割ハジケと2割ハジケの割合も入れるとこうなる。

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完全にはじけたのは7割だけなんだね

このうちの全くはじけてないやつだけをより分けて、余熱が残っているうちに再度加熱してみよう!

4分加熱するのは怖かったので、2分ずつきざんでみる。再加熱すると、レンジの中からはじける音が聞こえてきた。やはり君たちにはまだ秘めたるポテンシャルがあったのだね…!

それでもまだはじけていないものはさらに3回目の加熱をし、はじけたものの数は加算していった。

するとこんなことになりました!

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完全にはじける粒の数が8割まで増加!

やっぱり、不発弾だけ加熱を続けるのは有効なようだ。加熱を3回ほど繰り返せば、全くはじけない粒の数は4%未満まで減らせる! 分別するのは少し面倒だが、不発弾を1/4にまで減らせるのはとっても魅力的だ!!

【気づき②】
不発弾だけを集めて再加熱すると意外とはじける。長時間レンジにかけ続けると最初にはじけたものが焦げてしまうので、はじけてないものだけを選別してもう一度加熱するのがハジケ効率をあげるコツ。
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 なんではじけるタイミングが違うのか

ていうかそもそもなぜ1回目の加熱でみんなはじけないのか。いっせーのせ、でいっせいにはじけてくれれば何度も加熱しなくて済むのにさ。
加熱ムラが原因だろうか?それとも粒自体に違いがあるのだろうか?

何か違いを見つけようとずっと粒を見ていたら、1粒1粒に個性がある気がしてきた。はじけた後の形もいろいろである。

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隠れミッキーみたいなやつ、かわいい

あらためてはじける前の粒を見てみる。並べてみると…はじける前の粒のサイズ、意外と個体差がある気がするのだ。

そこで、大きめにみえるもの100粒、小さめにみえるもの100粒をより分けてみた。

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やっぱりサイズ差がありそうだな

大きめのもの100粒の重さをはかるとおおよそ16g。そして小さめの100粒は12~13g程度だった。明らかに違いがありそうだ。

余談だが、数える作業には家にあった木製のトレーが便利だという気づきもあった。

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すっごく使いやすい

グラスとおつまみ、またはカップとお菓子を一緒にサーブできるトレーだ。この飲み物を置くためのくぼみがコーンを集めておくのに最適。

サイズ感もほどよく、コーンの数を数えるための道具なんじゃないかと思うほどだ。おしゃれなお店でおしゃれに売られてたのに、おしゃれに使ってやれなくてごめんな。

もしちっちゃい粒を数えなきゃならないときには参考にしてください。

再び、トレーの力を借りつつ100粒ずつ選別してレンジ祭りだ。

小さいの300粒、大きいの300粒を数え終えたところでコーンが残り少なくなってしまったので、これで終わりにしよう。ずっと加熱に使っていた紙袋もぼろぼろになったし潮時だ。

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紙袋って繰り返しレンチンするとこんなんなるんですね…

さて、肝心のハジケ効率はどうだったかというと…。

まず、小さめの粒では、初回の加熱でのハジケ効率がとても良い。その後2回目の加熱でもはじけるものがあるが、3回目ではまったくはじけなかった。つまり、小さい粒は加熱によってはじけるタイミングが早めだということがわかる。

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つまり、小さめの粒は初回からよくはじける!

では大きめの粒はどうだろうか。

大きめの粒は初回のハジケが悪いものの、2回目、3回目の加熱でもはじけ、加熱を重ねるごとにハジケ効率が上がっていた。

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つまり、大きめの粒はよく加熱しないとはじけないってことかな

思い付きで大きさに注目してみたけど、粒の大きさによってはじけるタイミングが異なりそうだ。小さいものは早めにはじけ、大きいものは時間がかかるっぽい。そうか、それで絶対に同時には仕上がらないのだ。

【気づき③】
同時に出来上がらない原因は粒の大きさの差にあるのかも。最初にはじけたものを焦がさないよう、長すぎる加熱は控えよう。

以上のことをまとめると、1回のレンチンで焦がさずにハジケ効率をあげるためには、加熱する前に粒の大きさで選別して、小さめのものは焦げないよう短めに、大きめのものはすべてはじけるよう長めに加熱するとよいようだ。

ただ、加熱前にすべての粒の大きさを調べるのは現実的ではない。なので、うちでは不発弾だけを繰り返しレンジにかけるようにしようと思う。3回くらいレンチンすれば収率が最大になるはずだ。あきらめない心でこまめに加熱を続けることが大切だと学んだ。

沢山出来たポップコーンはキャラメルポップコーンにした。おいしすぎて、映画を見ながら食べようと思っていたのに映画を見始める前になくなってしまった。またポップコーンの種を買わないと!

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クミンを混ぜて作ったキャラメルポップコーンが大ヒットだったので試してみてほしい
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