チラ見せはげます会 2022年9月21日

向ヶ丘遊園でもらった何の動物だかわからないぬいぐるみを30年捨てられない

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何の動物だかわからないぬいぐるみ(べつやくれい)

高校3年の冬休みに、今はなき渋谷の東急プラザの地下の鮮魚売り場で短期のバイトをしていた。12月半ばくらいから12月31日(30日だったかな)までの、鮮魚売り場が本当に忙しい時期だけのバイト。
 
内容は、刺し身を発泡スチロールのパックに載せてラップをかける仕事だった。ラップをする専用の台があり、コツをつかむとどんな形のパックでもシワなくかけられるようになった。ラップをかける作業はおもしろかったのだが、冷凍の貝を流水でほぐして解凍するのは手が痛かったし、バイトしている期間ずっと手が生臭かったのは高3の女子としては悲しかった(洗ってもうっすら生臭い)。
 
その売り場には私ふくめて4人、同い年の女の子が短期のバイトをしていた。私たち以外は魚屋のおっちゃんたち。いまなら魚屋のおっちゃんと話が盛り上がるパターンもあると思うが当時の私にはそんな発想はなく、女の子4人でいつも一緒に行動していた。
 
前述したようなちょっとつらい作業(手が冷たいとか生臭くなるなど)があったからなのか、2週間程度のバイトだったのに4人はめちゃくちゃ仲良くなった。バイト期間が終わってからも連絡をとりあってごはんを食べに行ったり遊びに行っていた。
 
これは、その4人で向ヶ丘遊園に遊びにいったときに手に入れたぬいぐるみなのである。あ、向ヶ丘遊園ももうないな…。向ヶ丘遊園のゲームコーナーにあった射的とか輪投げとかそういう昔ながらのゲームで当たったやつだ。UFOキャッチャーじゃなくて。
 
はいこれ景品、みたいな感じで渡され、当たったことをなんとなく喜んだものの、おちついてよく見ると何の動物だかわからない。特徴としていちばん近いのはラクダだが、ラクダってこんなあっちゃこっちゃした形だったかといわれるとぜんぜん自信がない。首なのか胸なのか不明な部位が突き出ているのも不穏だし、前足と後ろ足のバランスの悪さもミステリアス。でも顔はかわいい。
 
3人はあきらかにいらなさそうな空気を醸し出していたので、私がもらった。私はむしろほしかったので願ったり叶ったりだ。だってこんな得体のしれないぬいぐるみは他にないから。
 
あれから30年ちょっと経つけど、やっぱりこれ以上に得体のしれないぬいぐるみには出会えていない。そして何の動物かもいまだにわからない。


終わってふたたび解説です

なんの動物かわらないけど愛らしい目が特徴で、30年捨てられない気持ちわかります。 あと「刺し身を発泡スチロールのパックに載せてラップをかける仕事」のバイトも気になりました。短期間のバイトでもキツい内容だと、めっちゃ仲良くなりますよね。

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