ペットというよりフィギュア
石川:
以前記事に載ってた、爬虫類部屋の写真です。
当時カエル1匹、リクガメ3匹、ヤモリ1匹、トカゲ3匹だって。今はもっと増えてます?
小堀:
一種類だけ増えました。
石川:
なんですか?
小堀:
サンドフィッシュスキンクっていうトカゲです。結論いうと4匹ぐらい増えているんですけど。
石川:
さっき1匹って言ったのに!
小堀:
サバを読みました…。一種です。砂の中を泳ぐからサンドフィッシュっていうらしいんですけど、口がスコップみたいになっていて、潜るのがうまい。
石川:
モンスターハンターみたいですね。なんだっけ、ドスガレオス?
小堀:
ほんとにそんな感じです。潜るのがうますぎて全然姿が見れないっていう種類なんですけど。
石川:
あはは、見れないんだ。
小堀:
多頭飼いができるので、1匹だろうというカウントでやらせていただいています。
石川:
「水槽としては一個」理論。最初に飼ったのは何ですか?
小堀:
アマゾンツノガエルというカエルです。日本のカエルってピョンと跳んで素早いイメージですけど、こいつは獲物を待ち受けるタイプなんです。罠のトラバサミみたいな感じで。両生類のいちばん入門種かも。
石川:
かわいいですか?
小堀:
かわいいっていうか、かっこいいかな。
石川:
犬猫的なペット感じゃなくて、フィギュアを置いてるみたいな感じ?
小堀:
そういう要素もあります。古参の人たちは初心者が爬虫類を犬猫的にかわいがっているとチェッて思うらしいですよ。そんなもんじゃねーぜって。
石川:
愛情なんて注ぎやがってみたいな?
小堀:
愛情っていうか、触ってもこいつら喜びはしないじゃないですか。むしろカエルとかは触らないほうがいい。
石川:
あーなるほど。肌も強くなさそうだし。
小堀:
人間の体温でもやけどになっちゃったりとか。
石川:
あぶねー。
カメもくしゃみをする
小堀:
アマゾンツノガエルはフィギュアっぽいので、「これって飼ってるのかな?」って思うときがあるんです。
石川:
ペットとしての物足りなさ?
小堀:
それが良さでもあるんですけどね。そういうのもあって、より動く、インドホシガメを飼うことにしました。
石川:
これはペットだ。めちゃめちゃかわいいじゃないですか。
小堀:
そうなんですよ。日本にいるのはミズガメで、雑食だからハンター的で性格が荒いんです、リクガメは草食系でおっとりしてる。
石川:
ちょっと舌が出てますもんね。この表情もすごくいいですもんね。
小堀:
飼ってると野菜の栄養素に詳しくなるんです。これにはカルシウムが多いとか。
石川:
この人達は野菜からカルシウムを摂っているんですか?
小堀:
そうです。青梗菜と小松菜、モロヘイヤ…。調べていくと結局、人間が長生きするための食事が近いんじゃないかなって思ったりします。
石川:
だからカメは長生きするんですかね。温度管理とかは?
小堀:
基本、あったかいところに住んでいるので、紫外線ライトと温めるためのバスキングライトっていうやつとか。わりとすぐ風邪をひくんですよ。
石川:
へー、風邪!
小堀:
くしゃみするんですよ。
石川:
うわー、めちゃかわいいじゃないですか。
小堀:
かわいいですけど、カメ的には危機的な状況らしくて、病院に連れてかないといけない。
石川:
獣医ってカメも行けるんだ。
小堀:
受け入れてくれるところは少ないですけどね。病院行ってまわりの人はケージに犬とか入れてるのに、一人だけ謎のダンボールを抱えてるという状態。
石川:
あはは。笑ってる場合じゃないか。カメと人って体の構造が全然違うわけじゃないですか。なのに風邪ひいたときに出るのがくしゃみっておかしいですね。
小堀:
同じですもんね。
ちっちゃいやつが生まれてくる
小堀:
あとは、ヒョウモントカゲモドキ。爬虫類の中では一番ポピュラーで、めっちゃ飼いやすいです。紫外線とかいらなくて、昼間ちょっと温めてあげるくらいでいける。
石川:
熱帯魚ぐらいの感じ?
小堀:
下手したら熱帯魚より簡単かもしれない。
石川:
かわいいなー、これも。
小堀:
トカゲモドキといいつつヤモリなんですけど、まぶたがあるっていう。ちょっと変わった種類です。
石川:
ヤモリは普通まぶたないんですか?
小堀:
確か。
石川:
さっきのカメもですけど、目が大きくて黒目がちだからかわいいですよね。
小堀:
他にはカメレオンモドキっていうトカゲ。ペアで飼って、卵を生んだんですよ。それが今1歳ちょっとに成長して。めっちゃテンションあがるんですよ。繁殖させるの。
石川:
それはそうでしょうね!
小堀:
こんな楽しいんだ、って。
石川:
ちっちゃいやつが生まれてくるんですよね。
小堀:
そうですね。卵がちょっとずつ膨らんでくるんですよ。ある日気付いたら割れてて。
石川:
ちっちゃいのがいるとたまらないでしょうね。
小堀:
それが、噛むんですよ。
石川:
あはは、噛むんだ!育ててやったのに。
小堀:
ふつうカメレオンモドキってめちゃくちゃおとないんですよ。ナマケモノっぽいというか。
石川:
動かないですか。
小堀:
動かない。爬虫類って、ハンドリングっていって手に乗せるのが難しいんですよ。でもこれは全然手に乗せられる、すごい素敵なやつなんです。…のはずなんですけど、生まれてきたやつはめちゃくちゃ噛もうとしてくるんですよ。こんなに1から手塩にかけて育てたのに。
石川:
しつけみたいなのがあるんですかね。
小堀:
なんかあるみたいですよ。手と一緒にエサを出したら手もエサだと思っちゃうとか。
石川:
爬虫類だなーって感じしますね。そのバカさもかわいい。
小堀:
実際噛まれるとだいぶ痛いですけどね。
行きつくところは生態系
小堀:
石川さんも魚を飼われているんですよね。
石川:
はい。前はグッピーがいて、どんどん増えて「やばいやばい」って。
小堀:
グッピーは小魚で生まれるんでしたっけ。
石川:
そう。卵じゃなくて子供が直接生まれてガンガン増えていくんですよ。増えすぎてこれはアカンと思ったら、こんど病気が流行って、いなくなっちゃって。
小堀:
あらー
石川:
今はプラティっていう、ちょっと大きいグッピーみたいな魚を飼ってます。それも子供をガンガン生むんですよ。ただ違うのは、生まれた子供を食べちゃう。
小堀:
なるほど。
石川:
グッピーも食べるって聞くんですけど、親も体が小さいからそんなに食べなくて。でもプラティはバクバク食べる。
小堀:
プラマイゼロになってる。
石川:
複雑な気持ちですよね。勝手に増えないという意味ではいいけど。
小堀:
調整機能がついているんですね。
石川:
そういう意味ではすごくいいんですけど、なぜかなっていうのを考えるとちょっと悲しい気持ちに…。
小堀:
ちなみに爬虫類業界では、水槽系の人が爬虫類系に来ることを上陸と言うらしいですよ。
石川:
ははは。進化するんだ。
小堀:
そう。
石川:
水槽と爬虫類を一緒にやっていると、うまい具合に食物連鎖するんじゃないですか?
小堀:
そうなんです。あと虫のパターンもあります。エサ用にコオロギを飼うとか。よく言われるのは、ヒョウモントカゲモドキとか飼いやすい爬虫類だと、「コオロギを飼ってるのかトカゲを飼ってるのかわからん」ってなる。
石川:
コオロギのほうが手がかかるってこと?
小堀:
そう。コオロギのほうが全然難しいんです。じゃんじゃん死んだりして。
石川:
そっちに手がかかっちゃうんだ。コオロギ飼ってます?
小堀:
そこはちょっと言いづらいんですけど…ざっくりいうとゴキブリを飼っているという話で…。会社とかで「ゴキブリをいっぱい飼ってるらしいよ」ってなるとちょっと、と思ってあんまり公表してないんですけど。
石川:
それって家に出るやつ?
小堀:
日本のやつではもちろんないです。機能の違う種類で、いくつか選択肢があるんです。壁を登らないほうがいいからこれ、とか。ちゃんと蓋をしていたら大丈夫だからうちはこの種類にするとか。
石川:
飼うのはコオロギとかより簡単?
小堀:
コオロギは鳴くし、獰猛で共食いもするし、すぐに水切れ餌切れで死んじゃうんですよ。死ぬとくさっちゃって、環境悪化で連鎖的にみんな死んじゃったり。その点ゴキブリは楽だよね、みたいな。
石川:
生命力に関してはやっぱりアドバンテージが。
小堀:
そうなんですよ。あと意外とね、飼ってみると、森の賢者みたいな感じなんですよ。おだやかで。
石川:
あはは、ちょっと良いんだ。
小堀:
でもそうは言っても、一回逃げた時に妻にめちゃくちゃ怒られましたけどね。
石川:
そりゃそうだ。一個一個面白いですね。エサ事情。
小堀:
名前がパッと出てこないですけど、マダガスカルゴキブリだったかな。すっげえでかいやつがいるんですよ。試しに飼ってみたら、そいつの特徴が「鳴く」っていう。威嚇するときシャーっていうんですよ。虫でそんなのいるんだ!って。
石川:
どこから音を出してるんだ…。
小堀:
わからないんです、口じゃないと思うけど。
石川:
世界にはいろんな生きものがいますね。
小堀:
生餌なんで、なかなか難しいですけど、一つの生態系を作るって楽しい。
石川:
人工のエサもあるんですよね?ペレットみたいな?
小堀:
コオロギを練ってペースト状にしたみたいな。
石川:
こわっ!
小堀:
ウィダーインゼリーみたいになっていたりするんですよ。
石川:
コオロギ in ゼリーが。
小堀:
はい…
今後の展望
石川:
まだこれから飼いたいものとかあるんですか?
小堀:
バナナスパイニーテールイグアナっていうのがいるんですけど
石川:
これすごく高そうじゃないですか。
小堀:
頭おかしくなってくるんですよ。最初はヒョウモントカゲモドキ8000円で「けっこうするな~」って思うんです。それが次第に、「カメも20年飼うと思うと意外とお買い得じゃん!」って。
石川:
あはは、日割り計算だ。
小堀:
どうせ飼うんだったらって。
石川:
サブスクみたいな感覚だ。ひと月あたりだといくらみたいな。
小堀:
ほんとに。
生放送「記事の森」やってます
この対談は、先日放送したトーク配信『樹液でも飲みながら記事を振り返る「記事の森」』から抜粋したものです。番組ではこの2倍くらいしゃべってますので、対談をお楽しみいただけた方はぜひアーカイブをどうぞ。
次回は、8月に配信予定です!ぜひ配信ページでリマインダ登録していただくか、チャンネル登録をお願いします!