特集 2018年11月5日

ゴマの姿がよくわからないので、育ててみた

がんばってゴマを選別する

こういうときはやっぱりザルが便利だろう。ゴマより目の細かいザルに入れて小さなゴミを落とし、続けて目の粗いザルで掬い上げて大きなゴミを落とす。

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ザルとかボールとかがやたらとある家でよかった。
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麺をゆで上げるザルで大きなゴミをとる。
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プラスチックのザルを使ったら、ちょうど隙間の大きさにゴマがフィットして、詰まりまくって泣きたくなった。

こうしてボールの中にはゴマ粒大のものだけになったのだが、ゴマ粒大のものってゴマだけじゃないんですね。

だいたい90%はゴマなのだが、残りの10%はサヤや葉っぱのカス。どうみてもゴミで、この状態ではちょっと食べることができない。

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ザルでの作業はここまでが限界。

風の力でゴミを飛ばそう

こうして残ってしまったゴミは、風で飛ばせないかとウチワで仰いでみたが、まったくびくともしなかった。ゴミが軽いといっても、そこまで軽くはないようだ。

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びっくりするくらい無力だったウチワ作戦。

ならば次の手だ。水に入れると分離できるのではと、ちょっと試しに水没させてみた。

たしかにゴミを取り除けそうだが、そこに残るのは濡れた胡麻。また乾かすのが大変だし、一気に発芽してしまいそうなのでこれは断念。

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水によるゴミの選別。残ったゴマを早急に乾燥させる方法があればいけそうだが。

じゃあやっぱり手作業が一番なのかとピンセットでの分別を試してみたところ、近いところで目のピントが合わないことに気が付いた。老眼のはじまりである。これがハズキルーペの広告記事だったら、ここで武井咲さんの登場だ。

こうしてチマチマ集めているものが、ダイヤの原石などではなく、一袋100円とかで売っているゴマだと思うと、俺の今やっている作業は時給いくらなんだと計算してしまう。それはもう切なさがすごい。世の中のゴマってもっと高くていいよ。

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辛すぎる単純作業。腱鞘炎一直線。写経のように無になれるので、寺の修行とかにはいいかもしれない。
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とりあえず15分だけ頑張って、スプーン一杯分ほど集まったところで試食。この量を煎るのも面倒だしなーと考えた結果、思いついたのがゴマバタートーストである。やっぱりうまいな。

えーい、やってられるか。こんちくしょう。

やっぱり手作業による分別っていうのは限界がある。これまでの実験で一番可能性があるのは風力だろうか。ウチワよりも強い風が吹けば、ゴミを飛ばすことができるのではと思い直し、玄関まで扇風機を引っ張ってきた。

大きなボールにゴマを入れ、それを天かすをとるやつで掬い上げて、扇風機の風に当てながらサラサラと落としていくというのを繰り返す。これでどうだ。

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ファサー。

この精製方法が見事にハマり、軽いゴミや未成熟だったゴマは吹き飛ばされて、油の詰まった良質のゴマだけがボールに落ちていった。今までの苦労があっただけに、この効率的な作業は快感だ。

産業革命、大成功である。

仕上げにイモムシの落し物を取り除く

よしこれでもう食べられるぞと思ったのだが、よーくみるとまだ少しゴミがある。

ゴマとほぼ同じ大きさで、その比重も同じ黒い塊。これはあれか、ゴマについていたイモムシの落し物だな。

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無農薬栽培って大変。

ゴマを食べて育っているイモムシの落し物なので、これも広義の意味では黒ゴマと呼んでも差し支えないのではと思いつつも、やっぱり気になるので手作業で取り除く。

ゴミの混ざった状態からゴマだけを集める苦労に比べたら、僅かに残ったゴミを取り除く作業は全然楽勝だ。シラスの中からエビやカニを探すようなものである。

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ようやくゴールが見えてきた。

あとは許容範囲の問題ということで、適当なところで終了とする。もしこれが商品として売られていたが、ゴマのカスをごまかすなと言いたくなるが、生産者としてはもう勘弁だ。

ゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴミゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴマゴミゴマゴマゴマゴマゴマゴマクソゴマゴマゴマ。こんな感じ。

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どうにかここまで頑張りました。完熟する前に収穫したサヤもあったので、ゴマの粒の大きさがちょっと不揃いだな。

よく食品に小さなゴミや虫が入っていたと回収騒ぎになるけれど、こうして作る側に立ってみると、それくらい仕方ないよねと優しくなれる気がする。

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