収穫して食べてみる
この様子だとしばらくはロマネスコ食べ放題になりそうなので、まだちょっと早いかなと思いつつ、一番大きなものを収穫してみた。
新鮮なロマネスコ、フレッシュなフラクタルが眩しい。
ベーコンと炒めてパスタにして食べてみたところ、春キャベツのようなしっかりとした甘さがあり、食感は尖ったカリフラワーで、噛むとホロホロ崩れていく。
これはとても良い野菜だ。茎の部分も柔らかくておいしい。ブロッコリーともカリフラワーとも違う美味しさがある。
3月20日、ちょっと固くなってきた
畑に来るたびにロマネスコを収穫して食べているのだが、さすがに全部は食べきれない。
そんなロマネスコは心がザワザワするような変化をしてきた。まだ食べられそうなものは早めに食べて、残ったものは最後まで成長を見守ってみようかな。
3月29日、そういえば蕾なのだった
ロマネスコは自慢のフラクタルスタイルを放棄して、内に秘めていた花梗部分を自由に伸ばし、そしておしゃれなおばあちゃんのように頭を紫色に染め出した。
ここまでロマネスコを「実」と書いていたが、これは蕾の集合体。もちろん知識としては知っていたが、本当に蕾だったんだという感慨がある。
4月2日、 首が伸びた
そして4月、ロマネスコはヤマタノオロチとなっていた。
当初の目的であったベビーロマネスコはとてもかわいかったけど、それはあくまで想定の範囲。その後このように育つというのは完全に予想外。この姿を知れたことがうれしい。
この謎多き植物は、このまま紫の花を咲かせるのだろうか。
4月6日、私はなにを育てていたのだろう
この頃のロマネスコは、僅か数日で形が大きく変わっていく。
だんだんと原種の頃の姿に近づいているような気がした。
4月13日、花が咲いた
とうとうロマネスコの花が咲いた。アブラナ科の仲間らしい黄色の花だった。
あの紫色の蕾時代は一体なんだったのだろう。反抗期だったのだろうか。
5月2日、莢(さや)ができた
ロマネスコの花は数日で枯れて、そのあとにたくさんの莢ができた。これもまたアブラナ科の植物でよく見るタイプの形だ。
人間が食べるために必要とする蕾の形だけが違うことで、別の野菜になるのだなと改めて思った。
6月2日、とうとう枯れた
莢が大きくなるにつれてロマネスコは生気を失っていき、6月になるとすっかり枯れてしまった。
これにてロマネスコの一生は観察終了。
種の袋に「一代交配」と書かれていたので、この種を蒔いてもうまく育たないだろうと残さなかったのだが、今思えば次世代の観察を試してみてもよかったかな。
こぼれた種から勝手に生えてくることもなかった。
おしまい