出オチになりかねない記事ですが、ちいかわとの関連性、ウィキペディアとニコニコ大百科の関係に話を広げて4000文字超の記事になっていました。
個人的にはこの地域が「小」を「ちい」と読むのではというあたりがぐっときました。それはウィキペディアでは独自研究ってことになってしまうのでしょうが、デイリーポータルZは批評なので構いませんよ。(林)
👑今月の掲載作品
まずは超優秀作。記事として掲載した作品をふりかえります。今月は2本!
ちい川(5/13 掲載、宇喜多・W・要出)
編集部より寸評


行動力が記事の面白さに直結している、いい記事だと思いました。面白い地名、まずは行ってみてなんぼですよね。
「ちい川にあるちい川要素を調べる」というのはオーソドックスな展開だと思いますが、この「ちい川要素」をどう定義するかって難しいですよね。ここが主観だとブレブレで、言ってるだけじゃん的な印象になりがちなのですが、この記事は多少強引ながらもあくまで資料に基づいて判定しているのが納得感確保のポイントだと思いました。(石川)
食卓塩の瓶が好き過ぎて、落雁作りに挑戦した(5/20 掲載、おやまのぴょん子)
編集部より寸評

するするとどこまでも展開していく記事。
担当しているライターだったら塩の博物館か、落雁を作るのどっちかでいいですよと言ってしまいますが、ここまで続くとそういうエンタメですね。
途中、ChatGPTがこう言ったという記述がありますが、ここはChatGPTの回答ベースになっている原典を引用したほうがいいと思います。(林)

探求心みなぎる記事でした。枠を買うくだり、『メルカリで「食卓塩」と検索すると』とサラッと語られてますが、だいぶ思いつめた人の行動ですよね。作るだけでなく人にあげてみたり、いろんなところで行動力を発揮しているのもいいところ。落雁自体も4回作ってますからね。
こうやって謎の情熱にかられた人がたくさん見られるサイトでありたいです。デイリーポータルZ。(石川)
🎉佳作
原稿掲載までは至りませんでしたが、面白かった作品を佳作としてご紹介します。
薪の窯で焼き物を焼くと良い感じになります。燃えた薪から出る灰やガスが焼き物の表面と化学反応して、良い感じになってくれるためです。
では、薪でなく桜の花びらを燃料に焼き物を焼いたら、果たしてどうなるのでしょうか?やってみました。
編集部より寸評

桜の花びらで焼く陶芸って題材がキャッチーですね。
「へー」と思うこともあったんですが、やや2回目というか、陶芸を知ってる人がおもしろがるテーマなのかなと思います。
門外漢からすると、電気窯、酸化など、陶芸の基本的なところの話だけでも珍しいです。でも、特定のジャンルを突き詰めた先に面白さがあるので、両立は難しいんですよね。(林)

陶芸の話とエピソード、どっちも面白くていい記事でした。
先に陶芸の話からいくと、燃料を変えると仕上がりが変わるという技法の話も面白いですし、薪窯は高いのでサヤ鉢を使うといった「陶芸やってる人あるある」みたいな話も知らない世界を知れて面白いと思いました。
というわけで読んでしまえば面白いのですが、冒頭に説明がけっこう長く入るので、ここで挫折する人がいるかもしれませんね。できるだけ知識は最初に固めずに、後出しできるものは後にして全体に説明を散らすといいと思います。必要かな所に適宜配置するイメージで。(石川)
なんか凄かった大腸内視鏡検査(みかちゅん)

ネガティブな噂しか聞かない大腸内視鏡検査…。受けてみたら面白かったので、誰かに話したくなりました!内容が内容なので、口頭では伝えにくいので、漫画にしてみました。
未公開作品のため扉絵のみ掲載します
編集部より寸評

大腸カメラ検査は私もやりました。下剤、カメラ、すべてが珍しい体験で全てのできごとを人に言いたくなりますよね。分かります。
個人的な好みですが、うんこの話だからイラストと語り口は抑えめにしたほうがうんこの話の面白さが際立った気がします。(林)

勢いのあるマンガでよかったです。人間だとかなりリアルなトピックなので、キャラクターが鳥なのもちょうどよかったと思います。SNSの前評判と自分の印象が違ったところなど、ステレオタイプに乗っかるだけでなくしっかり自分のエピソードを見つめられてるのもいいですよね。
個人的には、マンガ全体というより一部表現に掲載が難しいところがあったという印象です。医療でかつシモの話でもあるという配慮ポイントの多いテーマならではの難しさはありますね。また是非ご応募ください!(石川)
👏もう一息
今月は、該当作なしです!
おわりに
最後に、編集長 林からのメッセージで今月の月刊新人賞はおしまいです。では林さん、どうぞ。
記事は簡潔にしなくてもいいかもしれない
毎月、記事の投稿ありがとうございます!思うんですが、動画がデフォルトの時代に文章で伝えようとしていることがすごいです。しかも長文で。
もうそれってエスペラント語や蹴鞠やってますってぐらい特殊なんじゃないかと思います。などと自虐めいて書いてしまいましたがネットに文章書く族の一員として心から歓迎します。
昔はネットでは文章を使うのが普通でしたが、マジョリティが動画に移動したいま、デイリーポータルZには文章を読むことが好きな精鋭が残っている状態です。
となると、文章は短いほうがいいという考えはもう有効ではないのかもしれない。だってそれは文章を読むことが負荷になる人を念頭に置いた考えなので。「読む」という行為が楽しいのであれば長いほうが嬉しい。ガムなら味が長続きするほうがいい。
そういえばデイリーポータルZでも7000文字を超えるような長文記事のほうが読まれていたり、商品紹介記事でも記事が長ければ長いほど売れています。本だって10万文字もあるのに売れてますからね。
たまに読み終わるのがもったいないと感じる本がありますが、それって文章を読む行為そのものの楽しさですよね。
オチや情報を気にせず、文章そのものの起伏を楽しむ記事。これが読むのが好きな人が集まる場となったウェブ媒体業界に合っているのかもしれません。
動画でもなければショートでもない。世界のトレンドとなっているショート動画にいちいち対局です。ロングで文。
……確かに、書きながらどんどんそんな気がしてきました!まだ誰も気づいてないけど、ショート動画全盛の影にはロング文のクラスタが存在していますよ。文学フリマはその集会ですし、ジュンク堂や紀伊國屋書店に行っても感じます。っていうかものすごく昔から存在してますね。
先週、デイリーポータルZのグッズで「読まなくていい本」の見積もりを取りました。デイリーポータルZでZINEを作ってますが、本って読むのが面倒だから読まなくていい本だったらWin-Winだと思ったんです。我々も書かなくて良い。実際には本のサイズの箱ですが(本棚に挿したときにかっこいいように布を貼ってある)、いまの理屈からすると違いますね。むしろ500ページ二段組みで読むところだらけのほうがいい。過去記事全部放り込むか。
来月もまたこのロング文クラブにご参加ください。(このメッセージもわざと長く書いてみました。どうですか)






