やっぱり途中のスピード感ですよね。ガー、ゴーとという雑なキャプションでバンコクへ。余計なこと推奨のデイリーポータルZですが、ここいちばんの移動のテンポはかっこいいです。
文章も読みやすいし、感情を情報らしく書いているのも一般性があるように見えます。うまいですね。完成していると思います。(林)
👑今月の掲載作品
まずは超優秀作品。今月、記事として掲載した作品をふりかえります。
長期の海外出張に行ってしまった親友のぬいを作って寂しさを和らげることはできるのか(7/31掲載、文園うどん)
編集部より寸評


単純に作って一緒にお出かけまでで終わるかと思いきや、まさかの海外渡航、そして友人との対面と、どんどん展開の広がるダイナミックな記事でした。かつそれが長すぎずスピーディーに描写されていくのも印象的。
ご友人に見せる時も、あえて現場まで趣旨を伝えず、そのあと趣旨を伝えるも実物を見せず、最後にぬい登場…と3段構成で生の反応を引き出しているのが秀逸だと思いました…!
(石川)
おめでとうございます!!
🎉佳作
原稿掲載までは至りませんでしたが、面白かった作品を佳作としてご紹介します。
【検証】ダイイングメッセージを速記で書けば、大量の情報が残せる説(YUKAS)
突然だが、皆さん「ミステリー」はお好きだろうか。
刑事や探偵が不可解な状況を紐解き、鮮やかに事件を解決するストーリーは、いつ観ても爽快だ。
つい最近も、『名探偵コナン』の劇場版が大ヒットとなった。
日本中がミステリーに湧いている。
編集部より寸評

逆にするっと読めて印象に残りにくいので佳作にしました。
ダイイングメッセージを読み解く部分をふくらましてもいいかも。犯人役に変な服装をさせて当ててもらうなど企画性を盛ると、そんなの分かるか!など撮影現場のライブ感が出ると思います。
「黄色いシャツを着た森さん」はやっぱり実物が見たいです。
(って書いてからオモコロ杯のコメントを見たら似たことが書いてあったので安心しました)(林)

面白かったです!速記に関するインタビューとしても興味深いですし、企画も面白い、そしてその企画を通してさらに速記そのものの興味深さが引き出されているという最高の相乗効果が出てると思いました。
細かいところですが、冒頭の「ライターの まるやま & たねはし です」って結局だれが書いてるんだよって思うので、執筆者としての名乗りは一人にした方がいいかもと思いました。顔が見えにくいというか、ちょっと距離が遠い印象を受けるかも。
個人的には記事掲載でもいいくらいだと思ったのですが、既に他所で受賞済みということで佳作で推させていただきました。ぜひまたご投稿ください…!(石川)
わたしは100カ国の人に「あなたの1番好きなレストラン教えて」と聞きまくりマップを作った。
編集部より寸評

記事が長くて途中で迷子になりそうなので、まずは完成した地図を見せてからエピソードを並べていくのはどうでしょう。
地域ごとの傾向、途中の苦労、カフェばっかり挙げるカナダ人などエピソードの分類は小話としてまとまっていれば、情報のレイヤが統一してなくてもかまいません。(林)

労力のかけ具合、そして完成した地図の情報の濃さ、そして何より「世界中の地元の人が好きなレストランが集まっている」という夢みたいな成果物、どれをとっても最高です。お疲れさまでした!
記事としては長い印象なのでちょっと絞りたいですね。フリー素材のイメージ写真&イラストはちょっと減らしても良いかも。
あと、好きなレストランを調べる企画ですが料理名で書かれている箇所が多く、実際には好きな料理を調べてるのかな?と序盤迷いました。カテゴライズとして料理名でまとめるのはもちろんOKですが、その旨をちゃんと明記する必要がありそうです。
(石川)👏もう一息
編集部より寸評

若干ですが散漫な印象を受けたのでもう一息にさせてもらいました。
地図を集める過程、借りた場所の広さ説明、嫌になる、できた喜び、それらを表す文章や写真が重複してるところがあるので、それぞれをひとつ強いのを残していくとタイトな原稿になると思います(林)

林も書いてますがちょっと散漫で話の流れが分かりにくい印象がありました。旦那さんが躍っているとかめまいのくだりとか。
いつも林も僕も「余談を入れよう」とアドバイスしていているのですが、その一歩先として「余談を余談と分かりやすく分離して入れる」があるのかも。説明の中に細切れに混ぜ込んでしまうと説明に集中しにくくなるかもしれませんね。(石川)
おわりに
最後に、編集長 林からのメッセージで今月の月刊新人賞はおしまいです。では林さん、どうぞ。
最近気づいたんですが、世の中にすでに「ある」ものを取り上げた記事は読まれます。
サイゼリヤの新メニュー、ラーメン二郎、百均の便利な道具、これらは読まれます。なぜなら「ある」から。読み手としても「ああ、あれね」と思えるので、心の準備ができる。
ひとり二人羽織、顔が回るパンの人、架空の留学生を迎えに行く、これらはあまり読まれません。なぜならそんなもの世の中に「ない」から。「ああ、あれね」がないのでタップされない。
でも、記事を書くこと含めて表現とは見たことないものを見せることだと思っているので、月刊新人賞に限っては「ああ、あれね」がゼロの題材も大歓迎です。一緒に孤独になりましょう。



