福岡は景色の変化がダイナミック
福岡市はとんでもなく変化に富んでいた。そして公共交通で端までいくのも結構大変だった。それなのに面積は東京23区(627㎢)よりずっと小さい(343㎢)。関東は似たような景色がずっと続くのに、びっくりだ。
ちなみに小呂島まで往復したあと、西鉄バスで椎原まで往復を1日で行うこともできる。ただ椎原方面のおいしいごはん屋は15時には閉店してしまうので、やはり別々がいいのだ。
次の日。
今度は1000円の福岡市内バス一日乗車券を使ってバスで南下していく。
目指すは早良区椎原。福岡タワーから見えた山「油山」のさらに先にある山の中の集落らしい。
そこからさらに先に10kmほど山道があり、福岡タワーで見た背振山の峠が福岡市の最南端だ。目指す椎原は「バスで行けるエリアとしては最南端」ということになる。
福岡市は広い。
この地図の下の市境を目指していく
バスに乗って早良区にある早良営業所に行く。ここまでならたくさん便があるようだ。
それでも車窓の風景は、マンションや商店だらけの通りから一戸建てに変わり、リフォームの広告が増え、やがて畑が増えだした。数kmの距離だけど景色の変化が結構あった。中華料理屋だけはどこにでもあった。
問題は早良営業所から更にさらに南に行く便で、小呂島行きの船の1日1便よりは多いとはいえ、椎原行きは2時間に1本しかバスがない。
しかも運が悪く椎原行きのバスが出た直後に早良営業所についてしまった。ちゃんと時刻表はチェックしないとと後悔しながらあるき出した。
九州でよく見るファミレス「ジョイフル」休憩でもしようかと歩き出した矢先、バスターミナルから目と鼻の先に「ひもの工場直営店」の店を見た。
干物がずらり。様々な魚の干物があり、時価の干物ものや、規格外の格安商品などもある。
九州の魚はうまいと聞くので間違いないだろう(注:後日食べました。おいしかったです)。
まだ時間があるのでバス通りを南に歩いて行くと一気に田園地帯に。まだまだ福岡市内だ。
ちょっと歩くと、福岡の醤油会社「ヤマタカ醤油」が経営している食堂兼工場直売店「星多るの里」があった。
他の地域ではあまり買えない甘口の醤油がズラリ! これは甘党の九州醤油が好きな人にはたまらなかった!
星多るの里で時間をつぶし、果ての椎原行きのバスに乗る。
バスには先客としてハイキングが好きそうな高齢の女性が座っていたが途中で降り、僕だけになった後、その先の小学校前のバス停で小学生が数人乗った。
そのバス停には「ここが最後の商店です」という店の看板があった。つまり椎原には商店がないようだ。
一気に景色が変わり田舎の景色に。
集落どころか家もなくなり、バス停の間隔が長くなる。西鉄バスは車線幅の短い山道を進んでいく。(まだまだ福岡市内です)。
そして開けたところで終点椎原。空き地のようなスペースに止まった。福岡市早良区椎原は絶景だった。
福岡市すごいよ。
絶景を前にどうしようなと考えていたところ、バスに乗っていた小学生が「どこに行くんですか?」と声をかけてきた。環境が変わると人も変わる。
バスで端っこまで来た。背振峠は行けるの?と聞くと、「あの先を曲がって曲がってその先の雑草が生えてる舗装道路を抜けた先の、2時間くらいいったところに観音様があります。それから背振峠への登山道があって、朝から来る人もいるけどよく遭難する人はいます」
はきはき言われたてすごいなあと思う一方、山登りはまたハードルが高い。それに行って戻ったらバスが無くなってしまう。
せっかく椎原にやってきたのでなにかしたいと、このあたりで唯一の食堂である蕎麦屋にかけこむ。
大自然の中で食べる歯ごたえのあるそばに、遠くまで来たなあという気になった。
感想ノートがあった。多くは福岡から食べにやってきているけど、バスで来た人はどうやらいなかった。バス旅もいいぞ。
福岡市はとんでもなく変化に富んでいた。そして公共交通で端までいくのも結構大変だった。それなのに面積は東京23区(627㎢)よりずっと小さい(343㎢)。関東は似たような景色がずっと続くのに、びっくりだ。
ちなみに小呂島まで往復したあと、西鉄バスで椎原まで往復を1日で行うこともできる。ただ椎原方面のおいしいごはん屋は15時には閉店してしまうので、やはり別々がいいのだ。
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