Free Wi-Fiステッカーはかなりデザイン性に優れたものが多い気がした。旅行に来た人が探すものだから、その土地の魅力をデザインに盛り込みつつ、必要な情報をきちんと伝えるためにデザイナーさんが知恵を絞って作っているのだろう。
旅先でステッカーを探して写真を撮るのが、勝手にスタンプラリーをしているようで楽しかった。ぜひたくさんの人に、身近なエリアのFree Wi-Fiステッカーを探してめでてほしい。
先ほど「市の花、木などはWi-Fiステッカー界では頻出」と書いた。
つまりこういうことである。
東京都台東区のステッカーは桜と朝顔があしらわれ、
東京都板橋区のステッカーにはハクセキレイが登場し、
東京都千代田区のステッカーでは背景に松が描かれている。
それぞれ、台東区の木と花がサクラとアサガオ、板橋区の鳥がハクセキレイ、千代田区の木が松なのだそうだ。
Free Wi-Fiステッカーを見比べるだけで区のモチーフがわかってしまう。博識になった気分だ。
その土地のゆるキャラを全面に押し出したステッカーもある。ゆるキャラフィーチャリングタイプと名付けた。
たとえば茨城県鹿嶋市のこちら。
このおじさんは塚原卜伝という剣豪をモチーフにした鹿嶋市のキャラクター「ぼくでんくん」なのだそうだ。剣豪っぽくない、のほほんとした顔立ちに癒される。
京都府京都市の三条名店街のWi-Fiステッカーにもゆるキャラがいた。
キリっとこちらを見つめるまなざしがりりしい。なんかこのWi-Fiにつなげなきゃならないんじゃないかという気分になってくる。
ゆるキャラ系で一番感動したのが宮城県仙台市のこちらのステッカーだ。こちらも冒頭で紹介したもの。
仙台市のゆるキャラむすび丸くんが右上から顔をのぞかせている。むすび丸くんの頭には伊達政宗の兜の三日月形のモチーフがついているのだが、それがWi-Fiの電波と一体となっているのだ。なんてかわいいデザイン!
今まで見てきたように、Wi-Fiステッカーには青海波のようなWi-Fiのマーク自体がでかでかと描かれていることが多い。そんななか、Wi-Fiのマークをデザインの中に自然と溶け込ませたものもいくつか見つかった。
例えば静岡県沼津市のこちらのステッカー。
静岡県といえば富士山!沼津といえば港!という感じでアピールポイントを残さず盛り込んでいる。左下に配置したタカアシガニで駿河湾に広がる深海のアピールまでしているのはあっぱれだ。
そしてWi-Fiマーク中心の円の部分が水平線に浮かぶ太陽になっている! 枠からはみ出るほどの電波の大きさに力強さを感じるデザインだ。
東京都にある浅草仲見世商店街の電波がどこから出ているかというと……。
浅草の観光を支えるWi-Fi電波は風鈴から発信されているのだ。Wi-Fiマークがうまいこと風鈴の音色に擬態している。
和の風情を感じられて素敵じゃないか、と思ったのだが、これは本当に風鈴だろうか? 上部を見るとちょうちんっぽくもある。
だまし絵のように違和感があって目が離せなくなるデザインだ。風鈴ちょうちん?? 何なんだろう、これ…。不思議だ。
京都府では、Wi-Fiマークをみやびに昇華させている。
通常のWi-Fiマークを平たくつぶすように変形させ、扇子に見えるようにデザインしている。Wi-Fiマークにも見え、和の象徴にも見える。無駄がなく素敵すぎる。
都道府県や市区町村のFree Wi-Fi以外にも、電車や駅の中だけで使えるWi-Fiもある。そんなWi-Fiのステッカーも素敵なデザインのものがあった。
東京メトロのステッカーは、Wi-Fi電波の形が長方形の並びに変形してしまっているように見える。
なんだこの形、と思ったのだが、これってもしかして駅のホームからみた電車の窓をイメージしてるんじゃなかろうか。
こちらは阪急電車の車内にあるWi-Fiのステッカー。
電車から電波が出てる~、と初見では思ったのだが、これって電波に見える部分でトンネルの天井を模しているのではなかろうか。
いや、わかんないけど。そんな答え合わせもできない妄想がはかどる。素敵なデザインだと思った。
Free Wi-Fiステッカーはかなりデザイン性に優れたものが多い気がした。旅行に来た人が探すものだから、その土地の魅力をデザインに盛り込みつつ、必要な情報をきちんと伝えるためにデザイナーさんが知恵を絞って作っているのだろう。
旅先でステッカーを探して写真を撮るのが、勝手にスタンプラリーをしているようで楽しかった。ぜひたくさんの人に、身近なエリアのFree Wi-Fiステッカーを探してめでてほしい。
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