風が吹くのが楽しみな人生に
人生まで語っちゃうと大げさだけど、どうしたって抗えない天候の変化に対応した楽しみが増えたのはとても嬉しい。
風の吹く日は凧揚げをしよう。じゃあ、雨の日はどうしたら楽しめるだろう? 今はぜんぜん思いつかないけど、それが見つかったら最強だな!
風を感じると私は、鞄のポケットからおもむろに凧を取り出す。
凧揚げをするのだ。
さっきまで何も無かった空に一点、可愛らしい凧が悠々と浮かぶ。
自然と顔は上向きになり、楽しい気分が沸き起こってくる。
目に見えぬ風に、元気をもらう日々。
そんな凧ライフのススメです。
なんとなく、凧揚げといえば正月にやるもので、しかも近所の公園や土手でやるというイメージが無かっただろうか。
でも今回紹介する「ポケットカイト」はその考えをぶち壊してくれる。凧揚げはいつでもどこでも、もっと自由にやってよかったのだと気づいた。
出会いはドン・キホーテだ。
レジャーコーナーをなんとなく眺めていたら見つけた。
そして表紙に書かれたキャッチコピーに一目惚れ。
「風を感じたら凧揚げすることにしています」とどこかで言いたくて、購入してみることにした。
パッケージカラーは赤、緑、黄色の3つ。
どれも派手めで空に映えそうだが、私は青空に一番合いそうな黄色のものを選んだ。
手のひらにすっぽりと収まるサイズのケースを開くと、折りたたまれたナイロン素材の凧が入っている。
普通、凧には骨があってここまで小さくはたためない。
だがポケットカイトには2つの空気穴があって、そこに風が通ることで骨の役割をするようになっている。だから骨がいらずたためるのだ。
コツは、空気の通り穴がある方を手前にすること。それくらいだ。
最初は誰かに持ってもらうと楽かもしれない。
携帯でき、凧揚げをする回数が増えることで、凧揚げの良いところをたくさん見つける事ができた。
という訳でここからは凧の見せる可愛い表情とともに凧揚げの良いところを改めて紹介していきたい。
まず、なんと言っても揚がったときの高揚感。
いい風の時はたった数秒で空に舞い上がるのだ。
毎回ひゃっほう! と叫びたくなる。
凧糸は最長で15メートル。
手軽に楽しむにはちょうどいい長さだ。
風が足りないと途中までしか出せず悔しいが、逆に全部出せた時は満足感がすごい。
上級者は糸を足してもいいかもしれない。
人って単純だなと思う。
顔をあげるだけで少し楽しい気分になってくる。
凧はその機会を自然と与えてくれるツールでもあるのだ。
元気になって欲しい人に凧をプレゼントするのはいいかもしれない。
風が充分吹いているときは、凧はまるで散歩中の犬のようだ。
風をたくさん受け、糸(リード)を引っ張ってくる。
なんだか意思が感じられて、たとえ一人でも寂しくない。
ポケットカイトは携帯性があり、風さえあればいつでもどこでも揚げられるのがウリだ。だが、さすがに電線がある所や狭い所は避けなければならない。
すると、凧揚げできる場所は草木があったり海辺だったりと必然的に自然が豊かなところになる。おかげで心が癒やされるのだ。
風が強いとその分、音がする。
海辺なら波の音が聞こえる。
緑の多い場所なら、草木が揺れる音が聞こえる。
風は音も運んでいるのがよくわかってさらに癒やされる。
そしてどうだろう。
凧があがっている風景はいつもよりちょっと特別に見えるでしょう。お陰で記憶に残りやすい。
なんでもない景色でもそう感じるのだから、ふと絶景で凧揚げのチャンスに巡り会えたときはなおさらだ。
それだけでも美しい景色なのに、凧があるだけでもっと特別感が増す。
もうこうなると、いい景色を見たときに風が弱いと残念な気持ちになってくる。
強い風が待ち遠しいのだ。
そのうち、出かける前にスマホで風速を調べたりするようになってくる。
でも、多少風が弱くても大丈夫だ。
走るとけっこうあがる。
凧を揚げている時は童心そのものだし、実際、子供たちにも人気を得ることができる。
と、こんな感じで、凧揚げすることは髪が乱れちゃうことを除いて良いことだらけ。
それが手軽に楽しめるポケットカイト、オススメです。
人生まで語っちゃうと大げさだけど、どうしたって抗えない天候の変化に対応した楽しみが増えたのはとても嬉しい。
風の吹く日は凧揚げをしよう。じゃあ、雨の日はどうしたら楽しめるだろう? 今はぜんぜん思いつかないけど、それが見つかったら最強だな!
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