幻を食べる
食文化に興味があり、その中の一つに食べたことのないものを食べてみたいがあった。それが今回はイトウだった。養殖だからか川魚特有の臭みがないことに驚いた。純粋に美味しいと思える味なのだ。一番驚いたのは銀座で買えたことだけど。幸せは近くにある、ということかもしれない。
参考文献
『釧路のイトウと淡水魚』野本和宏 釧路市立博物館 2020
『地名アイヌ語小辞典』知里真志保 北海道出版企画センター 1956
私の数少ない知人から連絡が入った。「銀座で売っていたよ、イトウ」と。私は東京に住んでいるので銀座は近い。そんな近くに売っていたのかと驚いた。あと、見栄を張って銀座は近いと書きましたが、私の家からは1時間以上かかります。そもそも家から最寄駅まで徒歩20分くらいかかるから。
王子サーモンでは北海道の上川町で養殖されたイトウを販売しているそうだ。名水と言われる大雪山の綺麗な水で育ったイトウらしい。イトウを食べるならぜひ刺身で思っていたけれど、売っていた。100グラム798円。幻が798円なら安い。
美しい。実に美しい身をしている。眩しいと言ってもいいかもしれない。これこそが私が以前から食べたいと願っていたイトウなのだ。感動があった気がする。だって幻と言われたら食べたいじゃない。
食べてみるとこれがとても美味しい。阿寒湖のイトウが大盛況になるのが頷ける。水っぽくなく身が詰まっている感じだ。川魚だけれど臭みはなく、サケ科のためか、遠くにサーモンの味がする気がする。
近くにいた知り合いにもせっかくだから食べてもらった。初めてイトウを食べたそうだけれど、川魚であることを伝えると驚いていた。それほどに臭みがなく、旨味が詰まっており、ベタな表現だけれど自然の甘みのようなものを感じる。つまり美味しいのだ。私だけが美味しいと言っているわけではないので間違いない、さすが幻。
食文化に興味があり、その中の一つに食べたことのないものを食べてみたいがあった。それが今回はイトウだった。養殖だからか川魚特有の臭みがないことに驚いた。純粋に美味しいと思える味なのだ。一番驚いたのは銀座で買えたことだけど。幸せは近くにある、ということかもしれない。
参考文献
『釧路のイトウと淡水魚』野本和宏 釧路市立博物館 2020
『地名アイヌ語小辞典』知里真志保 北海道出版企画センター 1956
<もどる | ▽デイリーポータルZトップへ | |
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |