特集 2020年10月23日

へちまタワシが食べたい

わたしはタワシを食べたい

最近はエコな視点から注目を集めているという昔ながらの天然スポンジ「へちまタワシ」。

しかしへちまは沖縄ではタワシではなく食べ物なのだ。

もともと食べられるなら、タワシになったへちまだって料理したら美味しいのではないか。

大阪出身。沖縄に流れ着いて10年ぐらい。「ぱちめかす」という沖縄方言が、やることと響きのギャップがあって好き。

前の記事:魔除ができるか心配なシーサーコレクション


へちまは食べ物である

へちま。沖縄や南九州以外では、主な目的はタワシとして使われるウリ科の野菜。
しかし沖縄の人にとってはへちまは方言で「ナーベーラー」といい、夏に食べる定番の野菜のひとつである。

loofah17.jpg
夏になると、スーパーや農産物直売所などへちまが野菜コーナーに並ぶ
nbs20.jpg
きゅうりのお化けみたいなのがへちま

主な料理方法はナーベーラーンブシー(へちまの味噌煮)。
他にもお味噌汁に入れたり、天ぷらなども美味しい。

loofah02.jpg

さてそんな沖縄の人にとっては食材、県外の人にとっては乾燥させてタワシとして使われるへちま。

乾燥させていたとしても、もともと食べられるならば、タワシからの原点回帰もできるのではないか。

つまりタワシになったへちまをどうにかして食べてみたいというのが今回の目標である。

タワシを食べるな

目標である(キリッ!)と言いながらすぐに食べるなと言ってしまうのだが、良い子は真似しないでくださいの部類である。

購入したへちまタワシの注意書きにも書いてあった。

loofah05.jpg

「本来の用途以外のご使用はお避けください。」

へちまタワシの本来の用途は体洗い用。

まさか口に入れるとは思われていないので、タワシになるまでの過程でどんな薬品が使われているかわからないし、保管方法なども不明なので食べない方が無難である。

loofah04.jpg
なんとなくメーカーは隠しておいた

でも見て。このシンプルな「材質:天然ヘチマ」という表記。

オンリーワンである。

loofah03.jpg

特長に書かれた「使い続けるうちに繊維が柔らかくなり」という魅力的な謳い文句。

好奇心が抑えられない!

へちまキッチン

loofah06.jpg

ということでまな板の上のへちまである。

loofah07.jpg

がっつり食べるのは怖いので、食材にするのは少しだけにしておく。

いったん広告です

へちまタワシ刺身

まずは刺身。
刺身というか、水洗いしたものを食べるだけなのだが。

loofah08.jpg

感想

あかん。
味なし、ただただ硬いだけ。
ティッシュペーパーでもない、紙でもない、段ボールを食べるとこんな感じなのかなと思った。

へちまタワシ素揚げ

loofah09.jpg

油で揚げた素揚げ。

loofah10.jpg

おおお戻った!というのは嘘でこちらは同じ日に作った素揚げのナス。

loofah11.jpg

そしてこちらがへちまタワシの素揚げ。
焼く前と後での印象の変わらなさがすごい。

感想

あかん。
油を揚げた良い匂いはするが、ただただ硬い。
脳裏に骨粗しょう症とかに出てくる骨の断面図が浮かんだよ。

ナーベーラータワシンブシー

最後は沖縄のへちま料理の定番「ナーベーラーンブシー(へちまの味噌煮)」を作ってみたい。

loofah12.jpg

これまで全然駄目だったが、料理は下処理が大切。
洗っても焼いても硬いままだったので、重曹を溶かした水にしばらく浸けておき、柔らかくなることを期待したい。

loofah13.jpg

6時間後。なんだか少し膨らんだような気が...?

loofah14.jpg

まぁ、嬉しくなって触ったときに全てを察したのだが。

loofah15.jpg

察したので、本来であればナーベーラーンブシーに一緒に入れる豆腐やお肉(スパムとか)は省いて、へちまだけ煮た。

感想

あかん。
骨に甘辛い汁を浸して吸っているような感じ。
へちまの存在意味が食材じゃなく匙になってしまった。これは。あかん。


まとめ

今回わかったことは、へちまは乾燥させる過程で食べられる果肉部分がなくなっている。
そして残っているのは繊維であり、繊維はどうあがいても繊維なのだ。
...うん、知ってた!

でもなんでもやってみるのが大切だと思うのだ。読後のモヤモヤはタワシで洗ってスッキリしていただければ幸いです。

▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ