デジタルリマスター 2022年2月18日

チリメンモンスターを食べる(デジタルリマスター)

チリメンモンスターというのは、シラス干しやちりめんじゃこに入っている、雑多な生物のこと。
これを学校の授業において活用する動きが、ここ最近話題を呼んでいる。僕も何度か試したが、教員の方が夢中になってしまうぐらい面白い教材だ。

ところで今日は、このモンスターたちを食べてみたいと思う。

2010年10月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1978年、東京都出身。漂泊の理科教員。名前の漢字は、正しい行いと書いて『正行』なのだが、「不正行為」という語にも名前が含まれてるのに気付いたので、次からそれで説明しようと思う。

前の記事:一刀彫で作るセロテープスタンド(デジタルリマスター)

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とりあえず3袋注文した

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クール宅急便で届きます。

チリメンモンスターという呼称は、株式会社「かね上」さんの商標登録だ。この会社の方が混入生物をブログに載せたのに注目が集まり、そこから一気に世間に広まった教材だ。今日のチリメンモンスターも「かね上」さんから買った。
せっかくなので、まずはこれを分類してみよう。

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かなり大量に買いました。
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背中にヒョウ柄、「ヒイラギ」のむれ。
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チリモンの代表格、「タコ&イカ」
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シマシマ、鼻長の「ヤガラウオ」
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ゴツゴツ肌の「カワハギ」
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見つけるとテンション下がる「ウオノコバン」
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見つけた瞬間テンションMAX、「タツノオトシゴ」

 

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チリモンカードつきの本も売っている。子供におすすめ。

一度始めると、2時間でも3時間でも続けられてしまう、魔力がある物体だ。 かね上さんでは、選別で除かれたものを中心に集めて教材用に売っており、ホームページから注文することができる。内容は季節や注文した日によって違うため、何度でも楽しめる。

興味を持たれた方は、こちらのサイトに詳しい記載が載っているので読んで欲しい。子供向けの本も売っているので、買えば親子で楽しめる。

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以前見つけたヒラメ。ヒラメは目が左にある。
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同じく以前見つけたオトヒメエビの稚エビ。

 

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で、これ喰えるのか。

誰しもがこれを見て、「喰えるのかな……?」と思うだろう。僕も思った。
チリモンの中にはタイとかアジとか、食用魚として普及しているものも、多く混ざっている。食べてみようと思わないほうが、どうかしている。
さっそく食べてみよう。

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アジ。おそらく最も抵抗無く食べられるモンスター。
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タイ。高級気分満点になれるモンスター。
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いただきモンスター。

うまい。
当たり前だけど、うまい。いい味だ。
魚によって微妙に味が違う。ヒイラギは苦味が少し強い。カワハギは皮がぼそぼそしている。アジは香りがいい。ヤガラウオとかタツノオトシゴは、食べている気がしない。
一番おいしかったのは「アイゴ」。塩辛のような甘味と旨みが胸を刺す。

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一番おいしい「アイゴ」。スケスケのボディがセクシー。


ほんとは食べちゃダメ

袋には食べちゃダメと書いてある。エビ・カニの仲間には、鋭いトゲがあり、口の中を傷つけるおそれがあるからだ。
実際、チリモンの9割以上は、小さいエビやカニの幼生で、鋭いとげがあり、手で掴むとたまにチクッと刺さるぐらいのもある。
実際、チリモンをそのまま食べてみると、味は悪くないのだが口当たりは悪く、ちくちくした感触がのどを伝っていくのまで分かる。

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こんなトゲトゲ生物がチリモンの主成分。
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指に刺さったチリモン。(エビの幼生)けっこう痛い。

 

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食べちゃダメ、が基本スタンスだ。

考え方によっては、シーフードミックスだ

しかし、チリモンで遊ぶたびに、大量の廃棄が出るのが、いつも心苦しい。

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捨てるんなら、食べさせて欲しいニャー。

口当たりこそ悪いが、元は普通の魚。味はむしろおいしいし、いろんな種類を探すのも楽しい。エビ・カニだって入ってるし、むしろ高級シーフードミックスだと言えるかもしれない。

そこで今日は食べるなという警告をおして、僕がこのモンスターを大胆に食べてみたいと思う。

モンスターの●●

エビ・カニを大量に含む上に、魚を丸ごとといえば、この料理法がいいのでは無いだろうか。
エビカニの旨み、魚のアラの旨み、全部を生かしきるこの一品。臭み消しと甘味のために、ネギをちょっと加えた。

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彩りを考え、ネギの青いとこを使いました。
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沸騰したお湯に、モンスターをふんだんに加えます。

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塩味は、モンスターから出た塩で全部まかなっているため、味付け不要。自然食材100%、間違いなく至高の一品と言えるだろう。
さっそく飲んでみた。

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んー、この味は……!

だし汁だった。
煮干しでだしをとった、だし汁の味がする。
いや、おいしい。ただのだし汁よりずっと風味豊かで、味もいいのだが、この口に入ったスープをどう分類するかと言えば、「だし汁」以外に言いようが無い。
そう、これで魚ダシ系のラーメンを作ったら、きっとすごくいいラーメンができる!!

……反省点をまとめよう

水で煮ただけでは無理があった。
「モンスター」という語感だけに頼った料理名もダメだっただろう。ちなみに、潮汁にしたあとのモンスターの味は、「だしをとった後の煮干し」以外の何物でも無く、信じられないくらいマズかった。
しかしそれを乗り越えて、どうにかメイン食材としての道を模索できないか。

チリメンモンスターの弱点は3つ
1.ちくちくする。
2.旨みがすぐに逃げてゆく。
3.生臭い。1は、煮てもちくちくするので、消すのは無理だ。むしろ辛い味にして、辛みの刺激と区別が付かないようにすればいいんじゃないか。
2の旨みは、逃げないよう、丸ごと閉じ込める料理にしたらいいのだろう。3の生臭さは、香味野菜でカバーでOK。
よし、はいできた!
これが僕の、モンスター料理に対する答えだ。

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にんにくショウガで生臭さを消し、豆板醤で辛味。
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よく炒めて、旨みを凝縮させた後に、開放。

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これがまずいわけが無い。
みんなが大好き麻婆味で、モンスターを仕上げた。
さあ試食だ。

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気合のあまりの目ぢから。

うまい……、かもしれない。
マーボー味自体の構築に成功したので、カレーを失敗しないのと同様に、まずくはなっていない。
ただ、ちくちくを辛味の中にまぎれさせる作戦は、見事に失敗している。辛味のちくちくと、トゲのちくちくは、全く別のものとして口の中で認識される。
それ以外はそれなり、といったところだ。
東南アジアに旅行に行ったときに出てきた料理と思って食べれば、かなりうまい方に入るだろう。(微妙なフォロー)

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タコ@麻婆モンスター丼。

普通のシラスが一番うまい。

いろいろと試したが、チリモンは分類しながら時折つまみ食いするぐらいのペースが、一番いいように思える。鯛やヒラメの尾頭付きを一人で食べているという、不思議な満足感が、心を満たしてくれる。
とはいえ、チリモンには、フグやゴンズイなどの毒のある魚や、木片などのものたまに含まれているので、不用意に食べることは好ましくない。あくまでイタズラ心程度にとどめておいて下さい。

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普通のしらすも一緒に買えます。おいしかった。
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