普通のシラスが一番うまい。
いろいろと試したが、チリモンは分類しながら時折つまみ食いするぐらいのペースが、一番いいように思える。鯛やヒラメの尾頭付きを一人で食べているという、不思議な満足感が、心を満たしてくれる。
とはいえ、チリモンには、フグやゴンズイなどの毒のある魚や、木片などのものたまに含まれているので、不用意に食べることは好ましくない。あくまでイタズラ心程度にとどめておいて下さい。
チリメンモンスターというのは、シラス干しやちりめんじゃこに入っている、雑多な生物のこと。
これを学校の授業において活用する動きが、ここ最近話題を呼んでいる。僕も何度か試したが、教員の方が夢中になってしまうぐらい面白い教材だ。
ところで今日は、このモンスターたちを食べてみたいと思う。
※2010年10月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
チリメンモンスターという呼称は、株式会社「かね上」さんの商標登録だ。この会社の方が混入生物をブログに載せたのに注目が集まり、そこから一気に世間に広まった教材だ。今日のチリメンモンスターも「かね上」さんから買った。
せっかくなので、まずはこれを分類してみよう。
一度始めると、2時間でも3時間でも続けられてしまう、魔力がある物体だ。 かね上さんでは、選別で除かれたものを中心に集めて教材用に売っており、ホームページから注文することができる。内容は季節や注文した日によって違うため、何度でも楽しめる。
興味を持たれた方は、こちらのサイトに詳しい記載が載っているので読んで欲しい。子供向けの本も売っているので、買えば親子で楽しめる。
誰しもがこれを見て、「喰えるのかな……?」と思うだろう。僕も思った。
チリモンの中にはタイとかアジとか、食用魚として普及しているものも、多く混ざっている。食べてみようと思わないほうが、どうかしている。
さっそく食べてみよう。
うまい。
当たり前だけど、うまい。いい味だ。
魚によって微妙に味が違う。ヒイラギは苦味が少し強い。カワハギは皮がぼそぼそしている。アジは香りがいい。ヤガラウオとかタツノオトシゴは、食べている気がしない。
一番おいしかったのは「アイゴ」。塩辛のような甘味と旨みが胸を刺す。
袋には食べちゃダメと書いてある。エビ・カニの仲間には、鋭いトゲがあり、口の中を傷つけるおそれがあるからだ。
実際、チリモンの9割以上は、小さいエビやカニの幼生で、鋭いとげがあり、手で掴むとたまにチクッと刺さるぐらいのもある。
実際、チリモンをそのまま食べてみると、味は悪くないのだが口当たりは悪く、ちくちくした感触がのどを伝っていくのまで分かる。
しかし、チリモンで遊ぶたびに、大量の廃棄が出るのが、いつも心苦しい。
口当たりこそ悪いが、元は普通の魚。味はむしろおいしいし、いろんな種類を探すのも楽しい。エビ・カニだって入ってるし、むしろ高級シーフードミックスだと言えるかもしれない。
そこで今日は食べるなという警告をおして、僕がこのモンスターを大胆に食べてみたいと思う。
エビ・カニを大量に含む上に、魚を丸ごとといえば、この料理法がいいのでは無いだろうか。
エビカニの旨み、魚のアラの旨み、全部を生かしきるこの一品。臭み消しと甘味のために、ネギをちょっと加えた。
塩味は、モンスターから出た塩で全部まかなっているため、味付け不要。自然食材100%、間違いなく至高の一品と言えるだろう。
さっそく飲んでみた。
だし汁だった。
煮干しでだしをとった、だし汁の味がする。
いや、おいしい。ただのだし汁よりずっと風味豊かで、味もいいのだが、この口に入ったスープをどう分類するかと言えば、「だし汁」以外に言いようが無い。
そう、これで魚ダシ系のラーメンを作ったら、きっとすごくいいラーメンができる!!
水で煮ただけでは無理があった。
「モンスター」という語感だけに頼った料理名もダメだっただろう。ちなみに、潮汁にしたあとのモンスターの味は、「だしをとった後の煮干し」以外の何物でも無く、信じられないくらいマズかった。
しかしそれを乗り越えて、どうにかメイン食材としての道を模索できないか。
チリメンモンスターの弱点は3つ
1.ちくちくする。
2.旨みがすぐに逃げてゆく。
3.生臭い。1は、煮てもちくちくするので、消すのは無理だ。むしろ辛い味にして、辛みの刺激と区別が付かないようにすればいいんじゃないか。
2の旨みは、逃げないよう、丸ごと閉じ込める料理にしたらいいのだろう。3の生臭さは、香味野菜でカバーでOK。
よし、はいできた!
これが僕の、モンスター料理に対する答えだ。
これがまずいわけが無い。
みんなが大好き麻婆味で、モンスターを仕上げた。
さあ試食だ。
うまい……、かもしれない。
マーボー味自体の構築に成功したので、カレーを失敗しないのと同様に、まずくはなっていない。
ただ、ちくちくを辛味の中にまぎれさせる作戦は、見事に失敗している。辛味のちくちくと、トゲのちくちくは、全く別のものとして口の中で認識される。
それ以外はそれなり、といったところだ。
東南アジアに旅行に行ったときに出てきた料理と思って食べれば、かなりうまい方に入るだろう。(微妙なフォロー)
いろいろと試したが、チリモンは分類しながら時折つまみ食いするぐらいのペースが、一番いいように思える。鯛やヒラメの尾頭付きを一人で食べているという、不思議な満足感が、心を満たしてくれる。
とはいえ、チリモンには、フグやゴンズイなどの毒のある魚や、木片などのものたまに含まれているので、不用意に食べることは好ましくない。あくまでイタズラ心程度にとどめておいて下さい。
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