特集 2023年4月28日

リアルすぎる恐竜を見ると子どもが黙ります~恐竜ライブ「ディノサファリ」がすごい~

リアルすぎる。

ON-ART社が開発したDINO-TECHNEという自立歩行恐竜型メカニカルスーツが渋谷に来るというので見に行ってきた。

リアルすぎて、大人でも泣きそうになりました。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

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> 個人サイト むかない安藤 Twitter

渋谷に恐竜がくる!

渋谷のヒカリエにリアルな恐竜がやって来るというので見に行ってきた。

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恐竜ライブ「ディノサファリ
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ジュラシックパークの入口みたいで期待感が高まります。

僕は子どもの頃から恐竜が好きで展示なんかがあると今でも喜んで行っている(参考)。

どこの展示もさまざまな趣向を凝らして、絶滅してしまった大型恐竜の迫力を再現しようとしてくれているのだけれど、やはり実物の化石に勝る展示はないだろうと思っていたのだ。

今回の「ディノサファリ」のメインは、ON-ART社が開発したDINO-TECHNEという自立歩行恐竜型メカニカルスーツである。

最新のテクノロジーはすごいんだろうけど、やはり本物の化石には勝てないのではないか。

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会場はこんな感じ。人工芝で作った席に座って恐竜を間近に見ることができるのだという。

ところが、である。

ショーが始まってすぐ、目の前で繰り広げられる光景に目を疑った。

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だって序盤からユタラプトルの群れが死んだ恐竜をむさぼっているのだ。
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唖然とした。

リアリティがすごい。

リアリティというか、目の前で繰り広げられている状況が完全に生き物のそれなのだ。動物園のエサやりタイムを見ているみたいなのである。

映画と舞台とがまるで別物であるように、ジュラシックパークの方が映像としてはきれいかもしれないが、このディノサファリには生の迫力がある。だってどう見ても生きているのだ。

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人気の恐竜がつぎつぎ現れる

ディノサファリにはナビゲーター役がいて、芝居をしながら恐竜の学術的な説明もしてくれる。ユタラプトルは「ユタ州の泥棒」の意味なのだとか。知らなかった。

次にでかい足音を立てながら現れたのが今回の目玉でもあるアンキロサウルスである。

ものすごいでかいが、細かい部分まで精密に再現されていて、動きにも大雑把なところがない。

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むちゃくちゃかっこいい。

恐竜好きはだいたいティラノサウルスかトリケラトプス、最近だとモササウルスとかジュラシックパークの影響でラプトルなんかも人気だと思うのだけれど、30年前に僕たちが好きだったのはアンキロサウルスとステゴサウルスだったはずだ。少なくとも僕はそうだった。

その憧れのアンキロサウルスがいま目の前で動いているのだ。さすが21世紀、こうでなくっちゃ。

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特徴的なハンマーみたいなしっぽが頭の上をスイングしていった。たまらん。

このON-ART社のDINO-TECHNEという自立歩行恐竜型メカニカルスーツ、仕組みはよくわからないけれど、顔の表情もしぐさも皮膚のテクスチャーも、すべてにおいて生きている恐竜そのものなのだ。

このくらいリアルになってくると、子どもたちは喜ぶというより怖がるということもわかった。

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ナビゲーターの人が「草食だからおとなしいねー」なんて言っているが、子どもはその迫力に押されて逃げ腰である。わかる、その距離だとたまらんだろう。

そうこうしているうちに雨が降ってきた。

とはいってもここは室内だし、これも演出で、映像と音とで土砂降りの雨を表現しているのだ。

雨とともに気温も下がったようにすら思った。中生代のかなたから咆哮が聞こえる。なんか来るぞ。

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土砂降りの中、なんか来るぞ!
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ティラノサウルスだ!!!
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「ギョオオオオオオオオーーーーー!!!!」
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やっばい。

人気のティラノサウルスが出てきたら子どもたちは興奮して騒ぐかと思ったが、いっぱつ吠えただけで会場は逆に静まりかえった。

「ギョオオオオオオオオーーーーー!!!!」

ティラノが吠える。遠くで人の子が何人か泣いているのが聞こえた。

「ギョ、ギョ、ギョオオオオエエエエエエーーー!!!!!!!!」

「こわい、こわいーー」

ティラノの目には肉食獣の狂暴さがバリバリに宿っている。

このあと会場を暴れまわったティラノは、そこここで観客に向かって吠えたり威嚇したりとやりたい放題だった。

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近い!近い!近い!
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恐怖のティラノがいったんはけてトリケラトプスの親子が出てきたときはみんなでなごんだ。
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が、やはりティラノサウルスがすぐまた出てきて戦いがはじまる。

トリケラトプスとティラノサウルスは実際に同時期に生きていた恐竜で、互いにライバルだったとされている。

その証拠にトリケラトプスの角の化石にティラノの歯型が残っていたりするのだ。

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まさかその時の様子を生で見られるとは。

個人的におしっこもらいそうだった。怖いというよりも、感動してだ。まさか恐竜たちが生きて目の前で戦っている姿を見ることができるとは。

ジュラシックパークやサウンドオブサンダーを擦り切れるほど見てきた僕ら恐竜キッズにとって、これは一つの夢の到達と言えるだろう。

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最後には人気のユタラプトルのつがいがダンスを踊る。
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これがなんとも美しいのです。鳴き声もしぐさも生きてるみたい。
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なんでこんなに感動的なんだろう。

今の時代、なんでもバーチャルとかオンラインでいいのでは、と思っていないだろうか。

でも目の前で動いて吠えている恐竜を見ちゃうと、やっぱりリアルには勝てないなと思うのである。

会場を出ると現代が待っている

50分間の公演が終わって、魂を抜かれたようにして会場を出ると、そこには現代が広がっていた。

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急にお祭りみたいになるのがいい。中生代から現代へと戻ってきた感がある。

このディノサファリ、これからも進化してさらに巨大な恐竜が登場する予定があるのだという。

今回のティラノサウルスとアンキロサウルスがだいたい8mくらいあるらしいのだけれど、どこまでやってくれるのだろうか。期待しかないです。

恐竜ライブ「ディノサファリ」
渋谷ヒカリエにて 4月27日~5月7日

 

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