花束を持って空港に行こう
最初はジョークぐらいにしか思っていなかった肉の花束だが、プレゼントを渡した本人が一番幸せな気持ちにさせてもらった気がする。
またここ数年コロナで知り合いがベルリンに来ることがめっきり減ってしまったのだが、とりもちさんが遊びに来てくれたおかげで久々に空港で誰かを迎えに行くワクワク感を味わせてもらった。
これからも誰かが来たら進んで空港に行こうと思う。
さて、このでっかい肉ブーケ、誰に贈ったらいいのだろうか。
実はちょうどいいタイミングで、ライターのとりもちうずらさんがベルリンに来ることになっていたのだ。肉ブーケを持って、とりもちさんを空港へ迎えに行ったらどうだろう。
ドイツの名物と言えば、ソーセージやサラミ。肉の花束ほど「ドイツへようこそ」という気持ちを伝えるものは存在しないのではないか。旅行者だから花をもらったら困るけど、肉なら食べれるので喜んでもらえるかもしれない。
一応とりもちさんにも「肉の花束を持って空港にお迎えに行ってもいいでしょうか」と謎のメッセージを送ったところ、快くOKしてくれたのでこれで心置きなく空港へ行くことができる。
空港に誰かを迎えに行くなんて、何年ぶりだろう。ましてや花束を持って人を迎えたことなんて一度もないし、肉のブーケなんてもってのほかだ。また一つ、人生の履歴書に新しい経験を追加することができた。
到着ロビーに向かうと、ちょうどとりもちさんを乗せた飛行機が着いたところだった。すぐ分かるようにブーケを持って出口の前で待つことにする。が、なんだか強烈な匂いがする。
一本丸ごと入っているサラミから、マスクをしていても分かるぐらいぷんぷん肉の匂いがするのだ。
なんとなく気まずく思いながら待っていると、日本人らしき人が出てきた。とりもちさんだー!
到着口から知っている人が出てくると、ものすごくテンションが上がる。肉の匂いや視線のことなんかすっかり忘れて駆け寄る。
無事にブーケを渡すことができたが、果たして喜んでもらえただろうか。不安に思っていたところ、次の朝とりもちさんから写真が届いた。
サラミはパンにのせて朝ごはんとして食べてくれたのだが、おいしくて朝からお酒を飲みたくなったと伝えてくれた。なんと嬉しいことだろう。
あげる方も嬉しいし、もらった方も楽しめる肉のブーケ。またプレゼントしてみたいかもしれない。
最初はジョークぐらいにしか思っていなかった肉の花束だが、プレゼントを渡した本人が一番幸せな気持ちにさせてもらった気がする。
またここ数年コロナで知り合いがベルリンに来ることがめっきり減ってしまったのだが、とりもちさんが遊びに来てくれたおかげで久々に空港で誰かを迎えに行くワクワク感を味わせてもらった。
これからも誰かが来たら進んで空港に行こうと思う。
<もどる | ▽デイリーポータルZトップへ | |
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |