モノタロウの電池がおもしろい
ちょっと前にモノタロウ(業務用の資材通販サイト)からチラシが届いて、そこに載っている電池のデザインがおもしろかった。
おもしれー!と思って同僚に見せたらみんなウケていたが、見方を変えれば誰でも間違えにくいユニバーサルデザインでもある。
あるいはもしかしたら、サイズ感のわかりにくい通販サイト上で、一目で種類がわかるようにした結果なのかもしれない。
やるなモノタロウ…と思っていたが、実はこれ、モノタロウだけの話ではないことにあとから気が付いたのだ。
アルカリ電池=ピカピカ
これまでのアルカリ電池ってなぜだかピカピカの光沢のあるデザインのものが多かったと思う。
だいたい金属光沢の塗装の上にバーンとメーカー名や商品名が書いてある。そして「アルカリ乾電池 ALKALINE」と2か国語併記してあったりして文字が多い。そのわりに電池のサイズは小さく「単3 AA」とか書いてあり、主張はひかえめ。
あと、繰り返すがとにかくピカピカ。
ここで挙げた電池以外も総じてピカピカしている。各家庭でご使用の電池は違うと思うが、アルカリ電池といえばこういうイメージ、というのはうなずいていただけると思う。
これには乾電池にマンガン電池とアルカリ電池の二種類があることが関係していると思う。マンガン電池は昔から赤とか黒の地味な色が多く、それとの見分けやすさ、あるいはよりパワフルに見せるためにアルカリ電池はピカピカさせていたのではないだろうか。
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新たな勢力が台頭…白地に数字
そんなアルカリ電池=ピカピカのイメージもあってモノタロウには新鮮さを感じたわけだが、実はこれ系のデザインの乾電池、いま増えているのだ。
モノタロウの電池を買ってみた。似たデザインの中でも数字の存在感が頭一つ抜けている。
他のメーカーの似たデザインの電池も見ていこう。
同じ「白地に数字」界の中ではファッションリーダー的存在、それがアスクルである。
また、アスクルのこの電池は2019年か2020年の発売のようで、どうもこの白地+でかい数字ブームの先駆けはアスクルなのではないかと思われる。(ただし、数字がでかいだけならアスクルもモノタロウも旧デザインからそうらしく(参考サイト)、そのへん源流をたどるときりがなさそうではある)
こうした有名どころ以外でも、いまやAmazonで検索すると似たようなデザインがたくさん見つかる。
上のコラージュでまんなかに載せたLAZOSというブランドの電池に注目してほしい。緑色なので正確には白地+数字ではないがそこは目をつぶっていただくとして……
まさにいま時代が動いているのである。
変化の理由だが、単にわかりやすくていいという点以外に、ピカピカの必要性が薄れたというのもあると思う。
昔はマンガン電池が基本でパワーが欲しいときにアルカリを選ぶという感じだったが、いまやアルカリがスタンダードで、むしろマンガン電池はあまり見かけなくなっている。区別の必要がなくなり、アルカリ電池はピカピカを捨てつつあるのかもしれない。
中間もある
ところで、その中間というべきか、ピカピカだけど数字がでかいというパターンもある。
このまますべての電池が同じデザインになっていく……というのは言い過ぎかもしれないが、しかし「白地+でかい数字」に明らかに強い引力を感じるのも事実なのである。
サウンドハウスの電池が安い
これは本題と全然関係ない余談なのだが、電子工作で乾電池をよく使うので、どこで買うといちばん安いかを調べたことがある。まずお買い得に思えるAmazonベーシックは実はそれほどでもなくて、100均の方が安い。中でもダイソーは5本100円のものもあって、それを買うとリアル店舗ではたぶん最安。(かつては6本100円もあったが最近は見かけなくなった。)
ただ僕の知る限りで本当に最安なのは、意外にも楽器通販のサウンドハウス。10本180円という意味不明価格である。ただ2000円以下だと送料がかかるので、楽器と一緒に買うとか、120本以上買う場合にはサウンドハウス一択と言えよう。
お知らせ
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