レコードも聴きたいに決まってる
ところで、近年の僕のお酒以外の数少ない趣味に、レコード鑑賞があります。とはいえそんな高尚なものではなくて、リサイクルショップの100円コーナーで未知のレコードをディグってきて、酒を飲みながらぼーっと聴く、みたいなのがメインなのですが。
正直おじさん的で「アナログにはデジタルにはない温かみがある」みたいなことは言いたくありません。が、今日は言ってしまいましょう。温かみどうこうは別として、レコードの音には、確実にデジタル音源にはない質感というか、空気感というか、そういう独特のものがある気がすると。そしてそれは、無性〜〜〜に心地いいものであると。
今まで仕事場においてレコードは、これまた若かりしころに買った、
こういうプレーヤー
で、たまに聴くくらいでした。これはこれで味わい深いものの、再生はモノラル。コンポを導入してしまったからには、聴きたいよなぁ。しかるべきステレオ音質で……。
買ってしまった
新品のオーディオテクニカのレコードプレーヤー。コンポ本体よりもずっと高いですが、ここまできたら後戻りはできませんよ。
そして、さすがミニコンポではなく、フルサイズコンポ。プレーヤーと幅がぴったりで、
めちゃくちゃ気持ちいい
ではでは、ケーブルをレコード専用の「PHONO」端子に接続し、再生テストといきましょう。
テスト動画は、J-POPのレコードとかよりは著作権的に問題がなさそうな、以前お友達がリリースしたレコードがちょうどあったので、それでいきましょうか。
セット
よし! よしよしよし! 問題なく聴ける! レコード聴ける! そしてやっぱたまらん! 音ーーー!
レコードは楽しい
ちなみに余談になりますが、プレミア市場とは関係ないレコードディグ&鑑賞は、本当に楽しい趣味です。
たとえば、昭和あたりの演歌、歌謡曲。
こういうのとか
再生した瞬間に部屋の空気が一瞬で変わって驚くし、酒に合います。
なかでも特に僕のお気に入りは
初期ユーミン
まだ名前が荒井由実さんだったころの初期作品群は、もう、オーパーツか! ってくらいにセンスが良くて、ご本人の歌唱やミュージシャンの演奏も神懸かってて、とにかく気持ちいい。しかも、1stアルバムにすでにかの名曲「ひこうき雲」が収録されていて、2ndに「やさしさに包まれたなら」、3rdに「卒業写真」と「ルージュの伝言」、4thに「中央フリーウェイ」ですよ。おばけですって。
まぁ今回はユーミンの魅力を伝える記事ではないので先を急ぎますが、アルバム1枚をゆっくり聴くだけで、まじで全身をくまなくマッサージしてもらったくらいに心身がほぐれるので、中古で探せばぜんぜんお手頃に手に入りますし、おすすめです。
あとはこういう、
若き日に買ったレコードたち
をあらためて聴きなおす時間もいいし、
またはこういうの
上記の2枚は、僕が人生のなかでダントツで聴いた回数が多いアルバムトップ2なんですが(正確にはかせきさんのアルバムは、その後メジャーで再発された「さいだぁぶるーす」が追加されたバージョンのほうなんですが、すいません細かいですね)、それの、後年アナログで再発されたもの。この2作品がいつでもレコードで聴けるなんて、それだけでなんて幸運な人生なんだろうと思いますよ、本気で。
さらに僕の趣味である安レコードディグの真骨頂は、ずばり、よくわからないレコードたち。
たいてい1枚100円
リリースされた背景もあるので、よくわからないと言ってしまうのは失礼なんですが、僕にとってなんの予備知識もないけれど、ジャケなどがなんだか気になって買ってみるもの。これらが、なにを聴いても、その空気感込みで味わい深くて、やめられないんです。
ちなみに思い立ち、コンポの前にチェッカーズのレコードと観葉植物をあしらってみたら、
令和とはまったく思えない風景
が立ち現れたので、インテリアとしてもおすすめです。コンポ。
でっかいコンポが部屋にある生活、ふたたび
ではいよいよ最終段階。現状とりあえず部屋の片すみに置いてあるコンポですが、これをしかるべき場所に配置していきましょう。
窓際でTVボードがわりにしているりんご箱の上に、なにせ本体が巨大なもんで苦労しつつも、なんとか収めてみます。
こうなりました
うむ。こうなる前の状態が、
こう
だったんで、なかなかに圧迫感は出てしまいましたが、収まっただけ良しとしましょう。というかこの圧迫感、意外と嫌いじゃないかもしれない。
あ、そういえば上の写真に写っていますが、そもそも僕の仕事場には、前に友達から譲り受けたミニコンポがあったんですよ。そいつは今回、メインコンポからは引退となりますが、CDとMDの再生は可能。そこで本体だけをボードの横に残し、
こうしとけば
ケーブルをつなぎかえればいつでもCDおよびMDも再生可能に。
さらに、これは特に想定していなかったのですが、TVの音もこのスピーカーから聴くことができるようになったんですよね。今後、映画を見るときなんかは、きちんとスピーカーから音を出すようにしてみようかな。
というわけで、ひとまずこんなところでいったん環境は整いました。ここまでの一連がものすごく楽しかったし、自分にとって一生もののスピーカーでいろんな音源を聴けるようになったし、今、素直にめちゃくちゃ嬉しいです。
現状、あらためて令和とは思えない部屋ですが
おすすめはしませんが
以上、かなり個人的、かつ、特に誰のためにもならない記事を勢いで書いてしまいましたが、たった2000円のコンポ(プラスでかかった金額は考えない)を買ったことで、生活が驚くほど豊かになったことは間違いありません。
そして、子供時代から愛用し、やがて自分の生活からは消えてしまっていたコンポがふたたび目の前にある生活は、なんだかパラレルワールドにでも迷い込んだような感覚があってとても楽しい。
別におすすめはしませんが、でっかいコンポが部屋にある生活ってのも、案外いいものですよ。
編集部からのみどころを読む
編集部からのみどころ
パリッコさんと同世代なので、「こういうコンポ、うちにもあった!!」と思い興奮してしまいました。うちのはAIWAの、CDが3枚入る3連装のやつ…。
この記事、最後まで読んだ皆さんの印象は「コンポを買って昔を懐かしむエモ記事」になりつつあると思いますが、記事の序盤を思い出してください。実はそれ以前にパリッコさんが小学校から同じスピーカーをずっと使ってるっていうのが相当エモいんですよね。そのエモの上にコンポ購入でエモが積まれた、2段重ね。そこにさらに「個人的な思い出抜きにしても2020年代から見たコンポというもの自体がエモい」というエモの3段重ねで、まさにエモがコンポのように積み上がっている状態です。そりゃ「生活が驚くほど豊かになった」も過言ではないよな…と思わされますね。(石川)