鳥居が金の金神社
岐阜の魅力はなにも食べ物ばかりではない。
駅からほど近い場所に金神社(こがねじんじゃ)という名前の神社があるのだけれど、そこの鳥居が金なので紹介する。


そもそも岐阜とか愛知は他県に比べて金色を使う割合が多いように思う。名古屋城の金シャチは有名だが、ここ岐阜でも、たとえば岐阜駅前にある信長さんの像は金色だ。


遺伝子レベルで金色が好きなのだろうか。日本のゴールドラッシュというと佐渡を連想しがちだが、東海地方ではまだ続いているのかもしれない。
金神社の鳥居は作られた時はべつに金ではなかったのだが、最近金に塗ったのだという。それを決めた会議の議事録が見たい。しかしおかげでくすみもなくぴっかぴかである。

ちなみに金神社の主なご利益は金運アップとのこと。それはそうでしょうね、としか言えない。

明宝のハムトン
岐阜の食べ物に戻る。明宝のハムトンである。

いよいよわからなくなってきた。
こういう知らないものはネットとかで調べてしまっては台無しである。知らないままピュアな気持ちで体験したい。
家に帰って予習なしで食べてみた。


ボンレスハムを食べきりサイズにしました、という感じか。ハムってそのまま食べていいんだっけ、と一瞬迷ったが、パッケージには「そのままお召し上がりいただけます」と明記してあるのでいいんだろう。恐る恐るそのままかじってみた。

ハムである。
見た目は魚肉ソーセージのように見えるが、食べてみるとぜんぜん違うものだった。
ハムだ。というか肉だ。
肉のゴリゴリした食感がちゃんと残っていて実にワイルド。食べきりサイズというには少し大きすぎないかとも思うが、わんぱくであれ、というお店からのメッセージなのかもしれない。僕はひ弱なのであとで半分食べることにして、残りを薄く切ってみた。

カニチップ
最後は岐阜のご当地お菓子「カニチップ」である。

岐阜タンメンチップスと信長チップスは初めて見たが、カニチップは以前愛知でも見たことがあった。
しかし食べるのは今回がたぶん初めてである。

パッケージからして地域お菓子っぽさがにじみ出ていて好感が持てる。
どうも東海地方の食べ物というのは他県に進出しようという野心が見られないのだ。東京で一旗あげてやろう、みたいな気概はいっさいなく、このへんの人らが喜んでくれたらそれでえーよ、といった地産地消を生きがいとした食べ物が多いように思う。カニチップがそうであるかはわからないけど。

カニチップはカニの身みたいなピンク色をしていて、味もなるほど、言われてみればカニのうま味を彷彿とさせなくもない。薄塩味のふかふかえびせんタイプ。
しかしご存じの通り、岐阜には海がない。つまりカニはとれないはずなのだ。ならどうして。
ここで東海地方出身者としてピンときたことがある。
もしかして、岐阜県可児(かに)市に工場があるのではないだろうか。
岐阜には可児市という市があるのだ。たしか立派な古墳のある市である。可児市だからカニチップ、どうだ、当たっているんじゃないか。裏返してみた(カニだけに)。

カニチップはカニの身を練り込んだお菓子なのだとか。可児市は関係ない。
この際なんでカニとれないのにカニなんだよ、みたいな質問は無粋なのだろう。エビフライが好きな愛知だってエビがとれるわけではないのである。それと同じだ。
岐阜の心地よい「ちょうどよさ」
今回、別の用事があって何度か岐阜を訪れたのだけれど、食べ物にしても町並みにしても自然にしても、岐阜はなんとも「ちょうどいい」のだ。とびぬけてるわけではないけど、しみじみ良い。そう考えるとカニチップの良さも、あれはあれでちょうどいいんだなと、納得できる気がするんです。