自覚するIKEA
無印良品は当然、自らのカレー店ぶり、不揃いバウムクーヘン店ぶりを自覚しているだろう。
あまりの人気ぶりに、行きがかり上、やむを得ず、けれどそれを自覚のうえで伸ばすのは素直な商売の態度だと思う。
そういう意味で、IKEAもばきばきの家具店ながら、「実態はジッパーバッグ店である」、その自覚が明らかだった。
IKEAなら本来だったら郊外の倉庫みたいな店に行くのが探訪としては正しい態度だろう。
都合からやむをえず渋谷の店舗に甘んじて訪れたところ、まさかの渋谷店限定のジッパーバックが販売されていたのだ。
限定って、それサービスエリアとかででかいプリッツとかがお土産としてやることじゃないか。
公式サイトによると、2024年6月30日まで、渋谷のパンダのほか、IKEA新宿はクマ、IKEA原宿はオラウータンの柄を限定販売しているという。
ジッパーバッグをお土産的に販売しているのだ都会のIKEAは。もはやジッパーバックで立身する気概しか感じない。
・IKEAは家具屋である
・IKEAに行きたい
この現実と希望のあいだに深く横たわる溝、それは「行っても家具は要らんな」であった。
そこをしっかりと埋めたのがジッパーバッグであり、IKEAと私たちをつなぐ絆と言っていい。
サメが開いたぬいぐるみ店としての突破口
さらにIKEAといえばいつからかぬいぐるみの店としてまさか脚光を浴びるようになった。きっかけは間違いなくIKEAのサメことBLÅHAJ(ブローハイ)だろう。
渋谷店でもサメでやっていくという意気が完全に見受けられた。
ご存じあのサメのほか、ちょっと小さなサメもラインナップ。かぶるとサメになれるバスタオルもあって、サメを描いた什器も置かれていた。
かつて私はブローハイがプリントされた買い物袋を買ったことがある。もう立体でなくてもいいのかと驚かされた。
サメはIKEA JAPANにとってもはや完全にタレントなのだ。
サメが温かく出迎え、ジッパーバックを売りさばく、それが私たちのIKEAである。来週また行こう。
ファミリーマートは靴下の店
「〇〇ばっか売って、こんなん〇〇屋じゃん」みたいな感覚ってネットでよく言われますよね。
この話をすると、ウェブマスターの林さんから、ファミマは靴下屋ですねと言われ、そうだ、一番強いやつを忘れていた。
いさんでファミマへ行くと、自動ドアが開いてすぐのところにもう靴下がバーンと並ぶ。
カラーバリエーション展開をするとして、最後の最後の方に出てくるだろう色があったから買ってすぐはいた。
そうして足元が頼もしくなって立つと、向こうから「高級スーパーの紀ノ国屋も、あれもうエコバッグ屋ですよ」という話も入ってきた。
「こんなん〇〇屋じゃん」は致し方なく今日も拡張していく。乗るしかない。