デジタルリマスター 2023年2月8日

大きな柿から割れて出る(デジタルリマスター)

何がどうしたらこうなるのか。

終わりなき日常を映し出すアニメ「サザエさん」だが、ひとつだけ明らかに日常じゃないシーンがある。

それはオープニングのあのカットだ。巨大なくだものがパカッと割れて中から楽しそうなサザエさんたちが出てくる、あれ。

週末が終わって次の日は月曜日だというのに、一体どうしてあんなに楽しそうにできるのか。秘訣はきっとあの果物だと思って実際に作って再現してみることにした。

しかし、現実は厳しく一筋縄ではいかなかったのである。

2007年9月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1986年埼玉生まれ、埼玉育ち。大学ではコミュニケーション論を学ぶ。しかし社会に出るためのコミュニケーション力は養えず悲しむ。インドに行ったことがある。NHKのドラマに出たことがある(エキストラで)。(動画インタビュー)

前の記事:静止画でモーションキャプチャー(デジタルリマスター)

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球体をつくれ

作り方はZくんのかぶり物を作ったときのと同じでいいだろう。細長いとんがりをくっつけてドームをつくる。基本的には厚紙がいっぱいあったら複雑な作業なしでできる。

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カルチャーカルチャーで作業させてもらいます。

単にでかい果物を再現するするだけなら、平面の板を半円状にするだけでいいじゃないかと思われるかもしれない。しかし、そうではないのだ。立体で作ってこそ初めて実現したと言えるのだ。

今思えば、その思いつきこそがすべての誤算の始まりだったのかもしれない。

まず第一の誤算は材料が揃わなかったことだ。池袋の東急ハンズに行ったところ、必要な材料はA1版のでかい厚紙9枚だったのだが、4枚しか在庫がなかった。買った材料を持ってほかの店を回る時間もない。

実際画面に映るのは前半分だから半分だけ作ればいいか、と思って、在庫を買い占めてきた。

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A1四枚とB2二枚。

まず用意した材料に、直径120cmの球体をつくるためのパーツの切り取り線を書く。24枚だ。

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直径120cmを目指して。
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型紙となる一枚に気合を入れる。

続いてこの線に沿って厚紙を切り抜いていく。頑丈な素材じゃないと完成したときに形を保てないだろうと思って、厚めの紙を買ってきたせいで、カッターの刃が全然通らない。これも誤算だ。

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相当がんばらないと切れない。
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たまに刃が刺さって動かなくなる。

厚みがありすぎて1回刃を通すだけでは切ることができない。なので何度も同じ線をなぞる。何度も何度もなぞる。

この繰り返しはなんだか地獄っぽい。地獄の3丁目はナントカ地獄とか言ったりするが、延々厚紙カットは地獄の3丁目12番地デビル荘203号室くらい狭い地獄だ。厚紙カット地獄。

途中からべつやくさんに手伝って頂いたが、すごく申し訳ない気持ちになった。こんな地獄みたいな作業につき合わせてしまうなんて。 

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ありがとうございます。ごめんなさい。
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ゴールはまだ遠い

結局複雑ではないが単調な作業をひたすら続け、終わるころには日が暮れた。

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