産地が近い! 近くの山でコーヒー作ってる
話はタイに戻る。花だけじゃなくて、あのほろ苦いコーヒー豆の方もちゃんと見に行ったのである。
冒頭でチェンマイはコーヒーの街だと書いたが、それは産地が近いことと関係しているようだった。古都チェンマイは山に囲まれているが、その山ではコーヒーを作っているのだ。
京都でいうと比叡山でコーヒーを作ってるみたいな感じだろうか。そりゃあ比叡山でコーヒーが採れたら市内で売るだろうな。というか、宇治でお茶作って抹茶ラテとか出してるしな。
せっかくなので、コーヒーを作っている様子も見ておきたい。宿泊施設を通じて申し込むと、山岳エリアのコーヒー畑を見学できることになった。
「山の声」を聴いた山岳民族のコーヒーづくり
見せてもらえることになったのは、山岳民族・カレン族の村でコーヒーを作っているスエさん一家の畑だ。
「コーヒーを植えろ」という山の声(!)を聴いたという父の代から、森にコーヒーを植えて育てているそうである。
山の声を聴けるほどなので、元からある森は大事にしているらしい。木は切らず、木々の隙間にコーヒーを植えている。だから畑というよりジャングルに近い。
探検に近い気持ちで木をかきわけていくと、あちこちに赤い実がついていた。これがコーヒーだ!
小一時間ほど収穫を手伝ってみると、カゴにいっぱいのコーヒーが採れた。しかしこれ全部手で収穫しているのである。
大変すぎる! これからは激安のコーヒーとかは買うのを控えようと決意しました。コーヒー農家みんな幸せになってほしい。
山でもめっちゃコーヒー飲んでる
ところで山に来てからというもの、かなり頻繁にコーヒー休憩がとられていれることに気づいた。
村の説明を聞きながらコーヒー。実を収穫してコーヒー。お弁当を食べたあとももちろんコーヒー。さすがにカフェインの取りすぎてちょっと動悸がしてきそうなほどだ。
もちろん、日本から畑を見に来た私たちをもてなしてくれているのであるが、しかしなんかそれだけじゃないっぽい。みんなうまそうに飲んでいるのである。コップも自作していたりして楽しそうだ。
自分で作ったものを楽しく飲む。これってすごいことなんじゃないかと思う。
そういえば京都で宇治茶の収穫のバイトをしたときも現場ではお茶を飲んでいたけど、もうちょっとカフェイン摂取がメインだったというか、機能面を求めて茶が淹れられていた気がする。
それに比べると、ここのコーヒーはだいぶ楽しそうに飲まれている。こういう産地が近いというのはいいなあチェンマイ。
おれたちはもっと茶を飲んでもいいんじゃないか
チェンマイでコーヒー屋さんや農家を見てまわった感想は「なんかみんな楽しそうでいいなあ」だった。アホみたいだが素直な感想である。
それに、作るところと飲むところが近いのもいい。日本にいると地球の反対側で作ったものを買うことになったりするわけだが、それに比べると「あの山で作ってんだな」とか思えるだけでもだいぶ楽しい。
そう思うと、われわれは茶を飲むことにもっと積極的になったほうがいい気がしてきた。せっかく近所で作ってるんだし茶を飲みたい。
コーヒーはチェンマイでたくさんもらってきたのでしばらくそれを飲みます。