大磯……神奈川県にこんな場所があるの知らなかった。
ちなみに、小説家の島崎藤村は大磯の左義長を見て大磯に移住している。島崎藤村も移住するレベル。
私は読んでいた小説のモデル地のひとつだったというきっかけで大磯に興味を持ってからというもの、国府祭を見に行ったり、左義長を見に行ったりとなんだかんだで数か月に一度大磯に来るようになった。
左義長もお仮屋も、国府祭もおもしろい大磯においでよ!
夜のお仮屋も最高
そして日没後、夜のお仮屋も最高だった。
明かりがつき、暗い道でぼんやりとお仮屋が光っているのだ。幻想的……!
しかも、お仮屋によっては子どもたちが実際に中に入っていた。
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子どもたちは道祖神と遊び、お菓子を食べ、そこにある太鼓を自由に叩いたりしている。すごいなと思ったのが、大磯の子どもたち(も大人も)、なんかみんな太鼓が叩けるのだ。ずっと一定のリズムで鳴っているなと思っていたら、気が付いたら叩き手が変わっていたりする。
そして参拝すると「ありがとうございます」と声をかけてくれる。あたたかいイベントだ……!
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今年はお仮屋だけにしておこうかなと思ったけど、大磯の人たちのあたたかさに触れた結果、二日後にはまた大磯で左義長を見学していた。
左義長で正月飾りとだんごを焼く
左義長当日の大磯へ。駅前の商店では、左義長の火であぶって食べる用のだんごや竹を売っていた。
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竹は短い気軽なものから、すごく長い竹まで。この長い竹は、竹の先に穴をあけ、針金を通して作った輪にだんごを吊り下げるのだ。
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今回、毎年家族で参加している大磯民にご一緒させていただくことに。だんごを私の分も用意してもらったのだ。その節はありがとうございます……!
火入れは日が落ちてからだが、その前に浜辺に設置されたサイトを見に行く。
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左義長のサイトは全部で9基。サイトは藁や正月飾り、お仮屋の時に町内に立てられていたオンベ竹などで構成されており、ひとつひとつが見上げる大きさだ。
オンベ竹は、こういうものだ。
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見上げる高さのオンベ竹。お仮屋の日、これが町内のあちこちに立っていた。このオンベ竹が。
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このサイトを日没後の18時半に、一斉に点火するのだ。そしてこのサイトがまたひとつひとつ個性があっておもしろい……。だるまが逆さまに取り付けられているサイトがあったり。
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几帳面に松飾りや御札が並べられたサイトがあったり。
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ちなみに、お仮屋で見た道祖神は左義長を見やすいような位置に移動していた。かわいい。
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大磯の左義長は、昔厄神(目一つ小僧)が、村人に対する災いを帳面に書いて回っていたところ、夜が明けて帳面を道祖神(セエノカミサン)に預けて帰ってしまった。困った道祖神は自分の家とともに帳面を燃やしてしまったことが由来。
帳面を燃やした結果、村人は災いから守られたので、無病息災を祈る祭りだ。
そしてこのあたりでは、左義長では豆腐を食べると風邪をひかないといわれている。実際に道祖神の上に豆腐が供えられていた。
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これは人魚の肉を食べて不老長寿になったとされる八百比丘尼の伝説にあやかって、人魚の肉の代わりに豆腐を食べて長寿を願うというもの。豆腐は人魚の肉の代わりになるのか。興味深い。
そして18時半頃、サイトに点火。大磯の左義長は大迫力ですごかった。重要無形民俗文化財に指定されているだけある。
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この日は風が強くて一気に火が回る。周りにはだんごを持って待機する人々。
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火がある程度落ち着いてくるとだんごの出番だ! 左義長の火では、だんごを焼いて食べた。
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だんごを食べると無病息災になるといわれており、その場で食べている人もよく見かけた。でも、だんご自体には味がないんだよな……。
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左義長の忌み火(神事に使う清浄な火)でだんごをじっくり焼いていると、「すみませんそれどこで手に入れたんですか」と聞かれまくるので、ゲームのチュートリアルに出てくるキャラクターみたいな気分になった。だんご焼く側も楽しいので、ぜひだんごを焼く側でも参加してほしいなと思う。気軽な小さいやつもあったし。
美味しく食べたかったので、私は持ち帰って焼きなおしてあんこ餅にして食べた。
あんこ餅はあんこが魔滅=まめ につながるからいいらしいとのことで、地元民に勧めてもらった。だんごは香ばしくておいしかった。