チキン南蛮天国
チキン南蛮が好きなので、発祥の地でチキン南蛮を食べてみたいと思っていた。結果、大正解。食べて大正解。美味しいのだ。二つの系統のチキン南蛮があることもわかった。それぞれ美味しいのもずるい。悩むのだ。胃袋には限界があるから。今回は限界を突破して両方を食べたけどね。限界突破をさせるのもチキン南蛮の力だ。
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実は直ちゃんと同じ頃、つまり昭和40年頃に延岡の「おぐら大瀬店」でもチキン南蛮は生まれていた。こちらは甲斐照幸さんが開業したお店だ。当時はモモ肉が主流で、ムネ肉を使っても美味しい料理を作れないかと考えたのが誕生のきっかけだった。
おぐら大瀬店は現在休業中だった。建物の雰囲気が昔からある洋食屋のようでワクワクする。フォントもいい。窓の作りもいい。レトロチックで素晴らしいのだ。実際に歴史あるお店なので純粋なレトロなわけだけれど。大瀬店は休業中だけれど、延岡にあと3店舗あるので別の店舗に行くことにした。
おぐらのチキン南蛮は、子供たちが鶏の唐揚げを魚の南蛮漬けの甘酢につけているのを見たり、スルメにマヨネーズをつけて食べたりすることに着想を得て生まれたそうだ。
我々がよく知るチキン南蛮だ。当初は思うほど人気にならなかったそうだけれど、昭和42年頃から人気メニューと肩を並べるようになった。食べてみるとやはり美味しい。甘酢も感じるがタルタルソースがいい。甘酢の酸味を引き立てているように感じる。
おぐらでは現在、モモ肉を使ったチキン南蛮も出している。そちらも食べてみたけれど、私の幸せな舌では明確な違いはわからなかった。むしろこれは素晴らしいことで、誕生の原点であるムネ肉を使った美味しい料理が実現しているということではないだろうか。
直ちゃんとおぐらの両方のチキン南蛮を食べたけれど、同じチキン南蛮でありながら、異なる解釈なのが面白い。どちらが美味しいかと論ずることはできない。似ている部分はあるが異なるからだ。
東京を走る中央線と総武線は並行して走る区間もあるが、始発駅と終着駅が異なる。この2つのチキン南蛮もそのような感じなのではないだろうか。共通することは美味しいことだ。本当に美味しくて、何度も行きたくなった。延岡に住んでいたら通う。
延岡駅にあるスーパーに行っても、物産品を売っているお店に行っても、チキン南蛮に関係するものが売られていた。私は東京に住んでいるので、ここまでチキン南蛮に関係するものを見たことがない。生地であり聖地なのだ、チキン南蛮の。
チキン南蛮が好きなので、発祥の地でチキン南蛮を食べてみたいと思っていた。結果、大正解。食べて大正解。美味しいのだ。二つの系統のチキン南蛮があることもわかった。それぞれ美味しいのもずるい。悩むのだ。胃袋には限界があるから。今回は限界を突破して両方を食べたけどね。限界突破をさせるのもチキン南蛮の力だ。
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