今回はライターの井上さん、トルーさんがこの世をエンジョイするTODOを試しています。すぐ読みたい方はどうぞずずーっとスクロールしてください。
その前に、今年のカレンダーってどういうこと? という方はまずはお付き合いを……。
「エンジョイこの世カレンダー」とは
冒頭でご紹介したカレンダー、文字だけだとちょっとピンとこないですよね。こういうことになってます。



1/11「覚悟を決め中学の時の卒業アルバムを見る」
1/17「ポテトチップスに塩を振って食べる」
人に言われなかったらちょっとやんないかもな? というひょっとこなTODOが書いてあるのです
こんな具合で365日! やると面白い、やんなくてもちょっと面白い、世界が広がるTODO集になっています。
でも実際やるとどんな感じなんだろう? ということで、井上さんとトルーさんに実践してもらったのがこの記事、というわけなんです。
なお収録したTODOは関係者と、サイトを支える有料の会「はげます会」の会員さんに考えてもらいました。 井上さんとトルーさんにはご自身が発案したTODOを試してもらいました。

包帯を取るために包帯を巻く
なにで見たのかハッキリ覚えていないけど、「あるある」と思えるワンシーンというのがある。
雨の中で子犬を抱く不良だとか、「祖国に帰ったら結婚するんだ」と言う兵士だとか。
で、そのなかに「顔に巻かれた包帯を取って、鏡の前で『これが……私?』と言う」があると思う。
なんらかの事情で顔を手術することになった主人公が、治療が終わったときに包帯を取る場面。鏡に映る自分の顔がすごく美形になっていてビックリ、みたいな、ある意味ドッキリのネタばらしみたいなワンシーン。
こちら、皆さまのご家庭にある、包帯と鏡で簡単に再現できます。

「治療のため入院中」という設定を守るために、それっぽいパジャマに着替えるところから始めた。こういう柄のパジャマの人、病院に必ずいるだろう。
包帯は1人でも顔に巻けるけど、よりキレイな仕上がりを目指すなら誰かに巻いてもらうのがオススメ。
あと頭頂部はあえて出しておいたほうが「顔を手術した感」が出る。

グルグル巻きである。包帯を1回巻いただけでは外がうっすら見えてしまい、鏡を見たときのサプライズ感が薄れるので、3重くらいは巻いておきたい。
しかし鼻や口まで3重に巻くと息が苦しくなるので、鼻先は出すようにしておこう。
前は全く見えないが、遠くで息子がゲラゲラ笑っているのが聞こえる。

いよいよ鏡の前へ
さて、手を引かれながら鏡(うちの洗面所)まで移動してきた。

入院中の設定なら、ベッドの上で手鏡を使って顔を確認するのが一般的だと思うが、今回は写真映えを考慮して洗面所の三面鏡まで来た。
この辺りのさじ加減はご家庭の鏡事情に合わせてもらって構わない。
では、いよいよ包帯を取っていこう。



視界をさえぎられていたせいで、目が暗いところに慣れてしまった。外の世界が白く眩しく見える。
やがて光に慣れ、視界に像が結ばれる。そこに映っていたのは……。

私である。なんにも変わってないけど私である。
「包帯を取ったら美形になっていた」どころか、見た目が入院中40代男性のせいで「中身が女子高生と入れ替わった人」みたいになってしまった。
いずれにせよ、生まれ変わったと思って明日も強く生きていこう。
ちなみに、グルグル巻きのまま一晩寝たら朝起きて包帯を取ったときの驚きも増すかな、と思ったけど、顔がむくんで本当に「これが私!?」ってなりそうな気もするので注意だ。
「一番いらないもの」って何だ
100円ショップのダイソー、あそこでしてしまうどうでもいい買い物。あれってエンジョイこの世だよな。
そんな気持ちで「ダイソーで一番いらないものを買う」と書いた。実際にやってみよう。


さて何を買おうと考えてハッとした。「一番いらないもの」って何だろう。
必要なもの、欲しいものなんてたくさんあるが、そこから漏れた無数の必要でないもの、欲しくないものに順番がつけられない。欲しい気持ちがゼロだったらそこに優劣はないんじゃないか。


一番いらないものとは何か。今回は「エンジョイこの世」のためにやっているので「一番気持ちが盛り上がるいらないもの」を探すことにした。いらないにも「いらない…(シュン…)」と「何これ、いらないー…!!(笑)」というものがあると思う。
例えばダイソーを楽しみたい今、大きな木材を渡されたら「いらないよ、ジャマだよ…」となる。これは気分の上がらないいらないものだ。気分の上がる方の例えはちょっと今は分からない。ダイソーで探そう。



考えたことなかったけど、かけられたら確かに便利かもなと思う。全くなかったところに欲望を作り出し、その欲を刺激してくる。すごい商売だ。



分かってきた。分かってきたぞ。気分の上がるいらないものとは、今まで気がつかなかった不便さや欲求をまず気がつかせ高揚させ、しかしその上で「でもいらないかな」と思わせる、そういう品物だ。

確かに肉まん温める時ラップで包むし、そう言えばあの一手間はちょっと面倒くさい。でもそんなに頻繁に肉まんを温めない身としてはいらない。頻繁に肉まんを温める人にとっては便利だろう。そうだよね、そういう人もいる。そうだよな…! すごいな、しかしな…!
こんな感じでひとしきり頭の中で盛り上がった。これか。これがエンジョイこの世か。


3つ買った







ご飯にポテトチップスは誰かに怒られるんじゃないか、と怯えながら味わうおいしさがあって新感覚だった。
考えたことのない欲を生み出され刺激され、食べてみたら怯え、しかしそれでいておいしかった。感情をここまで振り回されたが、その上で「でも、まあいらないかな」と思った。

一度やってみたかったこと、思うけどやんないこと
自分の意思ひとつで生きていると案外頭の中だけで終わらせて実際体を動かしてやってみないこと多いもんっすね!
井上さんはフィクションで見るし真似していっぺんやってみたいけどわざわざやるのもな~というTODO、トルーさんの方はチラッと考えはするけど……やらんよねというTODOだったんじゃないかな~と思います。
カレンダーに言われてやったらおもしろい、そういう体験、ぜひぜひジョイナスです。
来週もライター米田さんが11/18のTODO「親に好きな食べ物を聞く」、わたくし古賀が7/25のTODO「10年前に着ていた服を探す、あれば着る」をやってみて感想お知らせします!