世界に「気づく」星空観察用双眼鏡

最近、星空用の双眼鏡を持ち歩いている。
星空用だが昼間にも使っている。
これがおもしろいのだ。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)
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「見える」というよりも「気づく」双眼鏡
まず、双眼鏡なのに倍率が低い。大きく見えるというよりもくっきりするぐらいである。そのぶん視界が広い。
普通の双眼鏡は視界が狭くて対象物をすぐに見失うが、この双眼鏡は覗きながら対象物を探すことができる。
言ってみれば、よく見えるメガネのようなものだ。

移動中の電車や乗り換えの駅のホームで時間があるときに遠くを見たりしている。
使ってみると「へえ、あそこにあんなものあるんだ」と思うことが多い。
低倍率なので、双眼鏡を外しても見える。でも、肉眼で見ているときには気づかなかったものが見えるのだ。
これを使うと「見える」というよりも「気づく」のだ。
見え方のニュアンスを写真で説明するのが難しいのだが、こういう景色があるとする

この双眼鏡を使うとこの中央にゴリラがいることに「気づく」

双眼鏡を外すと、ゴリラはいる。

でも肉眼ではゴリラがいることに気づかなかった。
伝わっているだろうか。双眼鏡のあとはゴリラ後の世界になるのだ。もちろんゴリラ以外にも気づく。


双眼鏡を外してもニトリは見える。

視界の情報量が増えるのだ。 見える世界のすべてにピントが合う。
「肉眼のドーピング」
僕が使っているのはビクセンというメーカーのものだが、笠井トレーディングという会社の同タイプの双眼鏡の説明には「あたかも肉眼がドーピングされたような独特の見え味が楽しめます」と書いてあった(リンク)。
そう、初めからこれを引用すればよかった。視界のドーピングだ。
メガネを新調した帰り道のような、Photoshopで輪郭だけシャープをかけたような、4Kのテレビにしたような視界が味わえる。
これで視力検査を受けて2.0を叩き出してみたい。
もちろん星空も見える
夜空を見上げると「気づく」ではなく、見えない星が「見える」ようになる。夜空がエンタテイメントになる。


2枚めの写真はコンデジでシャッタースピード20秒で撮った写真を色補正したものだが、それぐらいの明るさで星が見える。
天体観測は知的でロマンがあっていいとかそういうの抜きにして、縦動画のように何も考えないで見てしまう。

この世ファンの我々に
この世を隅々までよく見たい、そんなこの世ファンの人には勧めたい。買って配りたいぐらいだけど無理なので自分で買ってください。
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