「見える」というよりも「気づく」双眼鏡
まず、双眼鏡なのに倍率が低い。大きく見えるというよりもくっきりするぐらいである。そのぶん視界が広い。
普通の双眼鏡は視界が狭くて対象物をすぐに見失うが、この双眼鏡は覗きながら対象物を探すことができる。
言ってみれば、よく見えるメガネのようなものだ。
![](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/5316/7716/5441/013.jpg)
移動中の電車や乗り換えの駅のホームで時間があるときに遠くを見たりしている。
使ってみると「へえ、あそこにあんなものあるんだ」と思うことが多い。
低倍率なので、双眼鏡を外しても見える。でも、肉眼で見ているときには気づかなかったものが見えるのだ。
これを使うと「見える」というよりも「気づく」のだ。
見え方のニュアンスを写真で説明するのが難しいのだが、こういう景色があるとする
![](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/2816/7716/5528/002.jpg)
この双眼鏡を使うとこの中央にゴリラがいることに「気づく」
![](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/9216/7716/5555/003.jpg)
双眼鏡を外すと、ゴリラはいる。
![](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/1616/7716/5584/007.jpg)
でも肉眼ではゴリラがいることに気づかなかった。
伝わっているだろうか。双眼鏡のあとはゴリラ後の世界になるのだ。もちろんゴリラ以外にも気づく。
![](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/9216/7716/5651/004.jpg)
![](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/2516/7716/5693/005.jpg)
双眼鏡を外してもニトリは見える。
![](https://dailyportalz.jp/application/files/thumbnails/width640/9016/7716/5716/006.jpg)
視界の情報量が増えるのだ。 見える世界のすべてにピントが合う。
「肉眼のドーピング」
僕が使っているのはビクセンというメーカーのものだが、笠井トレーディングという会社の同タイプの双眼鏡の説明には「あたかも肉眼がドーピングされたような独特の見え味が楽しめます」と書いてあった(リンク)。
そう、初めからこれを引用すればよかった。視界のドーピングだ。
メガネを新調した帰り道のような、Photoshopで輪郭だけシャープをかけたような、4Kのテレビにしたような視界が味わえる。
これで視力検査を受けて2.0を叩き出してみたい。
もちろん星空も見える
夜空を見上げると「気づく」ではなく、見えない星が「見える」ようになる。夜空がエンタテイメントになる。
![](https://dailyportalz.jp/application/files/7116/7716/5912/010.jpg)
![](https://dailyportalz.jp/application/files/2616/7716/5936/011.jpg)
2枚めの写真はコンデジでシャッタースピード20秒で撮った写真を色補正したものだが、それぐらいの明るさで星が見える。
天体観測は知的でロマンがあっていいとかそういうの抜きにして、縦動画のように何も考えないで見てしまう。
![](https://dailyportalz.jp/application/files/6716/7716/5967/012.jpg)
この世ファンの我々に
この世を隅々までよく見たい、そんなこの世ファンの人には勧めたい。買って配りたいぐらいだけど無理なので自分で買ってください。