周りを見ると、参加者たちは一様に熱心に剥製を観察していた。
「きれいだけど、死体じゃん」
などと『タッチ』のぐうたら兄貴のような野暮な感想を漏らす者はここにはいない。
会期が1週間ともなると、いかに英語がへたな私とはいえ多少なりとも周囲の参加者とも親しくなるものである。
実はこの記事はこれで終わりではない。続編ではそういった周囲の人たちとのやり取りから、はては恐竜まで登場する予定なのでお楽しみに。来週3/23(木)公開予定。

翌朝は、朝一で開催される予定だったセミナーが講師の病欠により中止されたので、2時間ほどかけて市内を散歩してから会場に向かった。
会場は、珍奇な動物たちで溢れかえった動物園のようになっていた。生き物好きにはたまらない環境だ。もっとも、生き物は好きだけれど剥製はなんだか怖いから苦手だという人は意外と多いみたいだから、これを見て大喜びできるのは死に物好きといった方がいいかもしれない。
もちろん、死に物好きの私は「すごいすごい」と大はしゃぎしながら見て回った。
剥製自体もさることながら、多くの作品はハビタット(生息地)と呼ばれるジオラマにも趣向をこらしていた。
その生き物が輝いて見える瞬間をいかに切り取るか。魅力的な作品を作るためには、そんな、生き物に対する愛や観察力のようなものが必要だ。やっていることはカメラマンなどに近いのかもしれない。
ジャッジによる審査は剥製そのものとハビタットで別々に行われる(ハビタットを審査してもらうには追加の審査料が必要)ため、剥製単体で持ち込んでもとくに不利になることはない。でも、やっぱりというか、審査とは別に行われる人気投票で上位に入るのはハビタットまで作り込まれた作品だ。
もちろん、出品されているのは哺乳類だけではない。鳥や爬虫類、マイナーなところだと魚や骨格標本も展示されていた。
こんな感じで、全てを紹介しきれないのがもどかしい。
会場は比較的人が少なく、じっくりと見て回ることができた。
一方同じころ、敷地内の通路をはさんだ隣のホールで同時開催されている狩猟者や釣り人向け見本市は愛好家が詰めかけての超満員であり、外は外で駐車場に入ろうとする車の渋滞や動物を殺すなと騒ぐ抗議団体でカオスな状態だった。
剥製後進国からやってきた田舎者よろしく、本場の威容をこれでもかと見せつけられてすでに見学疲れし始めている私をよそに、ETCも狩猟フェスもまだ開幕したばかりなのだった。
周りを見ると、参加者たちは一様に熱心に剥製を観察していた。
「きれいだけど、死体じゃん」
などと『タッチ』のぐうたら兄貴のような野暮な感想を漏らす者はここにはいない。
会期が1週間ともなると、いかに英語がへたな私とはいえ多少なりとも周囲の参加者とも親しくなるものである。
実はこの記事はこれで終わりではない。続編ではそういった周囲の人たちとのやり取りから、はては恐竜まで登場する予定なのでお楽しみに。来週3/23(木)公開予定。
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