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Mission:0 道具の準備
ということで取りかかる心持ちは出来たのだが、気持ちだけでは網戸は変えられない。まずは道具を準備していこうと思う。
手始めにYouTubeで「網戸 張替え 初心者」と検索して、ヒットした動画に登場する道具を一式揃えることに。
- 網戸用張替防虫ネット91cm×6m / ¥1,859
- 網押さえゴム3.5mm×7m / ¥330
- 網戸張替え用 ワンタッチローラー / ¥298
- ハサミ / ¥110
- 網戸専用カッター / ¥698
を用意することができた。
動画の師匠曰く、これだけあれば網戸は変えられるらしい。本当か?
てっきり網を裁断する専用の機械とかが必要になると思っていたが、3000円ちょっとで全ての道具を揃えることができた。
また、師匠は動画の中で、「俺くらいになると網戸の張り替えは20分もあれば終わるので、今回は測りながら替えていきたいと思います」と豪語している。
ならばこちらも測ってやろうじゃないか。
ということでここからはタイマーをセットし、本当にそんな短時間で替えられるのか検証してみようと思う。

師匠と僕との、網戸張り替えタイムアタックバトルが今幕を上げる。
Mission:1 網戸を外そう
動画でまず初めに師匠がやっていたのは、網戸を外し作業場まで持っていく作業だ。
そこから動画に写す必要あるか?と思ったが、師匠もそこまでタイムに含めていたので仕方がない。
僕も早速網戸がある場所まで行って、網戸を持ってくるとする。
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なるほど。これは網戸なのか?
張られていた網はすでに風化しており、これはもはや網戸の役割を一つも果たしていない、ただの「窓」なんじゃないか?
うっすら網の破片が残る黒い枠を両手で挟みながらガタガタと揺らし、土埃が積もったレールから外していく。
うちの網戸は長年開け閉めされることがなかったようで、建て付けが悪く師匠のようにすんなりとは外せなかった。
けれどとにかく壊す勢いで力を入れることで、なんとか網戸を窓枠から外すことができた。
師匠の網戸を取り外すスムーズさと比べると、これは一本取られたと言わざるを得ない滑り出しである。
ちなみに、張り替えた後にはまた元に戻す作業があるわけだが、僕は網戸を外せても再び付けられない人間なので、そのときのことはあまり考えないことにする。
Mission:2 古いゴムを外す
夏休み、祖父母の家に行くと経年劣化しポロポロ取れるゴムをちぎって遊んでいたという人もいるだろう。そんな人には馴染み深い、網戸の灰色ゴム。
次のミッションはこれをささっと外すことらしいのだが、やってみると動画のようにスーッとは外れなくて意外に上手くいかない。
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そもそも師匠の交換している網戸にはゴムとゴムとの繋ぎ目に隙間があるのだが、うちの実家の網戸にはそれがなく、どうにも外しはじめるキッカケが作れない。
爪の先で頑張って外そうと試みてもビクともせず、仕方がないのでマイナスドライバーを持ってきて外すことに。
こう、上手いこと隙間に入れて、てこの原理で引き上げると……。
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やっと外れた!
あとはここからスルスルと外していくだけだ。ついでに下に挟まっていた網の残骸も取っていくと、人生で初めて見る「唯一のアイデンティティを失った網戸」が目の前に現れた。
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ここまでのタイムは……

思ったよりも手こずり、4分51秒も費やす結果になってしまった。師匠はここまで3分弱でやっていたから、大きな遅れをとってしまったと言えるだろう。
Mission:3 大まかに網を切る
ミッション2さえ乗り越えてしまえば、後は正直小学生でもできるような作業だ、と師匠は動画で話している。
まずはホームセンターで買った替えの網を広げて、網戸のサイズに合わせて裁断していく。
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大きなテロップで表示されている「前後10センチ位は残す」という注意事項を意識しながら網を広げ、余裕を持ってサイズを合わせる。
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師匠曰く、網戸は「張る」ので、少しの余裕がないと足りなくなって一部穴の開いた網戸になってしまうらしい。
こういうところをしっかりと意識できる人間がきっと、料理のレシピを見た時も我流ではなくレシピ通りに調理できる人なんだと感じる。
今回はタイムアタックバトルのため師匠の言うとおり余裕を持って裁断しているが、もしそうでないなら、きっと僕はもったいない精神が炸裂して穴の空いた網戸を錬成していたかもしれない。
大きさを合わせてハサミで裁断し終わると、改めて辺りを見回してみた。
フレームだけの網戸と、新品の網、それに用意した新しい灰色のゴムが地面に散乱していて、これで下ごしらえは終了と言ったところだ。
満面の笑みで裁断し終わった網を持つ師匠はここまで10分弱。僕の方はと言うと……

12分弱もかかっている。やはり師匠の技は光っている。
ここからの巻き返しが可能なのか分からないが、とりあえず完成まで突き進もうと思う。
Mission:4 網を張ろう
師匠が作業を止めてまで言っていた。「ここが完成に一番響く、網戸のクオリティを上げる大切な作業」らしい。
やり方としては網を枠の上に広げ、先ほど古いゴムがあった溝に網の上からゴムを押し込んでいくだけ、簡単な作業なのだが、師匠は弟子を引き連れて二人一組でやっていた。
当然僕は一人なので、なんとか師匠の動画を見ながらワンマンのパワーで師匠を超えなければならない。
師匠の手順通りにまずは、網の上にゴムを当てていく。
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次に、網戸張替え用ワンタッチローラーのピザカッターみたいな方を押し当ててくるくるしていけば、網が自然に中へと押し込まれた。
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これが結構大変で、力を込めなければゴムは入っていかないし、力が弱くて網がうまく固定されないとすぐに溝からバイーンと弾き出されてしまう。
動画では、網を固定している弟子と師匠は涼しい顔でこれをやってのけている。なんだかもう爽やかさすら感じる網戸張り替え手腕である。
次に、一辺が終わり角までやってきたら、網戸張替え用ワンタッチローラーの反対側のパーツを使って奥に押し込め、次の辺に進んでいく。
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角が結構硬く押し込めるのに力がいるが、スルッと入った時の気持ちよさはプチプチを潰しているときの快感に近い。
さて動画では、二辺までゴムの押し込めが終わったら、師匠の手が止まった。どうやらここからは、網戸の完成度を高める大事な場面にさしかかるらしい。
手を当てて、網を限界まで引き延ばしながら網戸を文字通り“張って”いく師匠。
僕は余裕をかまして用意しなかったが、網戸替え専用クリップがある場合はここで使用することで手軽にクオリティを上げられるらしい。
見様見真似で師匠の手順通りに網を引っ張っていくと、確かにピンと張られた美しい網戸が完成しつつあった。
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ここまでくると段々と作業も楽しくなってきて、趣味がDIYな人の気持ちも分かるような気がしてくる。
最後に左側に手を当てて、限界まで網を伸ばしながらゴムで止めていく。そうすると、誰もが見たことのある網戸のあの形が現れた。
「ここまで来れば、ほぼ完成といっても大丈夫です!」
額に汗一つ滲まず、涼しい顔でピザカッターみたいな道具を握りしめている師匠。
何事にも師匠という存在はいるんだなと感じながらタイマーを止めてみると……

ここまで16分3秒も掛かってしまっていた。
一方、師匠の動画に表示されているタイマーは、13分と少しを表示している。
ひえぇえええ!恐れ入りました!!
Mission:5 ゴムの慣らし
次に行うのが、この「ゴムの慣らし」らしい。
綺麗に網を張り終わったあと、もう一度ワンタッチローラーを上からかけてゴムの段差を慣らし、平面にする作業だ。
確かに、実家に元々あった綺麗な網戸をじっと見てみると、網を止めているゴムは平たい形をしており、買ってきたゴムの円柱形とは全然見た目が別である。
「この作業、思ったよりもすごく大切な作業で、慎重に取り組まないと作品のクオリティ低下どころか次のミッションで最悪『もう一度張り替え』という失敗エンドを迎えるかも知れません」
師匠の重みが違う言葉に戦々恐々としながら、しっかりと体重を乗せてゴムを潰し、溝の奥深くまで入り込むようにピザカッターみたいな道具を走らせていく。
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網戸のことを「作品」と呼ぶ師匠の気持ちが今なら分かる。ただ虫を通さないためにあるのが網戸なのではなく、こうして一枚一枚大切に作られたのが網戸なんだ。
時間を忘れ、かけ忘れがないか逐一見直しながら、長年使っても網がヘタレないようゴムを奥まで押し込めていった。
Mission:6 余分な網を切断しよう
次に、余裕を持って切った網の飛び出している部分を裁断する作業に入っていく。
まずはハサミで切り込みを入れて、カッターが入る道筋を作る。
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次に手前から真っ直ぐに道具を差し込み、道具をそろえるときに「これ必要か?」と10分くらい悩んだ「網戸専用カッター」をゆっくりと滑らし、端網を切っていく。
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師匠曰く、この時注意すべきなのは、「絶対に急がない」ことらしい。
このカッターは、ゴムの段差があると思うように切れず、無理に滑らそうとすると最悪ゴムに引っかかり、そこの網を巻き込んでカットしてしまう危険性があるとのこと。
せっかく張った網に穴一つでも開けてしまえば、その時点でやり直し確定なので、そうならないためにも落ち着いて刃を滑らせていくことを意識する。
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スルルルルと切れていく網が面白い。網戸専用カッターの必要性を熟考した過去の自分に言いたい。買っといて良かったぞ。
全ての余分な網を切り終えれば、完成は目前。
師匠のタイマーが16分なのに対し、僕の方は……

18分44秒と大差をつけられている。
……師匠は越えられなくても20分切りは達成出来るはず。
淡い期待を胸に、シークバーがほぼ右端に到達しかけている動画の続きを再生し始めた。
Last Mission:仕上げよう
最後は浮いてきてしまったゴムを抑えるため、もう一度ワンタッチローラーを上からかけ、ピロピロしている網を切ったり全体的に整えれば完成だ。
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ハサミを手に見栄えの悪い飛び出した網の端を切ったり、もう一度角の部分を念入りに押し込んだりしながら、、これから網戸を開け閉めする人が怪我しないように最善の注意で点検していく。
そして動画の冒頭で見た師匠のアドバイス通り、網戸の上辺にあるレールに潤滑剤を吹きかけ、僕はタイマーを止めた。
まずは、完成品を見て欲しい。
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初心者なのに一人親方なせいで若干網がたわんでしまったが、写真の奥に写るうちにあった綺麗な網戸と比べてみても遜色なく、そこそこな網戸へと仕上げることができたのではないだろうか。
そして、初心者が一人で網戸を張り替えるのに掛かった時間は……。

26分14秒!!!
最後の仕上げや、潤滑剤を吹く工程に結構な時間を使ってしまったが、一人で準備をし、記事用に写真を撮りながらの挑戦ならぼちぼちいいタイムなのではないだろうか。
二人いればもっと短くできるし、何枚も替えて経験を積んでいけばいつかは師匠のように20分切りも達成することができるだろう。
何よりも、「網戸って意外と自分で替えられるんだ」と教えてくれた師匠に感謝を伝えたい。
これからは自分が張り替えた網戸で、涼しくなってきた季節を感じ楽しんでいこうと思う。
この記事は読者投稿でお送りいただいた記事です。
編集部より寸評
記事っていうと何か特別なことやらなきゃって思うんですけど、こうっやって「動画で見たとおりにやってみた」だけでも十分読み物になるんですよね。しかもタイムアタックにして師匠のスピードと比べることで、ちゃんと読みごたえも出ています。ひと工夫するだけでいろんなことがネタになるんだな、というお手本のような記事だと思いました!(編集部・石川)
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