沖縄観光の食事をピザハウスジュニアで
と、ひたすらに推しメニューを紹介してしまったのだが、他ではちょっと見ないような独特なメニューだったりお店の歴史だったりと、他の沖縄ローカルファストフード店に勝るとも劣らない不思議な魅力がピザハウスジュニアにはあると思っている。
個人的にはこの記事でお客さんがどっと増えて、あの「メキシカンプレート」が復活することを夢見ている。
沖縄にあるローカルファストフードといえば皆さんは何を思い浮かべるだろうか。ルートビアで有名な「A&W」を思い浮かべる人もいるだろうし、ゴーヤーバーガーで有名な「JEF(ジェフ)」を思い浮かべる人もいるかもしれない。
だからこそ、声を大にして言いたい。「ピザハウスジュニアはもっと有名になっていい」と。
ピザハウスジュニアはちょっとジャンルの説明が難しいのだが、ハンバーグやステーキ、タコスやグラタンなどが食べられる沖縄ローカルのファストフード店で、2024年8月現在は沖縄県内に6店舗ある。
なんかちょっと小洒落たレストランのメニューが並んでいるのだが、カウンターでお金を払って注文したら自分で料理を受け取って席に持っていくファストフードのスタイルが採用されている。独立店舗もいくつかあるが、上の写真のようにフードコートの一角に入っている事もある。
ピザハウスジュニアを運営しているのは浦添市にある「ピザハウス」という1958年開業の超老舗レストランで、沖縄がアメリカ統治下にある時代に本格的なピザを出す店としてスタートしたらしい。
ピザハウスは瞬く間に超人気店になるのだが、お客さんがあまりにも並ぶので店舗の前にテントでファストフードコーナーが作られたという。これが先に述べた「ピザハウスジュニア」の原型となったのだそうだ。
老舗レストラン「ピザハウス」の味を手軽に食べることができるファストフード店という位置づけが「ピザハウスジュニア」なのである。そんなピザハウスジュニア、沖縄県民には広く知られているが他の沖縄ファストフードに比べて県外の認知度は今ひとつなのではないかと思う(客層を見ていてもだいたい沖縄県内の人に見える)。
そこで今回は沖縄県民にXでも募集した結果も踏まえ、我々にピザハウスジュニアの魅力について語らせてほしい。
【求む情報】
— 沖縄B級ポータルサイト DEEokinawa (@dee_okinawa) July 27, 2024
沖縄のファーストフード店に関する情報は沢山ありますがピザハウスジュニアはもっと県外にも広く知られて良いのではないかと思います。
そこで皆さんの「ピザハウスジュニア」のお勧めメニュー、お勧め情報があればお寄せください。 pic.twitter.com/G8t7Ub85Sw
「ピザハウスジュニア」のお勧めメニュー、お勧め情報があればお寄せください。と投稿したら表示が8.8万回、返信が100弱来た。
投稿の返信を見ていただいてもわかるとおり店名に「ピザ」という名前がつきながらも、ピザではなく他のメニューを食べる。もちろんピザを食べる人もいるだろうが、お店で食べている人を見たことはないし、頼んだこともない。
おそらくピザ以外が美味しすぎるからなのだが、その推測があたっているのは、このあとの記事でご納得いただけると思う。
パリッと揚がった鶏肉にスイートチリソースをつけて食べるスタイルで、20年前くらいに初めて沖縄に来て食べた時は衝撃的だった。
最初はいまいちピンと来なかっただが、不思議とまた食べたくなる魅力が存在する。
ピザハウスジュニアの看板メニューで、ピザハウス本店から受け継いだ秘伝のタレに漬け込んだ鶏肉をフライにしているらしい。中国の広東(カントン)に本当にこういった料理が存在するのかどうかは不明だが。
さきほどの広東風フライドチキン同様、何をもってしてテキサス風なのかは分からないが、さらっとしたビーフシチューをライスにかけていただくスタイル(ライスはパンに変更することも可能らしい)。
具材は牛肉、ジャガイモ、人参などが入っているのだが、沖縄ではポピュラーな食材である青パパイヤが入っているのがピザハウスジュニアならでは。
製平面パスタが6層に重ねられ、間にホワイトソース、ミートソース、チーズが入っている。
そこそこに食べたら、付け合わせのバターがたっぷり塗られたフランスパンをソースにつけて食べる。こんなの「旨い!」以外の言葉が出てこない。
タコライスのドリア仕立てというありそうでなかった食べ物だ。
タコスミートとタコソースの上に特製ホワイトソースとチーズをのせて器ごとオーブンで焼き上げているので、上にかかったチーズはとろとろ、最後までアツアツで食べられる。タコライスは冷めてもうまい料理だとは想うが、それがアツアツとなるとやっぱり格段にうまい。
メインのメニューだけでも語り尽くせぬ魅力があるのだが、ピザハウスジュニアはサイドメニューもすごい。
皮はパリパリとした食感のクリスピー(いわゆるハードシェル)タイプで、中のタコスミートにしっかり味がついていて本当においしい。
なんでもこのパリパリ皮のタコスを沖縄で初めてレストランで出したのはピザハウス本店が初めてらしい。
沖縄にはタコスがおいしいお店は数多あるのだが、どうしてもピザハウスジュニアのタコスを食べたい日がある。
ひき肉がクレープ状の生地で巻かれて、上にチリソースがかかっているメキシコ料理。
実はもう無くなってしまったが、ピザハウスジュニアには「メキシカンプレート」というメニューがあり、タコスとエンチラーダ、チキンライス風のごはんとミックスベジタブルがワンプレートになったセットメニューが存在していた。毎日のように食べていた大好きなメニューだったので、いつか復活して欲しいと思っている。
なんだこの丸いコロッケのようなものは。
トマトソース入りライスに、チーズとタコスミートが入った悪魔の食べ物。一度食べたら病みつきで、どうしても食べたいのにボリュームがすごくて、メインを減らすか諦めるかいったん迷い、どちらも食べるというカロリーオーバーな道を選ぶことになる。
リゾットと言ってもおかゆみたいに米が入っているわけではなく、マカロニや豆が入ったトマトスープみたいな感じなのだが、けっこうなボリュームがありLサイズを頼むとそれだけで簡単な昼食になるくらいの満足感がある。
日替わりで楽しめる手作りスープで、この日はマッシュルームスープだったのだが、他にコーンスープやカレークリームスープ、ビーンズスープ、フィッシュビスクスープなど8種類ものバリエーションがあるらしい。メインに加えて注文しておきたいほっとするおいしさだ。いつか全制覇したいと思っているのだがはたして何年かかるだろうか。
と、ひたすらに推しメニューを紹介してしまったのだが、他ではちょっと見ないような独特なメニューだったりお店の歴史だったりと、他の沖縄ローカルファストフード店に勝るとも劣らない不思議な魅力がピザハウスジュニアにはあると思っている。
個人的にはこの記事でお客さんがどっと増えて、あの「メキシカンプレート」が復活することを夢見ている。
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