特集 2024年8月12日

沖縄のローカルファストフード「ピザハウスジュニア」はもっと評価されていい

沖縄にあるローカルファストフードといえば皆さんは何を思い浮かべるだろうか。ルートビアで有名な「A&W」を思い浮かべる人もいるだろうし、ゴーヤーバーガーで有名な「JEF(ジェフ)」を思い浮かべる人もいるかもしれない。

だからこそ、声を大にして言いたい。「ピザハウスジュニアはもっと有名になっていい」と。

沖縄B級ポータルDEEokinawaです。沖縄のおもしろネタを平日毎日更新しています。

前の記事:沖縄の伝統菓子「花ぼーる」はみんな違ってみんないい


君はピザハウスジュニアを知っているか

001.jpg

ピザハウスジュニアはちょっとジャンルの説明が難しいのだが、ハンバーグやステーキ、タコスやグラタンなどが食べられる沖縄ローカルのファストフード店で、2024年8月現在は沖縄県内に6店舗ある。

なんかちょっと小洒落たレストランのメニューが並んでいるのだが、カウンターでお金を払って注文したら自分で料理を受け取って席に持っていくファストフードのスタイルが採用されている。独立店舗もいくつかあるが、上の写真のようにフードコートの一角に入っている事もある。

003.jpg
浦添市にあるピザハウス本店

ピザハウスジュニアを運営しているのは浦添市にある「ピザハウス」という1958年開業の超老舗レストランで、沖縄がアメリカ統治下にある時代に本格的なピザを出す店としてスタートしたらしい。

ピザハウスは瞬く間に超人気店になるのだが、お客さんがあまりにも並ぶので店舗の前にテントでファストフードコーナーが作られたという。これが先に述べた「ピザハウスジュニア」の原型となったのだそうだ。

002.jpg
ピザハウスジュニアのメニュー

老舗レストラン「ピザハウス」の味を手軽に食べることができるファストフード店という位置づけが「ピザハウスジュニア」なのである。そんなピザハウスジュニア、沖縄県民には広く知られているが他の沖縄ファストフードに比べて県外の認知度は今ひとつなのではないかと思う(客層を見ていてもだいたい沖縄県内の人に見える)。

そこで今回は沖縄県民にXでも募集した結果も踏まえ、我々にピザハウスジュニアの魅力について語らせてほしい。

「ピザハウスジュニア」のお勧めメニュー、お勧め情報があればお寄せください。と投稿したら表示が8.8万回、返信が100弱来た。

投稿の返信を見ていただいてもわかるとおり店名に「ピザ」という名前がつきながらも、ピザではなく他のメニューを食べる。もちろんピザを食べる人もいるだろうが、お店で食べている人を見たことはないし、頼んだこともない。
おそらくピザ以外が美味しすぎるからなのだが、その推測があたっているのは、このあとの記事でご納得いただけると思う。

いったん広告です

ピザハウスジュニアの推しメニュー達

004.jpg
まずはこれ。「広東風フライドチキン」

パリッと揚がった鶏肉にスイートチリソースをつけて食べるスタイルで、20年前くらいに初めて沖縄に来て食べた時は衝撃的だった。
最初はいまいちピンと来なかっただが、不思議とまた食べたくなる魅力が存在する。

ピザハウスジュニアの看板メニューで、ピザハウス本店から受け継いだ秘伝のタレに漬け込んだ鶏肉をフライにしているらしい。中国の広東(カントン)に本当にこういった料理が存在するのかどうかは不明だが。

005.jpg
「テキサス風ビーフシチュー」

さきほどの広東風フライドチキン同様、何をもってしてテキサス風なのかは分からないが、さらっとしたビーフシチューをライスにかけていただくスタイル(ライスはパンに変更することも可能らしい)。

具材は牛肉、ジャガイモ、人参などが入っているのだが、沖縄ではポピュラーな食材である青パパイヤが入っているのがピザハウスジュニアならでは。

016.jpg
これも人気が高い「ラザニア」
017.jpg

製平面パスタが6層に重ねられ、間にホワイトソース、ミートソース、チーズが入っている。
そこそこに食べたら、付け合わせのバターがたっぷり塗られたフランスパンをソースにつけて食べる。こんなの「旨い!」以外の言葉が出てこない。

011.jpg
ピザハウスジュニアで声に出して注文したいメニュー名でいえば1、2を争うのがこちら「タコドリ」
012.jpg

タコライスのドリア仕立てというありそうでなかった食べ物だ。
タコスミートとタコソースの上に特製ホワイトソースとチーズをのせて器ごとオーブンで焼き上げているので、上にかかったチーズはとろとろ、最後までアツアツで食べられる。タコライスは冷めてもうまい料理だとは想うが、それがアツアツとなるとやっぱり格段にうまい。

いったん広告です

サイドメニューも侮れない

メインのメニューだけでも語り尽くせぬ魅力があるのだが、ピザハウスジュニアはサイドメニューもすごい。

006.jpg
タコスはひとつひとつが包装されている上品なスタイルで1Pから注文できる
007.jpg

皮はパリパリとした食感のクリスピー(いわゆるハードシェル)タイプで、中のタコスミートにしっかり味がついていて本当においしい。
なんでもこのパリパリ皮のタコスを沖縄で初めてレストランで出したのはピザハウス本店が初めてらしい。

沖縄にはタコスがおいしいお店は数多あるのだが、どうしてもピザハウスジュニアのタコスを食べたい日がある。

008.jpg
「エンチラーダ」

ひき肉がクレープ状の生地で巻かれて、上にチリソースがかかっているメキシコ料理。

実はもう無くなってしまったが、ピザハウスジュニアには「メキシカンプレート」というメニューがあり、タコスとエンチラーダ、チキンライス風のごはんとミックスベジタブルがワンプレートになったセットメニューが存在していた。毎日のように食べていた大好きなメニューだったので、いつか復活して欲しいと思っている。

018.jpg

なんだこの丸いコロッケのようなものは。

019.jpg
「ライスコロッケ」である

トマトソース入りライスに、チーズとタコスミートが入った悪魔の食べ物。一度食べたら病みつきで、どうしても食べたいのにボリュームがすごくて、メインを減らすか諦めるかいったん迷い、どちらも食べるというカロリーオーバーな道を選ぶことになる。

009.jpg
あんまり誰も推してなかったのだけど、個人的に好きな「イタリアンリゾット」

リゾットと言ってもおかゆみたいに米が入っているわけではなく、マカロニや豆が入ったトマトスープみたいな感じなのだが、けっこうなボリュームがありLサイズを頼むとそれだけで簡単な昼食になるくらいの満足感がある。

013.jpg
「本日のスープ」もあなどってはならない
014.jpg

日替わりで楽しめる手作りスープで、この日はマッシュルームスープだったのだが、他にコーンスープやカレークリームスープ、ビーンズスープ、フィッシュビスクスープなど8種類ものバリエーションがあるらしい。メインに加えて注文しておきたいほっとするおいしさだ。いつか全制覇したいと思っているのだがはたして何年かかるだろうか。


沖縄観光の食事をピザハウスジュニアで

010.jpg
季節ごとの限定メニューもけっこう面白い

と、ひたすらに推しメニューを紹介してしまったのだが、他ではちょっと見ないような独特なメニューだったりお店の歴史だったりと、他の沖縄ローカルファストフード店に勝るとも劣らない不思議な魅力がピザハウスジュニアにはあると思っている。

015.jpg
ちょっとレトロなダイナー風の内装もいい

個人的にはこの記事でお客さんがどっと増えて、あの「メキシカンプレート」が復活することを夢見ている。

▽デイリーポータルZトップへ
20240626banner.jpg
傑作選!シャツ!袋状の便利な布(取っ手付き)買って応援してよう

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ