特集 2025年8月25日

無印のイカスミパスタソースが黒すぎる

THE PREMIUM ラ・ベットラ流いかすみソース(エスビー食品)

箱がとても黒い。黒い革のソファぐらい黒い
全体がうっすら黒くなるタイプ

ばらつきはあるが、全体的にうっすら黒い。寝起きの瞬間の視界のよう。

一番黒い部分も、よく見ると緑や黄のような色彩が見えてくる黒だ。明るい絵の具を混ぜて作った黒のよう。

それが濃かったり薄かったりする。インクの切れかけたプリンターだ。

なんだかおいしくなさそうな例えをしてしまったが、味は濃厚で高級感があった。実際今回比べた中で一番高価格なのだ(これが344円。他は200円〜300円ぐらい)。

イカスミの旨みの濃い、ねっとりしたソースがよく麺に絡んでいておいしい。ゴロゴロしたダイスカットのイカも入ってる。

THE PREMIUM ラ・ベットラ流いかすみソース(エスビー食品)の黒さ

・・・寝起きの瞬間の視界/明るい絵の具を混ぜて作った黒/インクの切れかけたプリンター
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LA CUCINA いかすみのソース(エム・シーシー食品)

4つ目。これはかなり黒かった
ほら!

黒い。黒さを求めてパスタを作っているので、黒いと嬉しい。

かなり深い、真っ黒としか言えない黒だ。さっきのように、奥に色彩を探しても黒しかない。野生生物の黒目みたいなちょっとゾッとする黒。

しかしその中でも黒さにばらつきがあり、ホタルの光みたいにチラチラと麺の色が見える。そう、このいかすみパスタはホタルの見える川だ。豊かな自然の深い闇と、ホタルの儚い営みが感じられる。

食べてみると、意外にもサラッとしたソース。あらごしっぽい食材の食感があっておいしかった。バターの風味が強い。

LA CUCINA いかすみのソース(エム・シーシー食品)の黒さ

・・・野生生物の黒目/ホタルの見える川 
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あえるだけのパスタソース いかすみ(無印良品)

最後である。一番黒かったのが無印のイカスミ。最初に心底驚いた僕の感性は間違っていなかった。

あらためて買って食べた
なんなんだよ
圧倒的に黒い

麺を輪切りにしても芯まで黒いんじゃないかと思わせるほど黒い。

井戸の底のような、深海のようなぬらぬらとした黒さである。この墨を吐いたイカも、こんな深い闇のことは知らないだろう。

もういくら見ても他の色なんて見えてこないし、まばらになって麺の色がのぞいたりもしない。どこまでずっと黒い。宇宙。触れる闇だ。混沌の原液。

そういう概念的な黒さである。そういえば売っている会社も無印だ。「無」なのだ。「無」の黒さ。

味も一番おいしく感じた。黒いのを探したせいだろう。ニンニクの風味がしっかりするのだけど、イカスミの旨みや麺の食感と一体になっている。見た目通り、パスタの芯までイカスミの味がするのだ。

食べていたら子どもに「口が黒―い」と笑われた。口も歯もしっかり黒くなるぞ。

あえるだけのパスタソース いかすみ(無印良品)の黒さ

・・・井戸の底/深海/宇宙/触れる闇/混沌の原液/無
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やっぱり無印のイカスミが黒すぎた

5種類それぞれのおいしさがあったが、最も見た目に説得力があるのは無印のパスタソースだった。

とにかく黒いもの、海苔よりもヒジキよりも、石よりもタイヤよりも黒いものが食べたいという人は無印のイカスミパスタを食べよう。


記事で紹介されたパスタソースはこちらです。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
イカスミパスタソースが黒かったんですよ、と聞いて、そりゃそうだろうと思ったんです。 ですが、5種類比べてみて、無印のソースの黒さは深い濃さでしたね。
黒さの表現をテレビやプリンターのインクに例えているところに注目です。(橋田)

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