デジタルリマスター 2023年3月2日

食べごろモモタマナ(デジタルリマスター)

ちゃんと調べました

この固い中殻をがむしゃらに叩いて壊すと中から「仁」と呼ばれる部分が出てくるのだ。これが食べられるらしい。沖縄の植物をまとめた図鑑で調べてみるとモモタマナはトロピカル・アーモンドとも呼ばれるらしく、その固い種子の中にある仁は生でもローストしても食べることができ、アーモンドのような風味があるのだという。

ちょっと前の僕ならばまず食べてから、記事を書く段階で調べるというスタイルだったのだが、最近では知らないものを食べる前には必ず図書館やインターネットで調べることにしている。前にでかい豆を食べたときに(参考記事)友達の生物の先生に「安藤さん、ああいうことしてるといつか死ぬよ」と忠告されたのだ。なんでも食用になっていない野生植物にはびっくりするくらい(人にとって)強力な毒をもつ種類もあるのだとか。僕は成人病の入院保険しか入っていないので野草食べて死んだら後に何も残らない。

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石みたいな殻を割ると。
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中からこんなのが出てくる。これが「仁」。
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緑のはぐしゃっと潰れる。

ともかくモモタマナの種の仁の部分は食用になる、と図鑑にも書かれていた。この木が「ニセモモタマナ」とかでなければ食べても安全なはずだ。

木の枝から直接取ってきた緑のやつは果肉に水分が残っていてハンマーで叩くとそのまま潰れてしまった。乾燥すると固い種子も、若い状態ではある程度軟らかいのだ。仁をつぶさないよう慎重に取り出すと、緑の実から取り出した仁は同じく薄緑色で若い匂いがした。

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緑のやつは中身も若い。
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各段階の実から取り出した仁たち。
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いざ実食

かなり苦労して5つの仁を取り出した。一番左から、緑の実から取り出した若い仁、黄色く熟した実の仁、黒化した実の仁、それからコウモリが残した種から取り出した仁が二つ。はたして本当にモモタマナの仁はアーモンドの味なのか。食べてみる。

……。

今回はローストせずに生で食べているからかもしれないが、モモタマナの仁は噛むとじゅわっと汁が出るほどジューシーだった。その汁にはえぐみも苦みもない。だけど味も匂いも、やっぱり特にないのだ。歯ざわりはカリカリとしていて確かにナッツ系なのだが、アーモンドから比べると風味的にかなり劣る。

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不安げに噛んでみると。
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うまいじゃん!

と思っていたのだが、飲み下してからふと思い出すと、そういえば鼻の奥にアーモンドの香りが引っかかっている。かすかに、本当にかすかにだが、モモタマナの仁は確かにアーモンドに似た香りを持っているようだ。

これは黄色く熟した状態の実、黒化した実、コウモリが食べ残した種、それぞれから取り出した仁で同じような味と香りが楽しめた。ただ、緑の実から取り出した仁は明らかに青臭く、渋みもあった。やはりコウモリが食べ残した実を拾って食べるくらいが時期的に最適なのかもしれない。


食べられました

モモタマナの「仁」は確かにアーモンドみたいな味がした。そして食べごろの実は常にコウモリが選び落としてくれるので僕たち人間はそれを拾って割って食べたらいいだけなのだ。これぞ共存、すばらしい。沖縄でかじられたモモタマナの実を見つけたらハンマー買ってきて叩いて仁を出して食べるべきだ。なんと後味がアーモンドだから。なら最初からアーモンド買ったほうが早いよ、なんていう人はここまで読んでくれていないと思うのでこれでまとめにしたいと思います。

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仁なら食えるよ。
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