知らない文化圏の料理は本当におもしろい。コイ料理といえば、洗い、鯉こく(味噌汁)、甘露煮あたりが思いつくけど、塩焼きでここまでおいしいとは思わなかった。一時間以上しっかり焼くからこその味なのだろう。
コイなのにマスグーフ。おいしいねと食べながら、ニジマスでほんとのマスグーフとか、ブラックバスでバスグーフとか、ナマズでマズグーフとか、いろいろやりたいですねという話をした。フグでフググーフもいいな。
ごはんを食べている間に、コイの皮側が真っ黒に焼けた。通常の焼き魚なら失敗作だが、鱗という防御壁によって加食部分が守られているはず。
ようやく薪が魚を焼くのに程よい火加減となったので、ひっくり返して身側を焼く。
最後の仕上げにコイを挟んだ網を寝かせて、身側の焼きが甘いところをじっくりと炙る。
ぶっつけ本番だった割には、この環境下でコイを焼く上での最適解を我々は選んできたのでは。
今日は現場に強い人が集まっているなと実感する。ちなみに私はコイを捕まえたところで満足したので、基本的に料理は見ているだけである。
網から外すときに身が少し剥がれてしまったが、香ばしく焼きあがったのではないだろうか。
「次は網に油を塗っておかないと」とか「輻射熱をうまく使うといいのでは」と、もう次回を見据えた発言をしている人がいておもしろかった。
まずは買ってきた養殖のコイを熱いうちにいただくと、これがすごくおいしかった。心配された生臭さはまったく感じられず、脂がしっかり乗っている。
ウナギの白焼きを思わせる旨味のある味わいなのに、身の質は養殖のタイみたいにふっくら。薪から移ったスモーキーな香りがまた食欲をそそる。
斉藤さん:「こんなにおいしいとは思わなかったです。現地に比べるとコイの厚みが足りないけれど、これくらいのほうが焼きやすいかな。日本でマスグーフを作った話をしたら、向こうの友人もきっと喜んでくれますよ」
マスグーフ、これは流行るのでは。
このサイズの魚を直火で焼くと、表面は真っ黒なのに中は生焼けという最悪な状態になりがちだが、試行錯誤しながら二時間ほど焼いたことで、最高の状態に焼きあがってくれたようだ。
マスグーフは焼き加減で味がかなり違い、身が渇き気味になるくらいまで焼き切ったほうがおいしく、ちょっと焼きが浅く水分が残っている部分は魚臭さが気になってしまった。でもパサパサにしてはダメなのだろう。
今回は4匹も焼いたことで、天然と養殖の違い、焼き加減による差、たれによる可能性など、たくさん知ることができたのも大きい。この知的財産を生かして、またすぐにでも焼きたい気持ちでいっぱいである。
初めてのマスグーフがおいしかったので、これは記録しなければと斉藤さんに改めて連絡をした。それがこの記事である。
その際に現地の写真を送ってもらったところ、これがまたものすごく魅力的だったので最後に紹介させていただきたい。
斉藤さん、アリサさん、そして参加者の皆様、ありがとうございました。
また捕まえて焼きましょう。
知らない文化圏の料理は本当におもしろい。コイ料理といえば、洗い、鯉こく(味噌汁)、甘露煮あたりが思いつくけど、塩焼きでここまでおいしいとは思わなかった。一時間以上しっかり焼くからこその味なのだろう。
コイなのにマスグーフ。おいしいねと食べながら、ニジマスでほんとのマスグーフとか、ブラックバスでバスグーフとか、ナマズでマズグーフとか、いろいろやりたいですねという話をした。フグでフググーフもいいな。
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