特集 2021年5月21日

謎の大物になってパンダカーに乗る

自分を解放したいあなたへ

おじさんになってわかったことは、おじさんだってパンダカーには乗りたいし、おしゃれな雑貨屋さんにも行きたいし、クレープ屋さんにも行きたいということだ。これは世のおじさんたちの総意だ。

だったら行けばいいだけなのだが、おじさんたちは自分には場ちがいだろうと周りの目を気にしてずっと行けずじまいなのである。

あーもーどうしても行きたい!

あ!もしかしたら何ごとにも動じない人になりきれば行けるようになるんじゃない?

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。

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> 個人サイト 日本海ぱんく通信

謎の大物になりきろう

何ごとにも動じない人といえば、マンガなどでたまに見かける和服で白髪の謎の大物である。

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なにごとにも動じない大物のイメージ

何者なのかはよくわからないが、とにかく威厳があって堂々としている。

こういう人の扮装をすれば鉄のメンタルを手に入れられるかもしれない。

そのうえで世のおじさんたち垂涎の、パンダカー、雑貨屋さん、クレープ屋さんに平気で入れるか検証してみよう。

扮装をする

謎の大物の扮装をするためAmazonでそれっぽい衣装を発注した。

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コスプレ用の紋付き袴
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白髪のロン毛のカツラ
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着てみました
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往年のジェームス三木風
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大物感でてますか?

これらを着てみたところ、和服の効果なのか身が引き締まるような思いがした。

心なしか場ちがいなお店にでも平気で入っていけそうな、なんだか大物になったような気分になってきたぞ!ヌハハハハハ!!

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扮装の効果で連獅子を舞ってしまう

しかし、この直後、撮影を手伝ってくれる予定の知人が発熱で参加できなくなったと連絡があり、ひとりで撮影することになった。

まあ、大物の扮装をすれば場ちがいなお店にも平気で入れるかの検証なんだから、ひとりでの撮影はかえって好都合である、ヌハハハハ!

ヌハ…ハ……

パンダカーに乗りに行く

まずはパンダカーがあると聞いた大型ショッピングモールにやってきた。

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入り口にいきなりあるパンダカー

パンダカーがあるとは聞いていたが、入り口の自動ドア付近に無造作おいてあったので驚いた。

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通路で遊ぶタイプ(!!!)

イメージでは、パンダカーはそれ専用のフィールドにあるものと思い込んでいたのだが、ここでは店舗と店舗の間の通路で遊ぶスタイルらしい。

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あらゆる方向からの視線を感じる

入店、即パンダカーであったので、心の準備ができず動揺したが、考えてみたらそもそもパンダカーに乗るのにどういう心の準備がいるのかよくわからないので、深く考えずとにかく急いで三脚を立ててパンダカーにまたがる。

本当に通路で乗るのかよ…と思いながら200円を投入すると

「出発するヨ!しっかりつかまっていてネ!」

とパンダカーが言った。心細かったこともあり、しっかりつかまっていようと思った。

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すごく遅い

まわりの人々が、私のほうをちらちら見ながら通り過ぎていくので緊張する。不穏な空気をだして申し訳ありませんという気持ちも湧いてくる。
そんな中、パンダカーは大音量でエレクトリカルパレードの曲を流しながらゆっくりと進む。

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早く終わってほしい

長く感じたが2分ほどでパンダカーは止まった。

やった!おじさんの夢が叶った!

気持ちは萎えそうになったがとにかく乗れたぞ!

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ファッションビル内のカワイイ雑貨屋さんへ行く

大型ショッピングモールをあとにし、つづいてやってきたのは専門店複合型のファッションビル。

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ビルのオーナーが抜き打ちで視察に来たと思われているかもしれない

主に女性向けのお店がたくさん入っており、どこのお店もおっさんの私には場ちがいなところである。

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深呼吸をしてビルに入ったものの、予定していたカワイイ雑貨屋さんでは撮影の許可がおりなかった。

私の貫禄に恐れをなしたのかもしれない、ヌ…ヌハハハハハハ!

おしゃれなクレープ屋さんに行く

最後にやってきたのは、おしゃれなクレープ屋さん。
失礼があってはならぬと念のためカツラとサングラスを外して入店し、撮影交渉をしたところ快く許可をいただけたのだが三脚をセットして、カツラとサングラスを付けたところで

「あの、すみません、やっぱり…」

と、突如撮影許可は撤回されてしまった。

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私が店主でも撮影は断る

非常に残念ではあるものの、お願いしているこちらも撮影を拒否するお店の気持ちが痛いほどわかるという複雑な心境であった。

心が折れて公園へ

検証で予定していた3店舗のうち、パンダカーしか撮影できなかった。

仕方がないので「スーパーでクレープ買って一人で食べました」「扮装は、お店に入る勢いは出るが、世間は許さなかった」という結果でこの記事を終わりにしようと公園にやってきた。

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スーパーで買ってきたクレープを公園で食べる
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実はナン

というか、スーパーにクレープは売ってなかったので本当はナンだけど。

撮影はしたけれど

撮影から数日たち、記事を書き始めたものの考え込む。

これでは大物っぽい扮装をすれば、場ちがいなお店に入れるようになるのかの検証ではなく、ただ扮装してパンダカーに乗ったという日記である。

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自室で考え込む

そして、ここまででわかったことは扮装をして場ちがいなお店に行くと、3件中2件は撮影を断られるということだけである。

やっぱりこのままでは終われない。

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よし、もう一度撮影にいこう。恥ずかしいけど。

ふたたびクレープ屋さんに行く

日をあらためてふたたび撮影を開始。

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夕方、駅構内は学生たちでにぎわっていた
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店内から楽しそうな声が聞こえてくる

前回とは別のクレープ屋さんへやってきた。
店内からは女子高生やカップルでにぎわっている声が聞こえてくる。

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意を決して入店する

注文口に人がいなくなったタイミングで店内に入ると、ワイワイにぎわっていた女子高生やカップルが急に静まりかえったので驚いた。なにかあったのだろうか?

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私を見るとみんな目をふせてしまう

注文をすませてテーブル席でできあがりを待つ。

その間も店内は水を打ったように静まり返り、そこにいる全員が、私と目をあわさないようにしているのがわかる。

ほかのお客さんに話しかけてみようと思ったがそういう状況ではなさそうだ。

予定では「好奇心旺盛の女子高生たちに取り囲まれるだろう」「そういう写真がとれるだろう」と楽しみにしていたのだが、こういう結果になってしまって悲しい。

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思春期ぶりにクレープを食べる

店を出て念願のクレープを食べる。

なつかしい!そうそう、そういえばこんな味だったよ!

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急いで食べて逃げました

今回の検証を終えてみて

・大物の扮装をして入りづらいお店に行くと、余計に入りづらい。
・逆にその気持ちを利用して「あの扮装をするぐらいなら」と思うと、どんなお店でも平気で入れるようになる。

ということがわかった。

だから入りづらいお店にどうしても入りたい人は、店の前で「あの恰好で入るぐらいなら」と考えてみるといいです。

さあ、この記事を読んだ世のおじさんたちよ、これからは誰にも遠慮することなく、欲望のおもむくままにパンダカーに乗ろう!そしてクレープを食べよう!

もう僕たちに入りづらいお店はないよ!ヌハハハハ!

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