特集 2018年10月27日

コンビニおにぎりのパッケージメソッドを使って過剰な豪華さを演出したい

このメソッドを使えばどんなものでも過剰な豪華さを演出できます。

最近のコンビニはおにぎりのバリエーションがとても豊富だが、その中でちょっと贅沢な具材を使ったリッチ路線のおにぎりも増えている。気になるのはそれらリッチ路線のおにぎりのパッケージが過剰に豪華な雰囲気を出し過ぎなのではないかということだ。

 

ダメだと言っているわけではない。むしろそういう過剰さは大好きだ。ここはひとつ、高いおにぎりのパッケージメソッドを習得して普通のおにぎりでも過剰な豪華さを演出できる術を身につけたい。

1992年東京生まれ。普段は商品についてくるオマケとかを考えている会社員。好きな食べ物はちくわです。最近子どもが生まれたので「人間ってすごい」と本気で感じています。(動画インタビュー)

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13種のおにぎりパッケージを分析

今回はローソン、ファミリーマート、セブンイレブン、NewDaysの4つのコンビニでおにぎりを揃えた。

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コンビニの高いおにぎり大集合。選抜選手感がすごい。競技はもちろんライスボールだ。

各コンビニのおにぎりラインナップは次の通り。

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ローソンは気合が入っている。百貨店で開催している北海道物産展のポスターのような豪勢さ。
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こちらはファミリーマート。期せずして「さけはらみ」と「ぶたかくに」が同じリズムを刻む。
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セブンイレブンはほとんどのおにぎりで規格を統一しており過剰に豪華なパッケージはなかったが、強いて選ぶならこちらのシリーズに高級感を感じる。
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NewDaysからはこちらの3商品。馴染みのない方のために補足しておくとNewDaysはJR東日本が展開する駅コンビニで、関東圏のJR駅には割とよくある。

これらのおにぎりから高いおにぎりパッケージメソッドを探っていこう。

写真、色味、文字情報にこだわる

最初に目につくのはやはり具材の写真だ。

一般的なコンビニおにぎりは具材の名前が文字で書かれているだけだが、高級路線のおにぎりには確実にシズル感のある具材の写真が使われている。

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ローソンは特に写真の圧がすごい。全画面表示でこのおにぎりの世界観に一気に引き込まれる。
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今回のラインナップではやや路線の違うセブンイレブンのおにぎりでさえ具材の写真が使われている。

なにはともあれシズル感のある写真を使うことが高いおにぎりのパッケージに近づく第1歩であろう。

高いおにぎりのパッケージメソッド①
シズル感のある写真を使う

次に色味に注目してみると、共通して使われているのは金色だ。金色=高級感という安易さもまた過剰な豪華さには欠かせない要素である。

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パッとみは金色が使われていないローソンのおにぎりもアクセントとしてちゃんと金色が使われている。

 ただもう少し踏み込んで見てみると、ただ金色を使うだけでなく補色的に暗い色も使うと全体が引き締まり、より高級感が出てくるようだ。

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ファミリーマートとNew Daysのおにぎりは要素としては似ているが、金と黒で構成されたファミリーマートのおにぎりにより高級感を感じる。

金と黒といえば屏風や蒔絵など日本の伝統的な品によく使われる配色だ。私たちは知らず知らずのうちにファミリーマートのおにぎりに日本の伝統を感じていたのかもしれない。

高いおにぎりのパッケージメソッド②
金色はマスト、黒も使うとベター

もう一つの大事な要素として文字情報がある。改めてパッケージを見てみるとやたらと文字が多い。 

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ここでもローソンが他を圧倒している。たらこに至っては、序文の段階で「たらこ」という言葉が出てきてしまっているので「頭痛が痛い」みたいな文章になってしまっている。

どうやら作る工程や使われている具材を詳細に伝えるのが良いらしい。また「丁寧に」「風味良く」「じっくり」などぼやっとした修飾語をたくさん使うテクニックも「なんかすごそう」に見せるために各社多用している。

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「じっくり」「たっぷり」「じっくり」「しっとり」
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ローソンのおにぎりへの言及が多くなってしまうが、これだけは言わせてほしい。ローソンのおにぎりは「じっくり」しすぎだ。

「●っ●●」という言葉は使い勝手が良いようだ。「ぽっくりと苦しまずに旅だった豚の肉をふんだんに使い~」とかかな。

高いおにぎりのパッケージメソッド③
説明は修飾語を多用して「すごそう」と思わせる

情報をたくさん盛り込むというメソッドにも通じるが、文字情報でいうと産地表記も欠かせない。産地をしっかり書くことで具材のバックグラウンドが見えてきて消費者に安心感を与えられる。

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「青森県陸奥湾産」は技名っぽさがある。「ブルーフォレストシーパラダイス」と読んでいきたい。

 

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ただの塩じゃない、淡路島の藻塩なのだ。豪華さのためには細部にもこだわる必要がある。

海苔や塩の産地を誰が気にしているのだろうと思わなくもないが、そんなことは関係ない。売り手側が書きたいから書くだけだ。

高いおにぎりのパッケージメソッド④
使用している素材の産地は細かく記載する

というわけで13種のおにぎりを分析し、高いおにぎりのパッケージを実現する4つのメソッドが得られた。このメソッドを使って普通のおにぎりも過剰に豪華なパッケージにしていきたい。

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この4つのメソッドでいつでも過剰な豪華さが演出できます!

 

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豪華にして分かる普通の良さ

それでは普通のおにぎりであるファミリーマートの明太子マヨネーズを過剰な豪華さに仕上げていこう。「普通の」と言っても改良は重ねられており、商品名は変わらずともマイナーチェンジが繰り返されている。個人的にこの明太子マヨネーズが大好きなので変化には敏感に気が付くのだが、改良されるたびに「このひと握りの中にまだ改善の余地があったのか」と驚かされている。

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中身が進化しているのだからパッケージも進化するべきだろう、と今回の企画に勝手に大義名分を与えてみる。

冒頭にも写真を載せてしまったが、いきなり仕上がりをご覧いただこう。

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どうみても税込198円の仕上がりである。

税込125円で売られていたのが不憫になるくらいの豪華さが出た。

でもどうしても「過剰な」と言いたくなってしまう豪華さであることは間違いない。バブリーがすぎるのだ。コンビニのおにぎりが全てこれだったら手を出しづらくなってしまうので、やっぱり普通のおにぎりはこれからも並んでいてほしい。

せっかくなので、細かく説明していきたい。

まずは一番大事な具材の写真だ。通常のパッケージには申し訳程度に明太子マヨネーズの画像が載せられているが、シズル感はあまり感じられない。ということであれば明太子マヨネーズの撮影もしなければいけない。

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写真を撮りながら篠山紀信ばりの「いいね、いい写真だよ」が出た。

豪華さの象徴ともいえる金色については印刷では上手く光沢が表現できないおそれがあるため、金色の用紙を調達し、これをパッケージにあしらった。

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元のパッケージの透明感を活かして金色の用紙は内側に仕込んだ。

また文字情報としては、ファミリーマート公式サイト内の商品紹介ページに載っている「明太子本来の美味しさを向上させました。明太子の粒々食感をアップさせながらもジューシー感のある仕立てです。」という一文をベースに修飾語をプラスしていった。

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ローソンのお家芸である「じっくり」も使わせていただいた。
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また産地は分からなかったので、今回は写真撮影で使った明太子の産地を記載した。

以上のように4つの高いおにぎりのパッケージメソッドを駆使することで、普通のおにぎりでも過剰な豪華さが演出できた。

高いおにぎりのパッケージメソッドは万能

普通のおにぎりを豪華にしてみたが、このメソッドは別におにぎりだけに当てはまるものではないだろう。というわけで、その他のコンビニ商品についても過剰な豪華さをまとってもらった。

まずはコンビニのヒット商品であるサラダチキン。

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OLとボディービルダーしか食べていない印象のあるサラダチキンも、
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こんな感じに。ライザップがプロデュースしました感がすごい。

そういえばライザップも黒地に金色を使っている。そして過剰とも思える演出が話題になっている。黒と金の組み合わせは過剰になりがちなのかもしれない。

可愛らしさ推しのからあげクンはどうだろうか。

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よくよく考えると唐揚げを鳥にアピールさせる酷なことをしている
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過剰な豪華さをプラスしてあげると「からあげ殿」くらいの取っつきにくさが出た。

ここまで色々やってきたが、よく考えたら高いおにぎりのパッケージでは具材ばかりに焦点を当てており、そもそも「おにぎり」だということは全然訴求していない。全く日本のコンビニを知らない人が見たら、中身も見えないしこれはなんだということにならないのだろうか。

それは逆に、こういうパッケージだからおにぎりだと思っているといつか痛い目に合うということでもある。

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「ミートボールのおにぎり出たんだ!」と思って購入したら、
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本当にただのミートボールだったということが起こるかもしれない。
 
改めて分析してみるとパッケージひとつ取っても色々と工夫がこらされていることが分かった。コンビニの高いおにぎりのパッケージは「やりすぎ」だと分かってあえてやってる気がするので、これからももっと過剰な豪華さを期待していきたい。
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ローソンの高いおにぎりはTシャツにしたい。
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