税務署って、最寄りのところ以外に行く機会がなかったので、他の時間外収受箱がこんなにバラエティー豊かだとは思ってもいませんでした。
僕からすれば変わった形の時間外収受箱でも、そこの近隣の方にとってはそれが「当たり前」なのが面白いですね。
税務署に設置されている銀色の箱、『時間外収受箱』。
その形が税務署によって微妙に異なることを知った僕は、時間外収受箱を探しまわり、それぞれの個性を愛でることにしました。
税務署に用事があった時や、たまたま税務署の前を通りがかった時などに、いつも気になってついつい見てしまうものがあります。
これです!『時間収受箱』!
郵便ポストのようでそうではない、銀色の箱。
「書類を時間外に出せるもの」というのはなんとなく理解していたのですが、実際に使ったことはなく、馴染みもそれほどありませんでした。
しかし改めてしっかり眺めてみると、その目立つ見た目といい大きさといい、妙に印象的で心惹かれるものがあります。
しかも大阪の行ける範囲の税務署を巡ってみると、税務署によって形状がちょっとずつ違うことがわかり、俄然興味が湧きました。
なのでそれらを種類別にまとめるとともに、グッときた度合いを数値化して付け加えていきたいと思います。
数値の単位は「通」としました。
時間外収受箱にとって嬉しいことは何かと考えたら、やはり使ってもらえることだと思ったので、称賛を投函数で表していきたいと思います。
まずはオーソドックスな形状・設置がされているタイプを。
西税務署
これも先程のと近く、シンプルな作りをしています。
本体正面には「時間外文書収受箱」と書かれていて、これが「時間外収受箱」のフルネームみたいですね。
ザ・ノーマル!なので、まず基準として、
天王寺税務署
これも敷地ギリギリに、ポストっぽく置かれているタイプ。
「時間外収受箱」と「時間外文書収受箱」が両方とも書かれており、丁寧かつ几帳面な印象を受けます。
そしてなぜか、上の投入口は封じられていました。
名前が両方書かれているという点と、投入口が減らされている不思議さから、
東淀川税務署
東淀川は入口付近の角に鎮座。
しかも他が地面に直置きだったのに対し、こちらは足があります!
投入口も出っ張ってますし、呼び出しボタンのようなものも見受けられますし、ノーマル系といえどキャラ濃いめ。
これはちょっと投函してみたいですね。
時間外収受箱は、郵便ポストと間違われやすいという側面を常にはらんでいます。
そうしたトラブルを回避するため、本体に説明が書かれているものもありました。
そしてやはり、説明書き系はポストっぽいシンプルな形が多かったです。
東成税務署
上下の投入口が使えて、さらに説明つき。
この説明書きだけ別のところでも見かけたので、左の縦だけ読んで「時さこお」と呼んでいます。
「時さこお」のシンプルということで、
南税務署
ここの説明書きはなかなか凝ってました。
なんと、説明文と『「時間外収受箱」』の字体が異なっています。
どうやら上の『時間外収受箱』と合わせるために、わざわざ変えているようです。
ここまでする必要はないような気もしますが、その細やかなこだわりにグッときました!
地味だけど素晴らしいこだわり!
城東税務署
城東は説明書きがカラフルでした。
確かに銀色に黒い字だと見づらい場合があるので、いいかもしれませんね。
名前は赤、説明は青という塗り分けも考えられている感じがします。
時間外収受箱は銀一色なので、色があるのは珍しい。
八尾税務署
他よりも頑丈そうな作りをしています。
左には別添えでさらに説明文も。
ゴツいけどやはりシンプル。
大淀税務署
大淀はそもそも本体が小さく、「時間外文書収受箱」が「文書受」と略されてます。
「文書受」だとなんとなく、言葉攻めの対義語みたいな感じがしますね。
そして庇もなんだかポストっぽいからか、しっかりと説明が書かれていました。
この形状は他で見たことなく、貴重!
時間外収受箱は大事な書類を預かる箱ですから、当然中身を守らなければなりません。
なので柵の近くに置かれていたり、柵と合体していたりしているものもありました。
阿倍野税務署
阿倍野のは鉄柵スレスレに置かれ、投入口だけが出ているタイプ。
側面には「時さこお」も書かれています。
説明書きがありつつも、割とオーソドックスなので、
西淀川税務署
こちらは鉄柵のスライドしない方に設置されています。
しかも上下の投入口が両方使われているため、そこだけ柵がギリギリまで開いていて優しいですね。
そして――
側面には説明書きも。
「ぜひこのわたくしめに!」みたいな文面がいいですね。
鉄柵との連係プレーが見事なので、
生野税務署
ここはさらに特別感がある鉄柵。
オーダーメイドなのでしょうか、投入口にピッタリです。
逆に言えば、ここは他よりも厳重に守る必要があるのかもしれなくて、若干不安。
柵は変わってますが、本体は意外とノーマルっぽいので、
西成税務署
柵系でも唯一の合体系がこちら。
横から見るとこんな感じ。
開庁中だとここだけ残されているので、ちょっと異質な感じがして面白かったです。
やはり柵に囲まれているのはインパクトありますね。
福島税務署
こちらはかなり特殊な柵系。
なんと柵に囲まれています。
防御力が高い!
後ろはこんな感じ。
背後の文字だけ赤くて、4本足で、土台のコンクリートで高さを調節してるみたいです。
子供が踏み台に乗ってるみたいで可愛らしいですね。
防御力の高さと、本体の小ささとのギャップがたまらないので、
たとえ鉄柵で守っていても、何者かにイタズラされる可能性はゼロではない。
それに税務署から遠い位置にあると、中身を回収するのも一苦労。
それらの悩みを一挙に解決するのが署内系です。
門真税務署
例えばこれです。
箱本体は署内に引っ込んでいて、壁の続きみたいに前面だけ表に出ています。
これならイタズラも見張れますし、回収も楽ですね。
投函者からすれば独立型より税務署へ近づかなければならず、若干億劫な感じもしますが、だからこそあえて使ってみたい気もします。
北税務署
ここも前面系で、投入口は2つ。
税務署の入口自体が歩道に面しているので、ほぼポスト感覚で投函できます。
箱を別に置くスペースがなかったから、こうしたのかも。
誰でも投函しやすそうなので、
東税務署
ここは更に内に入ったタイプ。
本体は完全に署内にあって、口だけ出てます。
ガラス張りなので、全部丸見えというギャップもいいですね。
口のところがなんだか未来人っぽくてカッコイイので、
茨木税務署
窓口が開いている時間に行ったのですが、その時間帯は窓口の方に出してほしいようで、完全に姿が隠されていました。
時間外収受箱はその名の通り時間外に使うものなので、当然といえば当然ですが、初めて見たパターンだったので面食らってしまいました。
まさか隠されているとは!かえって気になるので、
枚方税務署
壁ギリギリを攻めていくと、ついには塗り込まれるまでになります。
口だけしか出ていないため、「ポストではありません」とちゃんと提示されていました。
あとは――
見た目がほぼ壁なので、周辺にはここへ誘導する看板とかもありました。
果たして壁の向こうは本当に箱なのか。
港税務署
さっきのは道に面していましたが、こっちは割と奥まった壁に埋まっています。
ポスト状のものを想像しながら外を探していると、かなり見落としてしまいそう。
注意書きも紙1枚と控えめで、もはや隠し時間外収受箱。
ではここからは、特に個性的で印象的だった3つを紹介します!
吹田税務署
壁埋め込み系にしてはかなり手前にあるなと思っていると―
箱専用の壁!そして本体は剥き出し!
まるで忍者の隠れ身の術みたい。
しかも鉄柵の門柱とも合体していて、柵系とも若干近い雰囲気があります。
個性盛り盛りであるため、どの系統にも当てはまりそうな特殊性は唯一無二!
浪速税務署
一見すると普通っぽい形。
しかも投入口が半分封じられていて、使いづらそうにも思えますが――
なんと、角に投入口が!
正面ではない投入口は他になかったですし、デザイン的にもオシャレ!
ここだけ本体がツルツルピカピカじゃなくてグレーなところとかも、シンプルさに統一感があっていいですね。
四角い箱に斜めから投函してみたい!
東大阪税務署
最後は圧倒的かつ一目瞭然な存在感!
投入口が3つもあり、デカい!
奥行きもかなりあります。
そして上には三角の名札があったり、駐車禁止の貼り紙が貼られまくったりと、オプションも豊富で賑やか。
4つ付けられるはずの投入口を3つで抑えることにより、アシンメトリーになっているのも格好いいです。
とにかくデカい!全ての投入口に入れてみたい!というわけで、
そしてちなみにですが、今回の総投函数は3,003,510,195,000通でした!
税務署って、最寄りのところ以外に行く機会がなかったので、他の時間外収受箱がこんなにバラエティー豊かだとは思ってもいませんでした。
僕からすれば変わった形の時間外収受箱でも、そこの近隣の方にとってはそれが「当たり前」なのが面白いですね。
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