ケーブルカーに乗れるのは5月まで
80年の歴史を持つ私設ケーブルカーは今でも現役で稼働していた。しかしその姿を見られるのは5月いっぱいとのことなので、思い出を作っておきたい方は今のうちにぜひどうぞ。
編集部より:本記事公開の2009年のあと、2013年8月末に対星館さんは営業を終了されたとのことです。
お話を聞いた後だとますますこのケーブルカーに愛着がわいてきた。僕はまったく初めて乗ったのだが、お客さんの中にもこれが好きで訪れる人がいるんじゃないのか。
やはりリピーターのお客様はこのケーブルカーをよく覚えいただいていますね。先日も50年前に新婚旅行で訪れて、という方がケーブルカーがなくなると聞いてまた泊まりに来てくださいました。
「私たちは下の寮に住んでいますから、外へ出かける時には必ずこれに乗るわけですよ。朝でも夜でも。急ぎませんよ、緑の中を登っていく、このゆったりした時間が好きなんですね。」
一緒に乗った従業員の方はこう言っていた。
「ケーブルカーには灯がないから、夜なんかは真っ暗なんですよ。でも周りの灯がほんのり景色を照らすから、それはまた落ち着くんです。」
支配人は「従業員も新しいものへの期待が大きい」なんて言っていたが、やはりみんな心ではこの車両が好きなんじゃないかと思う。
登りは下りに比べて恐ろしさはないが、ケーブルが軋み、車体がガタガタいう度に一生懸命登っていくその姿を応援したくなる。
全国的にも珍しい私設のケーブルカーを紹介したが、実は箱根にはもう一つすごいのがあるのだと支配人に教えてもらった。
それは私設のロープウェイだ。
こちらは隣にある温泉旅館へと下るためだけに運転される乗り物なのだ。定員は5人。のんびりと降りていくその姿はよく整備されたクラシックカーを愛でているような気分になる。
実はあのケーブルカーの改装工事中はこちらのロープウェイで振り替え輸送を行ってくれるのだとか。これはこれで魅力的な話ではありませんか。
80年の歴史を持つ私設ケーブルカーは今でも現役で稼働していた。しかしその姿を見られるのは5月いっぱいとのことなので、思い出を作っておきたい方は今のうちにぜひどうぞ。
編集部より:本記事公開の2009年のあと、2013年8月末に対星館さんは営業を終了されたとのことです。
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