ミスIDのファイナリストに選ばれて本数が激増
彼女のライブを観るために向かったのは下北沢。
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今回取材したのは工藤萌さん。青山学院大学に通う大学生で、「工藤ちゃん」というミュージシャンネームで活動している。
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驚くのは出演するライブの本数だ。2016年は約400本、2017年は約280本、そして今年は10月末の時点で200本ちょい。そのほとんどは「声がかかったものに出ている」とのこと。
当初のライブ本数は月2、3回程度。しかし、ミスID2016のファイナリストに選ばれてから、声がかかる数が格段に増えたそうだ。
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お昼は青山学院大学の学園祭のステージにも立っている。
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このように1日に2ステージをこなすことも珍しくない。
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料金的には相場だが、出演者にはいくらぐらい入るのだろうか。
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チェキやCDなどの物販は貴重な収入源
出番は3組中のトリ。「初めましての方も半分以上いると思いますが、工藤ちゃんと申します」という挨拶とともにライブが始まった。
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5歳からピアノを習い始め、中1の時に結成したバンドではキーボードを担当。現在のように弾き語りスタイルで舞台に立つようになったのは大学1年生の頃だという。2回留年して大学6年生。
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ステージが終わると物販タイム。これらの売り上げは彼女にとって貴重な収入源だ。
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2ショットのチェキ300円、CDアルバム2400円、特製Tシャツ3500円。物販コーナーはファンとの交流の場でもある。
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この日の収支はいかほどだろうか。後日、場所を改めてインタビューをした。
先のライブ出演での収入は1万8000円
お呼びしたのは都内のファミレス。「好きなものを飲んでください」と言うと、少し迷った末にメガハイボールを注文。非常によい。僕もそれに乗っかった。
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「こないだのライブの物販では9600円の売り上げがありました。それに、8400円のチケットバックを足した金額が収入ですね」
もちろん、グッズの制作費や移動の交通費もかかるため、これが丸々利益というわけではない。
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10月のライブは約30本。居酒屋のアルバイトもしているが、この状況ではなかなか入れないそうだ。
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「ライブハウスへの出演条件は、ノルマを払う、出演料を払う、固定のギャラをもらう、チケットを売った枚数によってキックバックをもらうなど、いろんなパターンがあります。私は最近では、原則として集客数に応じてバックをもらえる条件でしか出ていませんね」
今年9月は約25万円の利益が出た
彼女が面白いのはエクセルで月ごとの収支を管理している点だ。こちらも快く見せてくれた。
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出演料と物販の合計は約34万円。ボイトレやチェキのフィルム代などの支出が約8万円。つまり、この月は約25万円の利益が出ている。毎日のようにバイトを入れるのと、ほぼ同じような金額だ。
「この月はかなりいい方で、平均すると15〜20万円ぐらいのプラスですね」
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「地方遠征も以前は交通費が自腹でも行っていましたが、さすがにキツいので今は交通費を出してくれるものしか行きません」
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「特にTシャツは持ち歩くのが大変なので、売れてくれると本当に嬉しいです」
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チケットとドリンクがセットになっている理由
「ライブハウスは飲食店としての営業なので、チケットは必ずドリンクとセットになっている」というライブハウス雑学も聞けた。
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1枚300円でも、数が積もればこのような金額になる。
「とはいえ、ギターの修理代やTシャツの制作費がたくさんかかった月は赤字になることもあります」
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なお、春からはITベンチャー企業への就職が決まっており、現在のようなペースでライブを行うことはできなくなる。
「でも、ライブをやめるつもりはありません。とりあえず、職場の様子を見ながら続けていきたいと思っています」
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