石川大樹のコメント
タイトルの時点で傑作を確信しました。嘘をつくこと自体、多くの人がおそらく共感できるうえに、ちょっとしたうしろめたさもを共有することでいわゆる共犯関係的なシンパシーを読者との間に築けるテーマではないでしょうか。
エピソードのまとめも面白いのですが、最後にちゃんと取材に行ってるところが素晴らしいですね。ちょっとしたやり取りではありますが、これがあるとないとでは大違い。さらにそこから「美容師さんたちの優しさに甘えていただけなのかも」という結論につなげているのも素晴らしいです。
と絶賛ですがなぜもう一息かというと、「美容室を嫌いし者」みたいなたまに敵意が強く見えるところがあるんですよね。そこはマイルドにするといいかなと思います。ここは最後の和解への伏線でもあるので必要な要素かと思うのですが、とはいえうまくトゲが立たないように書けるとよいかなーと思います。