自由ポータルZ 2020年11月6日

棒だけでBARをつくる・福岡と東京のひよ子を食べ比べ~自由ポータルZ

石川です。部屋の掃除をしたら2018年が賞味期限のチョコレートが出てきまして、チョコレートだから変わらんだろ、と思って開封してみました。……見事に風化してました。ちょっと触るとポロポロと崩れていきます。

ちょっといいチョコレートだったのでもったいなくて一口食べてみたのですが、特に体調は崩しませんでした。よかった。今日は2口いってみようと思います。

さて今週の自由ポータル、テーマ部門「棒」からも1本掲載しております(とりもちうずらさんの作品)。ではどうぞ!

自由ポータルZは毎週金曜日に更新の記事投稿コーナーです。読者の方が執筆した記事をご紹介しています。

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【もう一息】しばりミニチュア〜棒だけでBARをつくる〜

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[投稿者]とりもちうずらさん (とりもちうずらのnote
[コメント]棒しばりでミニチュアをつくってみましたが、一つの素材でも以外と色んなものが作れるなと思いました。アイスの棒は本当に万能でした。

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古賀及子のコメント

デイリーポータルZに掲載している記事を作るのにはいろいろなスキルがあって、でもざっくり分けると

・企画力
・文章力
・写真技術
・工作力、取材力、インタビュースキルといった企画の完遂力

このくらいに分けられるんじゃないかなと思うんですよね。全部バランスよくできているパターンがあれば、どこかが飛びぬけて強いパターンもあって、そこはさまざまです。

今回のとりもちうずらさんの記事を拝読してそのことをすごく考えさせられました。

通常だったらスキルというのは記事内で一定だと思うんです。写真がうまい人は記事の最初から最後までうまい、工作もそうです。

でもこの記事、写真と工作のうまさが記事内で妙にゆれるんですよ。そこがすごく魅力的というか、惑わされました。

不器用に頑張って作ってるのが良いなと思って油断して読んでいると、仕上がりがやけにあか抜けています。

写真も工程の部分はラフに撮ってるんですが、完成品のところはバチっと上手に撮ってある。

やってることはもちろん面白いんですが、そのゆらぎに妙に風情があるなと、ちょっとななめから魅力を感じてしまったとは思うんですが、楽しみました。

あとはちゃめちゃに細かくて恐縮なのですが、アイスの棒がAmazonで買えるところ軽く流してしまったのもったいなかったです。せっかくの情報ポイントだったのでもう少し詳細に書いても良かった部分でした。

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石川大樹のコメント

お、ミニチュア作るのか、工作に心得のある人かな…?と思って読んだらいきなり棒をハサミで無理やり切っていて好感度が一気に上がりました。

で、そこからやっていることだけを見ると手慣れ感は全然ないのですが、完成形の写真見ると妙に完成度が高いんですよね。ライティング(書く方じゃなくて光の方)のうまさなのだろうと思いますが、このギャップは興味深かったです。

…ですがそれだけに、これをいかに照明で何とかしたかというのは気になる部分なので、記事にしっかり書かれているといいかと思いました。きっとそこにも試行錯誤があったと思うんですよね。そういう「劇的な変化」が生まれるところは、記事としてはカバーしておきたいなと思いました!

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林雄司のコメント

すごくよくできてますね。アイスの棒が工作材料になるのは発明だと思います。

タイトルを「アイスの棒でバーを作る」にするとよりフックになりそうです。

さて、完成度が高いので早くもよくできた工作記事の突端についちゃってると思います。

ここにもう一味、破綻を加えると世界が広がります。
乙幡さんやべつやくさんの記事って、作ったあとに人に見せて予想外のことを言われたり、
外で撮ってうまくいかなくて取り繕っているシーンがあります。

工作記事ってひとりで家でやっているので、わりと想定内のことしか起きないんですよね。

自分でも予想できない状況を準備してそこに身を投じると記事に迫力が出ると思います。

 

【もう一息】福岡と東京のひよ子を食べ比べした話

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[投稿者]辺野目えのんさん (ナンセンスダンス
[コメント]東京のお土産店でひよ子を見つけ、勝手に闘志を燃やした福岡県民がお土産に持ち帰り食べ比べをしてみました。

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石川大樹のコメント

判定が不平等な食べ比べ、新しくて笑いました。その不平等さがうまくてですね、実際食べるところはかなりフェアに書いてあって、東京の方もすごく褒めてるんですよ。ここで東京のひよこをけなしてしまうと、一気に感じの悪いことになるんです。商品に対するDISなので。

しかしこの記事はあくまでその段階ではフェアで、中盤以降で初めて、筆者が郷土愛をこじらせて不条理な判定をする、という形になってるんですよね。商品に押し付けないで、筆者が明確にすべてを引き受けているんです。この点で、まったく嫌みのないものでした。これかなりのバランス感覚だと思います。

それでいて終盤の「どうやら製造している型は東京も福岡も同じものを使っているそうです。」につづく「本当か?????」の往生際の悪さ。もはや小気味いいほどでした。

ちゃんと記事の印象をコントロールできているという点で、力量を感じる記事でした!

 

【もう一息】サウナ・スパ健康アドバイザーになりたい

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[投稿者]高田ゆうぞうさん (50歳までにしたい100のコト(寄稿)
[コメント]わたしなりに令和の温浴産業を考察いたしました、その一環です

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石川大樹のコメント

資格、こんなにあるの!?ってくらいたくさんあるので気になりますよね。自分で実際に受験してからインタビューに挑むのも本気度が伝わってよかったです!

記事のテイストに対してインタビューが固いのが気になりました。最初の質問がまず「まずは日本サウナ・スパ協会、ならびにこの資格が設立されるにいたった経緯を教えてください。」ですが、これは文体を「なぜこのような資格を作ったんですか?」にするだけでずいぶん柔らかくなると思うんですよね。回答のほう…はどこまで書き換えていいかは状況によりますが、許されるならもうちょっと口語っぽくしてもよかったと思います。

あとはインタビューの構成も、設立からきいていくのって入り口としては興味を引きにくいので、たとえば「これさえ取ればサウナが作れるんですか!?」みたいな単刀直入な質問からはじめて上位資格の話を経て設立の話につなげるとか、見せる順を検討するとぐっとエキサイティングになる気がします。必ずしも聞いた順に書く必要はないので、読者の興味を引く質問をトップに持ってくるのがいいかなと思います!

 

Tips:基本、けなさない

辺野目えのんさんへのコメントでも書きましたが、食べ比べでもなんでも、基本、けなさない方がいいです。おもしろ記事の場合ですよ。批評やレビュー記事で必要な場合は別です。おもしろ記事って基本ふざけてるわけじゃないですか。真面目に批評するならともかく、ふざけながら悪く書くことになるわけで、記事の印象が悪くなるのは当然ですよね。

じゃあどうやってけなさずに書くか。ひとつの技としては、誉め言葉で書きます。例えば、期待して食べた食べ物がイマイチだった場合「斬新すぎる味」とかですね。これもやりすぎると皮肉っぽくなるのであくまでライトに。そしてとにかく強い言葉でけなすのだけは避けましょう!

ではまた来週!

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