特集 2018年10月8日

大真面目にカレーラーメンを考える会

大真面目にカレーラーメンを考える会が開かれた

そして迎えた会の当日。会場は大森にある『ケララの風II』というお店を貸し切った。いわゆるカレーではなく、ミールスという野菜を中心とした南インド料理の定食を出す人気店だ。

もちろん店のメニューにカレーラーメンはないのだが(カレーすらない)、店主に事情を話したところ、「よし、じゃあ俺は2種類作る!」と張り切った返事が返ってきた。いい人だ。
南インドのミールスの説明をする店主の沼尻さん。
南インドのミールスの説明をする店主の沼尻さん。
呼びかけに応じてカレーラーメンを考えて来てくれたメンバーは、ラーメンフェスごっこ(こちら)や10分で作るラーメン対決(こちら)に付き合ってくれる、いつもの心強い友人達だ。

さらに試食担当として、たくさんのカレー&ラーメン好きがお腹を空かせてやってきている。
私の企画によく巻き込まれる方々。いつもありがとうございます。
私の企画によく巻き込まれる方々。いつもありがとうございます。
それにしてもこの会、老舗の寿司屋で店主を巻き込んで、『俺の考えたカリフォルニアロールを食べる会』を開くみたいな話で、大変恐縮なんでございます。

玉置標本の『今月の月替わり:カレーラーメン』

カレーラーメンを出す順番は自己申告。こういうのは言い出しっぺからやるべきなので、まずは僭越ながら私から作らせていただく。

数々の試作を繰り返した結果、ベースとなるスープはごく弱火で煮込んだ濁りのない鶏ガラスープで、野菜や乾物を多めに入れているのが特徴だ。
スープは家で作って持参した。
スープは家で作って持参した。
醤油ダレはどう改良していいのかよくわからなかったので、少し化学調味料を加えただけで、あとはそのまま使っている。スパイスの調合って難しい。

香味油はそのまま丼に入れるのではなく、この油でタマネギを炒めて加えることにした。カレー作りの側から考えれば、やはり炒めタマネギの甘さとコクは必須だろう。
持参した香味油。
持参した香味油。
みじん切りにしたタマネギを、炒めるというよりは揚げるようにじっくりと加熱する。
みじん切りにしたタマネギを、炒めるというよりは揚げるようにじっくりと加熱する。
この炒めタマネギを醤油ダレと一緒にスープと合わせるのだ。

これによってバラバラだった香味油と鶏ガラスープが自然な形で混ざり合い、タレに入ったレッドペッパーの直線的な辛味がタマネギの優しさに包まれるのである。
そのまま香味油を入れるのではなく、炒めタマネギを入れるという工夫。
そのまま香味油を入れるのではなく、炒めタマネギを入れるという工夫。
メインの具であるチャーシューは、スープと同じカレー味にするのではなく、逆に蜂蜜と醤油に漬けて焼いた。甘く香ばしい味にして、スープとのコントラストを与えるのだ。

そしてサブの具として、生のハラペーニョを香味油で炒めて乗せることで、フレッシュな刺激を狙った。唐辛子農園の記事の取材で得た成果である。

生のハラペーニョは、今月の月替わりラーメンだからこそできる季節の味だ(自分の中でのラーメン屋設定はまだ生きている)。
ワタの部分をとれば、そこまで辛くない。
ワタの部分をとれば、そこまで辛くない。

全粒粉入りの麺を用意した

麺にも改良を加えてある。普通の中華麺だとカレースープに対して素直すぎるので、玄米ご飯を使うスパイスカレーの店があるように、全粒粉入りの麺を作ることにした。

さらにナンやチャパティにある焦げた部分の雰囲気が欲しかったので、まず全粒粉を乾煎りして香ばしさをだし、パン用の強力粉と合わせて麺にしたのだ。
うっすらと色が変わって、香りが立ってくるまで弱火で全粒粉を乾煎りした。
うっすらと色が変わって、香りが立ってくるまで弱火で全粒粉を乾煎りした。
全粒粉2にパン用強力粉8の割合で麺にする。
全粒粉2にパン用強力粉8の割合で麺にする。
これで失敗したら、月替わりラーメンは味噌煮込みラーメンにしてやる。
これで失敗したら、月替わりラーメンは味噌煮込みラーメンにしてやる。
そんなこんなで完成した私のカレーラーメンがこちらである。名付けるとすれば、『カレーラーメン』だろうか。そのままだ。

みじん切りのタマネギが余ったので、生のままトッピングに加えてみた。カレーのラッキョウ代わりだと思ってもらいたい。
最初の試作と比べると、だいぶ進化したんですよ。
最初の試作と比べると、だいぶ進化したんですよ。
この会では、カレーラーメンを出す時に調理人がコンセプトをプレゼンすることが必須である。

上記の話をしっかり理解してもらいたいという気持ちと、伸びる前にさっさと食べてほしいという矛盾した気持ちを抱えながら、しどろもどろに説明させていただいた。
「ザ・カレーラーメンだ!」「ハラペーニョうまい」「全粒粉入りの麺は卑怯」と参加者の声。
「ザ・カレーラーメンだ!」「ハラペーニョうまい」「全粒粉入りの麺は卑怯」と参加者の声。
普通といえば普通だが、これぞラーメン屋が考えたカレーラーメンという味になったと思う。甘い肉、辛い唐辛子、爽やかなタマネギという具のバランスもちょうどよかった。

会のトップバッターとしての役割は果たせたのではないだろうか。
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