計画を決行したのは8月18日。
この日の終電は、日をまたいで00:34滋賀方面行き。
これをスタート時間に設定し、始発の時間である朝の5時頃を目安に、約4時間半で京都を堪能します。
出発地点は京都の玄関口、京都駅。
ー目次ー
《0.まずは足の確保》
《1.烏丸通を北へ進む》
《2.南東へ下って、四条通り周辺から東へ》
《3.東大路通を北へ》
《4.観光を終えての感想》
《5.まとめ》
《0.まずは足の確保》
移動手段は自転車をチョイス。
京都観光の移動手段と言えば電車かな、と思うけど、もちろん終電後の電車に乗れるわけがない。
タクシー代はバカにならない。徒歩は疲れる。
ということで、京都で最近流行りの観光レンタサイクルを借りることに。
3段変速ギア付きシティサイクル。レンタル代は1日料金で1000円。
これさえあればどこまでも!というぐらいの乗り心地。
昼間借りるならもっと安い。レンタサイクル、好き。
受付をしてくれたお兄さんに「深夜0時以降に京都観光しようと思ってるんですけど」と言ったら「は?」というリアクションをされた。分かる。
※京都の街は場所や時間帯によって自転車通行禁止の場所があるので注意してください。
そんな感じで下準備をしながら時間を潰し、いよいよ出発。
《1.烏丸通を北へ進む》
【00:34】京都駅~京都タワー
予定通り、終電の時間に出発した。
背後からは酔っ払っているのであろう、若者たちの雄叫びが聞こえていた。
「あああああぁあぁああぁあーーーー!!!!」
行ってくるぜ。応援してくれよな。
そしてまず、京都駅を出発してすぐ、驚いた出来事がこれ。
京都タワーだ。
どういうことかと言うと、ほんの数分前まではこうだった。
京都タワーは深夜、ライトアップが消される。
これがなかなか衝撃的だった。
自分はこれまでの人生で、ライトアップされた夜の京都タワーしか見ていなかったのだ。
京都に住んでいる人、とりわけ県外から引っ越して来た人なら分かってくれるのではないか、この感覚。
京都タワーってずっと明るいわけじゃないんですよ。知ってました?
入り口は当然のように閉まっていた。ぜひ上から深夜の京都を見回したかった。
●京都タワー
京都のランドマーク。地上100メートルの展望室からは京都中が見渡せる。
9:00~21:00(最終入場20:40)
夜に行くおすすめ度:少しだけ
【00:34】東本願寺
京都タワーに別れを告げ、烏丸通を北に少し移動。
次の目的地、東本願寺に到着。
街灯と信号の明かりのみで照らされた木造の門はかなりの迫力。特に屋根の上の木組みがかっこいい。
しかし、入れず。
この時期、東本願寺の開門は05:50~17:30までだそう。
ただ、門の横にある、ありがたいお言葉だけは読ませてもらえた。
「がんばれ」ってことですよね。がんばります。
●東本願寺
浄土真宗「真宗大谷派」の本山。京都駅からのアクセスの良さが魅力的。
05:50~17:30(2018年3月1日~10月31日)
夜に行くおすすめ度:ほんのり
【01:15】二条城
東本願寺を出てさらに北、堀川御池の交差点を北東方向に行ったとこにある、二条城に、がんばって到着。
写真がぼやけてるのが分かるでしょうか。
暗すぎてピントが合いません。
二条城は入れないどころか暗すぎて、全体像を掴むことすら難しかった。
一応、周囲をぐるりと回ってみた。
あと三角コーンが竹編みカバーされていて、京都っぽいなと思った。
二条城は以上です。
●二条城
1603年、徳川将軍家康の宿泊所として建立。日本の城の歴史、造りが勉強できる。
08:45~18:00(2018年7月1日~8月31日)
夜に行くおすすめ度:ほぼない
【01:15】京都御所
今度は二条城から見て北東方面、京都御所へ。
そして、ここまでの移動で分かったことをひとつ。
昼間は観光客などで賑わう京都の街ですが、深夜は(当然だけど)人通りが少ない。
ということで道をすいすい進める。とても快適。
普段はインドア派で、あまり外に出たくない自分。
カラオケなんかより、よっぽどストレス発散になるなと感じた。
そんなことを考えながら、到着。
まず、京都御所は京都御苑という大きな公園に囲まれていることを初めて知った。
このエリア丸々京都御所だと思っていた。不勉強を恥じた。
そして、入れる。
入れるぞ!
ここまで全ての場所が閉門されていたので(この企画どうなるんだ…)と思ってたけど、ここに来て初めての入場OK。京都御所ではないけど、それでもちょっとテンションが上がる。
そしてめちゃくちゃ暗い。
ポツポツとある街灯の明かりで、なんとか足元が見えるレベルだった。
私ごとで恐縮ですが、正直心霊系は苦手。
暗い通路を進んでいく。自分が踏みしめる砂利の音だけが響く。
外周の道路を走る車のヘッドライトが木々を照らし、その動く影にビビる。
夏の夜の1人肝試し。罰ゲームかよ。
何も考えないようにして、京都御所の門まで到着。
当然のように開いてなかった。そうだよね。
そして、行きの1.5倍ぐらいのスピードで歩く帰路。
というのも、行きすがらに見てしまった。
街灯の光が当たらないベンチに座っている人影を。
見間違いかもしれないし、座ってても普通の人だとは思う。
けど怖いもんは怖い。さっさと出たかった。
次に行きます。
●京都御所
14世紀から明治時代まで天皇の住居でもあった、由緒正しき施設。
09:00~16:20(2018年8月)
夜行くおすすめ度:怖いのが大丈夫ならまあまあ
《2.南東へ下って、四条通り周辺から東へ》
【02:26】新京極商店街、寺町商店街
ここでちょっと気分を変えて、京都の買い物街へ向かった。
写真は四条河原町の辺り。
この近くにあるアーケード街、新京極商店街、寺町商店街へ向かった。
当然、一部の飲食店を除いて、店は開いていない。人もいない。
しかし不思議だったのは明るさ。アーケードの照明がしっかり点いていて、とても歩きやすい。
いつもは人でごった返している場所を一人きりで歩く体験は、とても不思議だった。
小学校に通っていた頃の放課後、人のいない校舎で居残りした時の感覚に似ている。
そして昼間は気付いていなかった観光スポットを発見。
回すと経典を読んだことになるありがたい仏具、鈴鳴り輪。マニ車とも呼ばれる。
せっかくなので回した。
名前の通り、回すと鈴の音が鳴る。
すごい目立つ場所にある訳ではないのと、昼間は人の往来で隠れてしまうのが理由だろう、こんなものがあるなんて全然知らなかった。
この観光地巡りで何かとんでもないハプニングが起こりますようにと願った(起きません)。
あとけっこうな数の猫がいた。野良猫かな。
車がアーケードの中を走っている様子も、昼間じゃありえなくてちょっと驚いた。
●新京極商店街、寺町商店街
京都の買い物スポット。昼間は地元客、観光客で賑わっている。
24時間通行可能
夜行くおすすめ度:飲食店目当てじゃないならほぼない
【03:05】八坂神社
アーケード街を出て東に向かう。
鴨川周辺は飲屋街なので、店から出てきた酔っ払いたちで賑わっていた。
カップルや若者たちが等間隔で河原に座り込む鴨川を越え、祇園を抜けた突き当たりに八坂神社はある。
めちゃくちゃきれい!しかも門が開いてる!
急いで自転車を停めて中へ入った。
雰囲気がとても良い。
しっかりとした明かりに照らされた境内は、夏の夜の蒸し暑さを忘れさせてくれる素晴らしさがあった。
通路を進んでいくと、
写真だとサイズ感が伝わらないのが悔しい。それぐらい壮観だった。感動して「うわ…」とひとり言が出てしまった。
朱色が映える本殿もすてき。
これは夜に来る価値がある。そう思える、良い場所だった。
テンションが上がったので「祇園水」なるミネラルウォーターを購入。
200円。こういうのは値段じゃないよね。味は水です。
●八坂神社
京都民からは「祇園さん」と呼ばれ親しまれている神社。京都で有名なお祭り「祇園祭」は、八坂神社の祭礼。
境内への入場は24時間可能
夜行くおすすめ度:高い
【03:45】清水寺
八坂神社を出て少し南に下ると、清水寺へと続く道、清水坂にぶつかる。
京都の観光地と言えば清水寺でしょ。そうでしょ。
駐輪場の場所がよく分からなかったので、自転車を押しながら登ることに。
行ったことのある人なら分かると思うけど、この坂、けっこうキツい。
いつもは観光客とお土産屋の店員さんの声で賑わう坂道だが、さすが深夜、とても静か。
逆に非日常体験だなと思った。
当然開いてなかった。だろうよ。
この写真の後ろに警備員さんの詰所があり、中に5人ぐらい人がいた。
こんな真夜中に自転車を押して坂を上がってきて、ロープが張られた敷地内をカメラで撮っている人間を見て、びっくりしただろう。
なんだか恥ずかしくて振り向けなかった。
●清水寺
北法相宗大本山。世界文化遺産「古都京都の文化財」のひとつに登録されている。
06:00~18:30(2018年8月17日~8月31日)
夜行くおすすめ度:低い
来た道を戻って時計を見ると、午前3時55分。
実は清水寺をゴールにしようと思っていたが、タイムリミットまで1時間ぐらい余ってしまった。
このあとの予定はどうしようかと考える。
正直、長時間自転車に乗っているおかげでお尻がめちゃくちゃ痛かった。
鴨川を越えた辺りで(やばいなこれ…)と思い始めていた。じんじんする。
しかし、ここでやめてはいけないと腹をくくる。
昔おばあちゃんが「男は諦めたらあかん!」と言っていた気がした。言ってない気もする。というかうちのおばあちゃんは関西弁じゃない。
とにかく、ペダルを漕ぐ。行けるところまで行こう。
《3.東大路通を北へ》
【04:05】京都市動物園
子を持つ親として、押さえておくべきではと思った。
この辺りは美術館などの大きな施設が多くてちょっと迷ってしまったが、遠くから漂ってくる動物臭で場所が分かった。
当たり前ですが、入れません。
敷地内からは「ギョエー!」という動物の鳴き声が聞こえた。昼間行った時の脳内地図を照らし合わせると、多分フラミンゴの檻だと思う。あいつらいっつもケンカしてない?
●京都市動物園
遠足スポットとしても人気の施設。日本で2番目に古い動物園でもある。
09:00~17:00(3月~11月)
夜行くおすすめ度:ほぼない
【04:15】平安神宮
動物園からほど近い、平安神宮に到着。
奥に写っている門の向こう側が平安神宮の敷地。写真はその手前にあるの広場から。
正直に言うと、地味だなと思った。入れないし。
多分ここまでの観光地巡りでこういう雰囲気に慣れてしまったのだろう。
広場からの見た目はラスボスのいる最後の神殿だったが、それだけ。
ごめんね、また昼間に来ます。
●平安神宮
平安遷都1100年を記念して明治時代に建立。結婚式の会場として人気が高い。
06:00~18:00(3月15日~9月30日)
夜行くおすすめ度:ほぼない
そろそろ時間的に終わりが見えてきた。
急いで次の目的地へ向かう。
時刻は4時半を過ぎ、新聞配達のバイクとすれ違い始める。
空も少し白んできた。
何もない道路上でタイムリミットを迎えることだけは避けたい。
その一心で進んでいく。
【04:37】銀閣寺
細い坂道を進んだ先にある場所。
が、ダメ。入れず。
写真でよく見るアレのかけらも見えなかった。
●銀閣寺
正式名称は東山慈照寺。金閣寺と並ぶ、京都の人気観光スポット。
08:30~17:00(3月1日~11月30日)
夜行くおすすめ度:ほぼない
熱量の高い求人広告を通り過ぎ、賀茂川、高野川が合流する三角州、鴨川デルタに到着。
公園なので、問題なく入れた。
もう朝だ。散歩やランニングをしている人がいっぱいいた。
そしてタイムリミット。ここが終着点。
小説の舞台としてもたびたび登場するこの場所。いつか来てみたかった。
こんな朝早くとは思ってなかったけど。
この日は徹夜で遊んでいたのであろう、大学生風の若者たちがキャッキャしていた。
それを尻目に、こそこそとセルフタイマーで1枚。
●鴨川デルタ
高野川、賀茂川の合流地点の三角州。しっかりと整備されている公園で、京都民の憩いの場。
24時間出入り可能
夜行くおすすめ度:のんびりしたいなら高い
《4.観光を終えての感想》
終電後の京都観光のメリット、デメリットをまとめてみた。
◯メリット
・道や場所が混んでおらず、外観などを見て回る分には快適だった。暗さ以外。
・八坂神社のように、ライトアップされている場所は雰囲気があって良い。
◯デメリット
・中に入れない施設が多い。
・暗い場所は怖い。1人だと寂しくなる。
・眠くなる。
・お腹が空く。
トータルの結論として、京都観光は昼間の方が良い。
どんなに素晴らしい場所でも、入ってどういうものがあるかを見るのが観光なんじゃないか。
当たり前の答えがそこにはあった。そこに辿り着くまで、約4時間半かかった。
ひとつひとつの場所をしっかり見て回れば、自転車でお尻が痛くなることもない。
夜はおとなしく寝ましょう。
ちなみに、この京都観光での移動ルートはこちら。(見づらくてすみません)
下の方の赤い印が出発の京都駅、真ん中よりちょっと上の青い丸が終点の鴨川デルタです。
今回、見て回った場所や京都の街事情を考慮した、夜のおすすめ観光ルートをご紹介。
1 四条河原町、木屋町周辺でごはんでも食べながら時間を潰す。
2 店を出たら八坂神社へ。ライトアップを楽しもう。
3 怖いもの見たさがあれば、京都御苑へ。夏なら特に涼しくなれる。
4 朝焼けを楽しみたいなら鴨川デルタへ。だんだんと空が白んでいく風景が良い。
とにかく、夜の八坂神社は必見ですよ。木屋町からも近いし。
以上です。ありがとうございました。