塩の代わりに砂糖を使う
昔から重宝されてきた塩。海水を煮詰めることで生まれる塩。海からの贈り物であり、料理にかけてもいいし、玄関に盛ってよい、なくてはならない存在である。
そして、砂糖は1世紀の北インドでサトウキビから生まれたらしい。
「味付けは塩だけでいい」と言うと、料理のことがわかっている感じがするが、反論したいことがある。「あなたたちは砂糖をかけて食べたことはあるのですか?」と鼻息荒く聞きたい。きっとないと思うので代わりにやっておきます。
今日は普段、塩で食べるもの、塩で食べると「わかってるね」と言われそうなものを食べ比べしようと思う。
砂糖も塩のようにボトルで売ってほしいと思っています。
おいしいかどうかわからないときに呼ぶ友人2人を呼びました。(左が又来さん、右が能登さん、中央が筆者です。)
天ぷらを砂糖で食べてみる
まずは天ぷらである。そばつゆや天つゆなどで食べるのが一般的だが、塩で食べることもある。抹茶塩なんてものをあるが、そんなおしゃれなものを出されるとびっくりしてしまうので、天つゆをください。
撮影しているときには気づかなかったが、早く食べたい気持ちが外に出てしまい箸を持って作業している。
料亭に出てくる天ぷらをイメージしてお皿に塩の代わりに砂糖を乗せた。
塩だったらきっと塩辛くなるだろうほど砂糖をつける。
おいしいけど食べたことのある気がする。
マイタケの天ぷらを食べてみたのだが、ころもとマイタケがサクッ、モチモチした食感で、そこから甘さが口にひろがっていく。しかし、なんだ食べたことがある気がする。
「あげまんじゅうを食べているときに近いですよね。」
能登さんが的確なことを言ってきた。その言葉を自分が言ったことにしたい気持ちをグッとこらえて次の食材に行こう。いや、これはあげまんじゅうです!(自分の言葉にしたい気持ちを抑えきれなかった)
評価は5段階。これはご家庭でもお試しください。
砂糖味の枝豆
次に食べたのが枝豆である。居酒屋で枝豆を頼んだら味がしなかったり、塩をかけすぎてびっくりするでおなじみの枝豆である。
いい色している。
そこに砂糖が入れられる。鍋の中には、期待と不安、そして甘みがいりまじる。
ゆで上がった枝豆にダメ押しでさらに甘みが加わった。
できた。枝豆の砂糖和え。聞いたことのないメニューだ。
全員が「砂糖かけすぎだろう」の心の声が漏らしそうになる中、おそるおそる食べてみる。そして、食べて気づいた。
食べる。
「これ、ずんだ餅のあんこだ」
枝豆の風味と砂糖の甘さが合わさって、仙台名物のずんだ餅のあんこができた。かけすぎたかと思ったがここまでかけても、甘さ控えめで、おやつにぜひとおすすめできる味だ。不安が消し飛んだ瞬間だった。もしかしたら砂糖でまずくなることはないのではないか。勝利を確信していた。
お盆の時に親戚に出したいと思います。
メインイベントの刺身がやってきた
ここまでおいしい食べ物が続いてきた。そしてついに塩で食べたら通っぽい食べ物、刺身が登場である。
今日のメインイベントである。
あとで調べたら、塩を軽く振って10分ぐらい置くとおいしいマグロになるらしいが、そういうことはしないで砂糖だけふって食べる。
どんな味が想像できないだろう。食べている様子をごらん頂きたいと思う。
「うわー」
「うわ。だめだ。」
塩味は素材の味をそのまま感じられると言うが、砂糖をかけるとおいしさがそこにはなく生臭さだけある。全員が「うわー」と声をあげ、見るからにやる気が失われていく。食べ比べしているとき、おなじみの光景である。ただ、1人をのぞいては。
「食べられますよ」
食べられるのだ。けっしておいしいわけではないのだが、自ら進んで食べられる。こういう食べ方もあるかもしれないと思っていたが、2人から「こんな食べ方は絶対にない。食通に出したらきっとまずさに黙ると思います」と言われた。自分の舌が不安です。
つまは親の仇かと思うぐらいまずかった。
つまを食べた直後の悶絶している様子です。
魚はおいしくないのではないかと思い、その後、焼いたさんまを砂糖で食べてみたが、生臭さはなく、脂の甘さをより感じられておいしく食べられた。
ちなみに今年の初さんまは砂糖をかけたさんまになりました。評価は星3つ。
砂糖で食べるべきはゆで卵でした
一番おいしかったのはなんだと言われたら、自信を持ってゆで卵だと言える。食通たちの連絡網があるなら順番に連絡していってほしい。
この日、人よりゆで卵の殻をむくのが遅いこと、そして、そのことを指摘されると恥ずかしいことを知った。
隣で盛り付けようにスライスしている中、
自分でむいたゆで卵をその場で食べる。
自分でむいたゆで卵に砂糖をかけて食べて見る。むいた瞬間に飾り付けにそのまま食べたらワイルドになるかと思ったら、食いしん坊がやってきただけだった。
そして、1口食べてみる。これが予想をこえるおいしさだった。
塩、マヨネーズの2択しかないところに、砂糖がやってきた。
砂糖と卵はプリンやカスタードクリームの原材料である。そう考えるとこのおいしさでも納得ができるが、ちょっと想像以上においしくて困惑している。今、ゆで卵を持っている人がいたらぜひやってみてほしい。
あまりのおいしさに残ったゆで卵の取り合いになった。
負けた。
あまりの悔しさに次の日、砂糖をかけたゆで卵を2個食べた。
星5つの最高評価。ゆで卵の歴史が動いたと言ってもいいだろう。
能登さんは「甘い卵焼きみたいでおいしいです」と言っていたので、実家の甘い卵焼きを食べたいけど作るのが面倒くさい人がいたら試してほしい。明日はホームランだから。
10品近くやって評価としてこんな感じ。ステーキに砂糖はすき焼きみたいな味になった。
好きなように食べたらいい
砂糖をかけていろいろと食べてみたが、まずくなるものはほとんどなくおいしくなるものばかりだった。もし、食通に会ったらこう言ってやるんだ「自分が好きなものをかけたらなんだっておいしいよ」ってね。
記事とは関係ないが引っ越し祝いでハンモックをもらった。快適!