特集 2018年8月2日

「戦国時代、天下を取るのは誰だ?」を競馬新聞風に予想した ~ついでに流行語大賞も予想~

競馬新聞は実に完成されたフォーマットだ
競馬新聞は実に完成されたフォーマットだ
僕は小学生のころからの競馬ファンである。中学のとき視力が悪いのに騎手をめざし、視力回復トレーニングを100時間以上行うも回復せず、門前払いになったこともある。

そんな競馬のおともと言えば「競馬新聞」。そこで各馬のデータがたちどころにわかるのが「馬柱」。競馬新聞でいちばんスペースを取るあの表だ。

デザイン性も良く、パッと見て色々馬たちの情報がわかる、完成されたフォーマットである。

そんな「馬柱」を、競馬だけのものにして良いのか? ほかのアレやコレも馬柱にしたら、より予想しやすくなるのではないか。やってみた。
ライター、番組リサーチャー。過去に秘密のケンミンSHOWを7年担当し、ローカルネタにそこそこくわしい。「幻の○○」など、夢の跡を調べて歩くことがライフワークのひとつ。ほか卓球、カップラーメン、競馬が好き。(動画インタビュー

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> 個人サイト 文化放想ホームランライター

3つの気になるものを予想する

1.戦国時代、天下を取るのはだれ?
2.流行語大賞はどの言葉?
3.みんなが思うカッコいい国名はなに?

この3つにおいて、競馬新聞さながらの予想紙面をつくって予想する。なお最後には参加型の「カッコいい国名投票」も用意した。

専門用語もできるだけくだいて説明するので、大船(タイタニック)に乗ったつもりでついてきてほしい。

競馬新聞の「馬柱」の見かた

馬柱のカンタンな見かた
馬柱のカンタンな見かた
競馬ビギナーは「馬柱って?」という人もいると思うので上の図で説明する。

ひとまず「オッズが低い馬が人気」「矢印が前にある馬ほど先行する」「◎が本命、○が対抗」あたりを覚えておけばOKだ。

戦国時代を競馬新聞風にする

まずは幾多の大名たちが群雄割拠した戦国~安土桃山時代で、競馬新聞を作る。

同じ時代に集った猛者たちが「本能寺で暗殺」などの要素を抜きにして一堂に会すると、果たしてどんな感じになるのか? を勝手に予想した。これだ。
ダービーDPZニュース創刊号(450円)。戦国時代の猛者たちがついにゲートイン。ちなみに大名たちの年齢は割と適当である
ダービーDPZニュース創刊号(450円)。戦国時代の猛者たちがついにゲートイン。ちなみに大名たちの年齢は割と適当である
競馬の神様・大川慶次郎にローリングソバットをかまされる勢いで作った。さあ読んでいこう。

ノブナガは「先行」、イエヤスは「じっくり後ろから」

競馬場を一周グルッとまわるコース
競馬場を一周グルッとまわるコース
こちらが展開予想である。

まず室町幕府という地盤を持つ⑫アシカガヨシアキが先頭に立ち、そのつぎを今川義元を破って台頭した①ノブナガが追走。

さらにそのうしろから④ヒデヨシが追いかけ、そのあと最後に⑩イエヤスが急襲……という、さながら戦国~安土桃山時代をそのまま競馬で表すようなレース展開になった。

憧れのあの人が予想に参加してくれた

そしてここで、戦国マニア垂涎のあの人が予想に参加してくれた。戦国一の策士と言われた黒田官兵衛である。
彼の◎はやはりというか、上司への忖度なのか、④トヨトミヒデヨシ。彼の脚で①ノブナガを交わし、⑩イエヤスの追撃をおさえることができるという。
彼の◎はやはりというか、上司への忖度なのか、④トヨトミヒデヨシ。彼の脚で①ノブナガを交わし、⑩イエヤスの追撃をおさえることができるという。
さらに○は⑨ウエスギケンシン、▲に⑩イエヤス、⑦モウリテルモトを指名した。

そして競馬新聞ではおなじみの厩舎リポート。④ヒデヨシや⑤(石田)ミツナリら有力馬の様子を関係者に聞いている。

ちなみに矢印の向きは調子の上下を表す。「→」は横ばい、「↓」は下降気味というわけだ。

トラックマンが「天下取り」の予想を行う

トラックマン(筆者)は信長を本命に据えた
トラックマン(筆者)は信長を本命に据えた
なお筆者である不肖・辰井がトラックマンとしてガチ予想を行う。ちなみにトラックマンとは、競馬場の競争路(トラック)を観察して競馬を予想する人のことだ。

◎はオダノブナガ。名馬イマガワを倒したあと、革新的な戦略で他を圧倒し続けてきた彼で決まりだ。

○はトクガワイエヤス。ホトトギスが鳴くまで待ったあとに直線でゴボウ抜きする脚はすべてをひっくり返す勢いだろう。

とうとう買い目の発表

いよいよ買い目(馬券の買い方)の発表だ。①オダノブナガの単勝を7000円。⑫トクガワイエヤスの2点買いである。
これが奔放初公開、二子玉川DPZ競馬場の馬券だ
これが奔放初公開、二子玉川DPZ競馬場の馬券だ
ちなみにホントの競馬場を持っていくと、こんな感じになる。
「ヌヌッニセ馬券か」と警官に御用とならないかちょっと不安
「ヌヌッニセ馬券か」と警官に御用とならないかちょっと不安
マイ馬券を競馬場のパドックで取り出すと、より「戦国大名天下取りダービー」に参加している感が味わえた。

「流行語大賞」を競馬新聞風に

夏が終わって秋が深まると、「もうそんな時期?」とばかりに伝えられるのが、流行語大賞ノミネートのニュースである。

その流行語大賞を競馬新聞風に予想してみたらどうなるだろうか。いま出揃っている言葉で馬柱を作ってみた。これだ。
こうしてみると、すでに今年もいろいろあったなぁ
こうしてみると、すでに今年もいろいろあったなぁ
1枠1番のソダネー。すでに懐かしさを感じる言葉だが、まだまだ強いはずだ。

そのほか③ヒョッコリハンなるお笑い由来の言葉が今年もゲート・インする中、④アクシツタックル、⑦キシュウノドンファンなどののっぴきならない言葉もスタンバイである。
なお、こちらも競馬新聞全体を作った。
「ダービーDPZニュース」第2号(450円)。買ってくれ
「ダービーDPZニュース」第2号(450円)。買ってくれ

「ソダネー」ら1月・2月に出てきた言葉が激しい先行争い

流行語大賞争いを可視化するとこんな感じかも知れん
流行語大賞争いを可視化するとこんな感じかも知れん
まずは1~2月から流行った①ソダネー、③ヒョッコリハン、⑥オクリビトら4頭が前へ行き、ハイペースとなる。

しかし、5~6月にブレイクした⑤オオサコハンパナイッテ、⑨ヘイセイサイゴノがそのあとを追いかけてくる。さらに⑫コレカラデルコトバという恐ろしいラストスパートを持った存在も不気味だ。

あの杉田玄白がトラックマンに

杉田玄白の熱視線
杉田玄白の熱視線
言葉つながりということで、解体新書の翻訳本を出した杉田玄白氏もトラックマンとして予想に参加してくれた。

彼によると◎は⑤オオサコハンパナイッテ。○は⑫コレカラデルコトバ。▲は②ブイチューバーという、意外にも手堅い予想を披露している。

なお厩舎リポートでは、「そだねー」で知られる吉田知那美氏が登場だ(ちなみに「そだねー」とは彼女しか言っていない説がある)。

いよいよトラックマン(僕)の予想と買い目の発表

僭越ながら筆者の予想である
僭越ながら筆者の予想である
馬番連勝ならぬ、語連連勝馬券も購入
馬番連勝ならぬ、語連連勝馬券も購入
汎用性があり、いまも良く各所で語られる⑨ヘイセイサイゴノが本命。さらに⑤オオサコハンパナイッテの爆発力はおそらく今年最高であろう。こちらも外せない。

さらには⑫コレカラデルコトバ。または⑪ハタラキカタカイカクは、審査員の傾向としてこういう系のワードが好きそうということで選んだ。
ちなみに実際の競馬場でマイ競馬新聞を広げると、こんな感じ
ちなみに実際の競馬場でマイ競馬新聞を広げると、こんな感じ
マイ競馬新聞を印刷して競馬場で広げると、目の前でホントにレースがはじまりそうで良い。

ラストは「カッコいい国名」

いよいよ今日の最終レース。「カッコいい国名ダービー」である。「なんかカッコいい国名っていっぱいあるなぁ」と感じる気持ちがおさえられず、つい取り上げてしまった。馬柱はこれだ。
世界にはこんなに「カッコいい国名」がある
世界にはこんなに「カッコいい国名」がある
やたらマイナーな国が多い。しかし字面を見るだけで気持ちよく、「発音してみたい」と思わせる国名ばかりである。

我々が住む「ジャパン(ニッポン)」もなかなかカッコいい気はするのだが、別の要素が入ってしまうので、ここでは除外した。
ダービーDPZニュース(450円)、第3号にして最終号である。廃刊!
ダービーDPZニュース(450円)、第3号にして最終号である。廃刊!

ハイペースは必至だ

今回も展開予想からスタート。
⑪エルサルバドルがまず飛び出す
⑪エルサルバドルがまず飛び出す
国年齢が高い順番に先行し、まず⑪エルサルバドルが大きくリードを取って先頭を走る展開に。離れた2番手に、同じく国年齢の高い②リヒテンシュタイン。さらに離れて3番手グループが形成。

そして第3~4コーナーから直線にかけて、①セントルシア、⑨セントクリストファー・ネイビスらが一気に追い上げてくるという展開が予想される。

世界のトランプ大統領が予想に参加

トランプ大統領がコメントをくれた
トランプ大統領がコメントをくれた
なんとあの世界のトランプ大統領が予想をしてくれた。◎は⑨セントクリストファー・ネイビス。○は⑥トリニダード・トバゴ。彼らしく、長くて勇ましい国名を支持した格好だ。

厩舎レポートでは各国の首脳たちが貴重なメッセージを寄せてくれている。リヒテンシュタインの調子は横ばい、エルサルバドルはほぼ完調というところのようだ。

トラックマン(筆者)の予想

◎は①セントルシア
◎は①セントルシア
セントルシアにドーンと5000円を投入
セントルシアにドーンと5000円を投入
◎は①「セントルシア」。長い国名が多い中で6文字と短くて、それで居て発音すると気持ちよく、言った後の達成感もあるのが魅力だ。

○は「セントクリストファー・ネイビス」。5ちゃんねるなどでも人気が高いため一番人気に設定したが、長い割に言いやすいところもみんなに選ばれやすいのではと予想した。

ぜひ投票に参加してください

投票してほしい
投票してほしい
この最終レースのみ、アンケートで結果を出してみようと思う。ぜひ皆さんは、ご自身が思う「カッコいい国名」に投票してほしい。

>投票はこちらから<

果たして予想は当たるのか、ハズれるのか。どうかこのために20秒時間をムダにしてほしい、頼む。2万5364回目の一生のお願いだ。
船橋競馬場のビール(500円)とカレーうどん(450円)で、投票していただいた方と乾杯したい
船橋競馬場のビール(500円)とカレーうどん(450円)で、投票していただいた方と乾杯したい
いろいろ競馬新聞風にしてみた結果……予想するのがちょっと楽しくなった。人が競馬新聞を買うのは、この楽しさを買っているのかも知れない。
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