特集 2018年5月18日

テレビをあまり見ない人へ、今テレビはこうなっている! ~ヒロエトオルのテレビ報告~

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デイリーポータルZの動画コーナー、プープーテレビで連載されている「ヒロエトオルのテレビ報告」をご存知でしょうか。テレビをよく見るヒロエさんが、最近気になった番組を紹介してくれるという内容になっています。

テレビを見る機会が減っていると言われている現代人に、「自分が見ていない番組でもヒロエさんが見てくれているから大丈夫だろう」という、浄土信仰にも似たような安心感を与えてくれるのが魅力です。

そんなテレビ報告がいつのまにか100回を超えていました! ここで名場面を振り返ってみたいと思います。
1986年埼玉生まれ、埼玉育ち。大学ではコミュニケーション論を学ぶ。しかし社会に出るためのコミュニケーション力は養えず悲しむ。インドに行ったことがある。NHKのドラマに出たことがある(エキストラで)。

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テレビ番組は今こうなってる

テレビ番組ってぼーっと見ていると毎日毎週同じようなことをやってると思われがちだが、はっきり意識を持ってみると新しい表現が生まれたりしています。

本当にいろいろ試行錯誤やアップデートをしていて、そういうところに目を向けると面白いとヒロエさんは言います。
「世界の果てまでイッテQ」で顔芸の最先端が更新された!
まずは「世界の果てまでイッテQ!」の大食い大会の場面に現れた最先端の顔芸から。この番組で今変なことが起こっているんだそう。
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世界の大食い大会に挑戦するシリーズでのこと。
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宮川大輔さんが食べすぎて吐くのが恒例のことになっていたそうです。日曜のゴールデンタイムなのに。
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それを視聴者は「よっ待ってました」というように楽しんでいるのです。
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明日から仕事で憂鬱な人が、食べすぎて吐くほど苦しんでいる人を見て元気になってるわけです。よく考えたらどういう精神構造なのでしょう。
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「日本人大丈夫か?」と心配になってきます。冷静に考えるとたいへんな状況です。
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でも確かに吐く寸前の「無の表情」がむちゃくちゃおもしろい。「無の表情」こそリアクション芸の新風だったのです。
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いろいろなリアクション芸を経過して、無の表情にたどり着いたのです。そういえば、ふだんの生活の中でも「無」だな~と思う瞬間はありますよね。
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例えばラップでご飯包んでるときや、ウォシュレットでおしりの位置を調整しているとき。「無の表情」ですよね。あれ、笑いの最先端だったんです。顔芸の最先端は「無」ということを踏まえて番組を見てみてください。


これ、最先端といっても2016年の状況なのですが、今も「世界の果てまでイッテQ!」にはまた新しい波が来てるはずです。

そういえば『火垂るの墓』の冒頭で主人公の清太の霊が死んだ自分を見つめるときの表情も「無」でした。あれか~。

ピーキーな特番を見逃すな

イッテQのように毎週やってる番組の進化もいいですが、やはり見逃せないのが特番や不定期にやっている番組です。気合が入ってる番組もあれば、アイデア先行の尖った番組もあって、視聴者は自分が何を見させられているのか自分で考えないと行けないことが多いようです。

ヒロエさんの報告を見ていると、特番はけっこうピーキーなことやってるなと思わされます。
池の水のあとは一軒家だ「ポツンと一軒家」
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山の中にぽつんとある家に住んでる住人はどういう生活をしているのかを追う番組「ポツンと一軒家」が不定期に放送されています。
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昔は番組でネッシーやビッグフットを探していましたが、今は「イッケンヤ」を探しているんです。
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番組では村の人に聞き込みをしたり、道にタイヤの跡がある!などというふうに情報を集めて「こっちであっている」という確信を高めていきます。
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その様子がRPGっぽくもあり、ちょっとバカっぽくもあり最高なんですよね。
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たどり着いた先の一軒家では、奥さんがわらのかごを編んでる横で、お父さんが大爆音でクラシック音楽聴いていたり、たいていアナーキーなことになっていたりします。

しかし本当にヤバいのは人じゃなくて…
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犬なんです。

しかも山で放し飼いにしてるから、ほぼ
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野犬なんです。
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飼い主に全然なついてないし、外見も漫画『銀牙』そのもので筋肉がモリッモリ。目もめちゃくちゃギラついててショーケンみたいな目になっています。
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ポツンと建っている一軒家を探したら、ネッシーもビッグフットもいなかったがシンプル野犬がいたという話です。

ふだんマッチョな野犬を見たいなあと思うことはない(でも聞くと見てみたい)ですから、ピーキーな企画で我々の欲望の一歩先をいくのが特番の良さといえます。

リアルなおじさんの姿を見よ

ヒロエさんは毎回いろいろな番組を紹介してくれていますが、もちろん彼も人間なのでテレビを見る時間も限られています。つまり番組のチョイスに偏りがあるということです。

ヒロエさんの報告を全部振り返ってみると、ヒロエさんはおじさんがヒューマニティを出してきた光景に弱いのではないかと気づきます。というか2,3割はおじさんの報告でした。

たとえばこれ。
サラリーマンがメシを食う『サラメシ』がほぼ環境映像!
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サラリーマンのグルメ番組といえば「サラメシ」と「孤独のグルメ」がありますが、ヒロエさんは「サラメシ」をおすすめしたいそうです。
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この番組は働いている大人が昼間どんなご飯を食べているのか日本全国に行って見せてもらうという、ヨネスケに機動力を足したような内容になっています。
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この番組に何がいいかというと、取材対象の人の職業がむちゃくちゃ変わっていること。
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出荷するりんごを入れるための木箱を作る人とか出てくるんです。
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「一体それはなんなんだ」と疑問が浮かんだまま、脳みそがまだついていけないところでその人の昼ごはんが紹介されます。
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歴史の授業でナウマンゾウを覚えるのも大変な人に、北条氏の執権政治を教えるようなものです。脳が処理できない情報量の多さ!
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で、その人がどんなものを食べるのかなと思ったらカップ麺。しかもトップバリュでした。
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地味です。知らないおじさんが黙々とトップバリュのカップ麺を食べる様子が放送されているんです。
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ほぼ環境映像と言ってもいいでしょう。でも、それがまたおいしそうで…侮れないんです。

りんごの木箱を作ってる人がカップ麺を食べてるのが美味しそうに見えるのは、ヒロエさんがおじさんのリアリティに弱いからじゃないでしょうか。

テレビ界の一望監視塔

テレビの新潮流、特番のピーキーさ、おじさんのリアリティという3つのテーマを絞って動画を紹介しました。

ほかにもよく似た番組の比較や、人気ドラマの見どころなどが幅広く取り上げられているのでチェックしてください。あ、ほんとうにテレビたくさん見てるんだなと思うことうけあいです。

テレビの最新状況にはついていけないという人こそ、テレビ界の一望監視塔ことヒロエさんのテレビ報告を見るのがおすすめ! ヒロエトオルのテレビ報告ツイッター
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