なぜ芋がかゆいのか
こちらが用意した「すげえかゆい芋」こと長芋である。ご存知のとおり普通にスーパーで売られている。個人的にすりおろすのは久しぶりだ。
大和いも
なぜ長芋をすりおろすと皮膚が痒くなるのだろうか?
インターネットで調べたところ、芋に含まれているシュウ酸カルシウムの結晶がトゲのような形をしていて、すりおろすときにそれが皮膚に刺さっって痒くなるのだそうだ。
……想像しただけで痒くなってくる。優しさを武器にする男もいれば、かゆみを武器にする長芋もいるのだ。
それではすりおろしていこう。
もしものときのために酢水をかたわらに用意しておく
皮を剥く まだかゆみを感じない
長芋をすりおろす前に、まずは皮を剥く。ふだんはできるだけ手数を減らして手早くやるところだが、今日はいもの痒さを知らない人のように無意味に触りながらやっていく。
皮を剥いては、たまに
無駄に触る
まだかゆさは感じない
一通り皮を剥いてみたところ、まだ手が痒くなることはない。あっという間に痒くなる印象があったのだが(なにせシュウ酸カルシウムの結晶が皮膚にささるのだ)、意外である。
すりおろす まだかゆみがない?
しばらく待ってもかゆみがでないので引き続いてすりおろす工程に移る。
てきぱきとすりおろす
ちょっと皮の剥き具合があまかったかもしれない
今日はかゆみを感じたいのでむやみやたらに接触していく。ふつうにやったら長芋のかゆみ成分に触れずに終えることも可能だろう。だが今日は違うのだ。
無駄に指でつまんで器に移してみた
ところが、である。一向にかゆくなる様子がない。体調の違いによって痒くなるときとそうじゃないときがあるのだろうか。
「シュウ酸カルシウムのトゲによるかゆみ」という仕組みの答え合わせをしたかったのだが…。
来た!
諦めきれずしばらくとろろに醤油を入れて混ぜて(手で)みたり、カメラの位置を変えたりして待つことに。
ぜんぜんかゆくなって来ないのでどうしたものかと思っていたら、それは突然やってきた。
来た!
指の付け根の関節を無意識にポリポリと掻いていたことに気がついた後、あっというまに手の甲が全体的にかゆくなってきた。
来た! カミソリ負けをしたような、熱く乾いたかゆみだ。
カメラを触るために一度手を水でざっと洗ったために、手の甲にかゆみ成分が移ったのだろう。虫刺されのような腫れる感じではなく、皮膚を刺激するような浅いかゆみが広がる。
いまだ!
中華丼を!
かゆいのとうまいの、どっちが強いか
さて、冒頭で示したとおりこの長芋のものごいかゆみと中華丼のうまさ、どうじに体験するとどちらが勝つのだろうか。チャレンジしてみたい。
うまい
かゆい
中華丼のうまさを感じている間はかゆみを忘れることができた。言い換えるとかゆみをおさめるためにうまさは有効だったと言えよう。
食べるのをやめるとかゆみがすぐ戻ってきてしまうので、急いでまた食べないとならない。
いわゆる
かゆい
うま
の状況である。
どっちの勝ちとは言えない。負けたのはぼくだけだ。
ということで半分くらい食べたところで一旦酢水で手を洗った
けっきょくかゆみがひくまでに30分くらいかかり、そのあとかゆみの記憶が肌に残っていて「あれ、かゆ…くないか」と思うことが1日続いた。
特別すげえものを記事にする「すげえウイーク」だが、いやいやすげえは身の回りに潜んでいるんだ、ということを示すことができただろうか。すげえかゆかった。
長芋。それは非常にエキサイティングな食べ物だった。