大まかにプランを立てる
この記事は1月に撮影しました
限りある時間の中で行動するのに必要な物は何か? 計画である。ツイッターで広く意見を募ってみた。それを大阪の地図と照らし合わせて十分に吟味。次のようなゆるやかな計画を立てることができた。
なんば駅(スタート)→戎橋→グリコの看板→黒門市場→スパワールド(健康ランド)→新世界で串カツ→スマートボール→寺田町
この順番でとにかくいけるところまで行ってみよう、という感じである。出張の日ががぜん楽しみになってきた。
御堂筋線なんば駅からスタート
ただいま9時24分。スタートはなんば駅の地下道出入り口から。12時には観光をやめて次の場所へ向かわなくてはいけない。
まずは戎橋にむかって「グリコの看板」を見よう。そう思ったのだが……。
こんな朝早くから立ち食いのラーメン屋が開店している。食べているおっちゃんの後ろ姿がなんともうらやましい。豚骨の匂いがプンプン漂っている。もうほとんど路上っていう立地もすごい。
豚骨の匂いとは裏腹にそんなにしつこくない。なんとなく物足りなくて、テーブルの上にあるニラキムチを入れたら、味に一気にパンチが出てきた。盛り上がってきました、大阪観光!
ラーメンはスルスルッと食べきってしまった。うまかった! 急いでグリコの看板を見に行こう。
グリコ、かに道楽、づぼらや、一気に見られてハッピー
グリコの看板はすぐに発見。みんな思い思いに写真を撮っている。僕も写真だけ撮れれば満足である。このまま歩いて黒門市場まで向おう。
すぐ近くにはかに道楽の看板もあった。営業時間外で動いていなかったのはちょっと残念だけど、とりあえず観ることができてうれしい。
そのさらに先にはふぐの店「づぼらや」の看板も。大阪らしい看板を短時間に立て続けに見ることができてホクホクである。
黒門市場に着いたぞ
さらに東に歩くこと10分。商店街のようなところ来た。ここが黒門市場だろうか(黒門市場でした)。
商店街の中に、これでもか! とばかりに大トロを置いてある店があって気になってしょうがない。ものすごいうまそう。
近寄ってみる。これヤバくないですかね? でも3カンで2,000円オーバーか……。うまそうだけれどもちょっとなあ……。ついさっき(正確には19分前)ラーメン食べたばっかりだし。
寿司はやめてさらに商店街の中を進む。やっぱりここが黒門市場のようだ。「黒門市場」と書かれたでかい提灯が飾ってある。確信を得ることができた。
進むにつれ人がどんどん多くなってくる。平日の10時前なのにすごいな……。
それで、だ。ここで僕の足はピタリと止まってしまった。さっきのお店の店先で見た寿司がどうしても気になる。あんなの、旅行じゃないと食べないだろう。今は旅行中である。だったら食べるべきなんじゃないのか。
クルッと踵を返して……。
「まぐろカマトロにぎり」をレジに持ってゆく。レジは並んでいて、みんな僕と同じようにそれぞれ寿司や刺身を手に持っている。会話のようすからほとんどの人が外国人観光客のようだ。ちなみに僕も外国人と思われたのか、レジでは英語で話しかけられた。
今までの人生でいちばんうまい寿司だ、これ
店の中にはかんたんなイートインスペースがある。それにしても寿司ネタ以外の部分はすべてが簡素な作りだ。プラスチックのお皿に、紙コップ。なんでかわからないけれども、それが逆にうまそうな感じを高めている。
まじまじと見つめてしまった。大トロの異様な存在感……。
食べてみたが、これがものすごくうまい。脂っぽそうにみえるかもしれないが、ぜんぜんしつこくない。マグロの脂で口の中がツルツルと滑る。今まで食べた寿司の中でこれが間違いなくナンバーワンである。
ネタはすごいのに、シャリはしょぼい。明らかに機械で四角くしただけのやつである。ここまでくるとシャリが大トロのための単なる調味料の一つって感じだ。米がこんな扱いされているの初めて見たよ。
5分で大トロ3つ食べてしまった。エビやカニやウニなど、周りを見渡すと他にもいろいろな物が売られている。みんな思い思いにレジに持っていってイートインスペースで食べていた。
いろいろと後ろ髪を引かれる思いはあるのだが、まだここは黒門市場の入口である。もっと全体像を把握したい。店を出た。
黒門市場を進むと、いろいろと食べ歩きができそうな物がたくさん売られている。ところが、こちらとしてはさっき食べた大トロがまだ頭の中にあって、どうしてもそれと比べてしまうのだ。
僕の中で「黒門市場は大トロを食べるところ」という(たぶん間違った)公式が導き出されてしまった(いや間違ってないかも)。
さて次は「スパワールド」に向かおう。黒門市場を戻って日本橋駅に行く。堺筋線に乗って動物園前駅で下車だ。
あっモータープールじゃん!
動物園前駅の出入口には「モータープール」があった。なぜか大阪では駐車場のことをモータープールと呼ぶ。これも観光の一つだろう。写真を一応撮る。
激安の自販機。こういうのも大阪っぽい。いや、動物園前駅っぽい(下町です)というべきか……。
「いつ買うのん? 今でしょ!! HOT」と林先生が言っているけれども、あの人こんなこと言わないと思う。路上でヘンな物を見かけるといちいち写真を撮ってしまうのが悲しい。おもしろネタ貧乏性である。
「世界の大温泉」スパワールドを26分で出ちゃった
スパワードに到着。この写真ではわかりづらいが、かなり大きな建物だ。8階建てのビルがまるまるすべて健康ランドになっている。
多種のお風呂、プール、各種リラクゼーションサービス、宴会場がすべてこの場所に入っているのだ。駅からも近い。それなのに入場料は1,200円と安い。こんなところに気軽に行ける大阪の人がうらやましい。
スパワールド、どう見ても、まるまる一日遊ぶべき施設である。お風呂に入ったら気持ちよくなってしまって、ここで企画が終了になってしまんじゃないだろうか。いや、それはそれでしょうがないんだけども……。
ゴクリ、と緊張しながらスパワールドの入口をくぐる。
で、26分後に出てきた。きっちり入浴してきた。自撮りのこの表情を見てほしい。リラックスしきっているだろう。
短時間にいろいろなお風呂に入りまくると、リラックスが加速されるのだ。これは発見である。お酒をちゃんぽんすると、酔いが進むのと感覚的には似ていると思う。
スパワールドの出口から新世界方面を向くと通天閣が見える。こういう塔は「見た!」というだけで観光気分になるのでよい。さて、残りは29分、ラストスパートだ。
新世界の人気店「串かつだるま」でビール
スパワールドから北に歩くともうそこは新世界(そういう地名)である。その中の人気串カツ店「串かつだるま」。ここで昼食にしようじゃないか。すでにラーメンと寿司を食べているが、お風呂に入った後って何か食べたくなってきている。
昼ビール。多種のお風呂に短時間で入ったほてりが、だんだんと収まってゆく。うめえ。
注文した串カツは牛肉と紅ショウガとホタテ。大阪の串カツってなんでこんなにうまいんだろう。日本全国どこででも作れそうな料理なのに……。謎だ。
もっといろいろ食べたいのだが、もう本当に時間が少なくなっているので(繰り返すようだが12時には観光を終わりにしたい)ビールを流し込んでお会計。スマートボールの店に向かうぞ!
スマートボールってなんだったんだろう、あと人生も
「串かつだるま」からスマートボールのお店「ニュースター」は徒歩で10秒くらいのところにある。一瞬入るのをとまどってしまうくらいのレトロな佇まいだ。
中もすごい。なんというか、僕が生まれる10年くらい前のレトロ感なんじゃないだろうか。レトロなのにぜんぜん懐かしくない。
これがスマートボールの台。周りを見てみると一つ一つ台が違う。右にあるコイン投入口にお金を入れると……
ジャラっとガラス玉が出てくる。これを弾いて穴に入れると、またジャラっとガラス玉を獲得できる。ガラス玉は景品と交換可能。
となりに座ったおじさんが馴れた手つきで大量のガラス玉をゲットしていたのはすごかった。僕はぜんぜんコツがつかめない……。
コツがまったくつかめないまま、すべての玉がなくなった。これで終わりだ。スマートボールだけじゃなくて、きっと人生もそうなんだろうな。みんなこうやって死んでいくにちがいない。なんかそんなことをふと思ってしまった。
そして12時を過ぎたので大阪観光も終了である。
観光としてはなかなか楽しめた。当初計画していた中で回れなかったのは「寺田町」だけだ。勧めてくれた方の話によると、寺田町は特に観光っぽものは何もないが、下町の風景がステキなところだという。
ひょっとしたら、そんなに楽しいところではないのかもしれない。でも行けないと気になる。どんなところなんだろう……。次また出張があったら今度は寺田町からスタートさせたい。
午前中だけなら黒門市場だけで十分だ
がんばれば午前中だけで意外と回れる。なかなか充実感があった。ちなみに普通のペースの観光だったら「黒門市場」だけでちょうど良いと思う。
あっ! そういえばタコ焼きを食べていなかった……。手痛い失敗……。でもまあ、いいか。
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