あくまで顔の形のレビューです
多くの男性と同様、ぼくは美容マスクをしたことがない。なので、どのブランドが人気なのか、とか全く分からない。妻に美容マスク界の動向をたずねたのだが、詳しくないという。
「形の違いを知りたいんだけど」
「それはもっと知らない」
「ですよね」
しょうがないので、Amazonで「美容マスク」と検索して最初のページに出てきたものを順番に注文した。計11種類。
これがその11種類。どさっと届いた。
何個入りかが商品によってまちまちで、一枚あたりの値段もけっこう違う。高いものはけっこう高い。
妻に、あなたはどれを買っているのか、ときいたところ「枚数が多いやつ」とのこと。「1日やっただけじゃたぶんだめで、何日か続けないといけないと思うから。だから高価なのを1枚だけじゃなくて、安くても連続して使えるやつがいい。あとは日焼けしちゃったときは気合い入れたやつでいくかな」なるほど勉強になります。
それにしては思いついた時にしかやっておられないようにお見受けしますが。
いずれにせよ、ぼくは美容の効果にはまったく興味がないので、なるべく安いのを選んだ。あとは、形のバリエーションが欲しいので、ブランドの重複を避けた。
こういう選び方なので、美容マスク玄人から見ると「なんで○○がないんだ」といった苦言もあろうかと思うがかんべんしてほしい。だって形しか見ないし。
こういうおじさんいる
さて、ひとつずつ形を見ていこう。最初はカタツムリの絵が気に入ったこれだ。
カタツムリのエッセンスを肌に塗る、ということを最初に考えた人はすごいと思う。なぜ誰も止めなかったのか。
美容に全く疎いぼくでも、この分野における韓国ブランドの躍進はなんとなく知っている。カタツムリという飛び道具はすごいと思う。
どきどきしながら封を切った。さて、どんな形か。
色の付いた塩ビの板を買ってきて、その上で広げる。ピンクなのは、なんとなく肌の色に近い方がいいかな、と思って。
すごいカタツムリっぷりだ。ぬるぬるしちゃって広げにくい。これ、顔に上手にはるのたいへんだろうな、と思った。
福々しい。
ようやく広げられた。上がその形。ほほう。これは興味深い。
眼の部分がくりぬかれていないのが面白い。眼のまわりは特に美容したいエリアとのことなので、自分の目の形に合わせてぎりぎりまで覆いたいのだろう。2枚重ねになることによる効果アップも謳われているようだ。
いずれにせよ、ピンクの色が失敗だったかもしれない。写真だと顔立ちがよく分からない。いや、これ黒でも何色でも同じかな。
あと気泡を抜くのがものすごくめんどくさいので途中で諦めた。
ということで、以下トレースすることにする。
こういうおじさんいる。
こうして見ると、眼がくりぬかれていないので、メガネを掛けている人に見える。「やあ」って言ってそう。こういうおじさん、いる。悪い人ではなさそうだ。個性派俳優とかっぽくもある。いい人役も悪役もこなせるタイプ。
パッケージ裏にマスクのイラストがあったが、だいぶ表情が違う。
パッケージの裏に描かれた顔立ちとはずいぶん違っていて、ぼくは「いいのかこれで」って思ったが、いいんだろうな。べつに形そんなに問題じゃないし。そこ気にしてるのぼくぐらいだろうし。
取り出すのけっこうむずかしいのね
こんな感じで、広げては写真に撮っていく、というのを繰り返していきます。
それにしても使わないまま捨てるのもしのびない。かといって塩ビに貼り付けたやつを妻の顔に付けるのもなんかやだ。そもそも一気に11枚貼るわけにもいかないし。おもしろそうだけど。
そのまま捨てるのが忍びなく、ジップロックに投入。
とっておいてどうするんだ、とも思うが、とりあえずジップロックへ。
さて、次だ。
バラ売りがなかったので、やむなく45枚入りを買ったこちらのマスク。ずしりと重い。
ふと裏面を見るとやはり使い回しが戒められている。今回のこの撮影が使い回しに相当するのかどうかわからないけど。
そしてパッケージに描かれた形はこんな。さて、実物はどんなだろう。
いざあけてみたら、ぎっしりはいってて、とうぜんのことながらぬるぬるしてて、取り出すのに手間取った。
広げはじめたら、なんかおかしいな、って感じがして。
よく見たら2枚とりだしてた。
なんせ見えづらい。慣れた人ならすっと1枚だけ取り出せるのだろうか。妻に聞いてみたところ「2枚でちゃうのよくある」だそうだ。やっぱりそうか。
一度とりだしたら戻しちゃいけないらしいけど、どうするのか、とたずねたら「2枚顔に貼る」とのこと。「効果も2倍、のはず」と言っていたが、それはどうだろうか。
肝心の形は、こんな。おお、さっきのとかなり違うぞ。うれしい。びっくりしてる。
だいぶ表情が違う! 輪郭も丸い。さっきの方はかなり横方向にふくよかだったが、この人はまんまるだ。そして小さい。いわゆる小顔である(写真は全て同じスケールで撮って、画像の一辺の長さが揃えてある)。
正直に言うと、もしかしたら形みんな一緒なんじゃないかと危惧していた。各ブランドの会社情報見ると、ほとんどが自社で製造していない。つまりOEMだ。だとしたら、OEM元が同じ会社だったら、形がみんな同じってこともあり得る、と気を揉んでいたのだ。杞憂だった。こんなどうでもいい杞憂ははじめてだ。
トレースはこんな。びっくり顔というより、あきれている表情か。こんなことをやっているぼくへの感情が表れているのか。
美容マスクをしなきゃならなくなったらこれを選ぶ
ちゃんとものによって形が違うことに安堵し、わくわく感も高まった。次にいこう。
次も枚数が多いタイプ。ちゃんと取り出せるかしら。
さっきの袋タイプとは違って、なにやら箱のようなものに入っている。ティッシュのように取り出す形式だった。右は被さっていたパッケージ。ちなみに曲尺は写真のスケールを合わせるため。こういうところはちゃんとしているのだ。
パッケージを見ると、これもどうやら「メガネタイプ」のよう。
そしてこちらが広げたところ。お、なんか、いびつだぞ。
かなりハッピーな表情。
左右対称でないのに驚いた。ぼくの広げ方がへたなのかと思ってあれこれ試したが、どうやらこういうものらしい。
切れ込みの数も多く、表情豊か。「破顔一笑」という言葉が思い浮かぶ。気に入った。ぼくが美容マスクをしなきゃならなくなったらこれを選ぼう。
つぎはこちら。シンプルなパッケージ。
ブランドのマークかと思ったら、馬油が配合されているとのこと。
裏面もシンプルで、マスクの絵がない。入れて欲しい。
こちらもぴっちりどっさり入った、美容マスク素人にはハードルが高い収納形式。
今度はうまく取り出せた。この人も小顔だ。2番目の方にそっくり。
トレースしてみても、2番目の人とかなり似ている。あきれ顔タイプだ。切れ込みの位置も同じ。兄弟だな。兄弟してぼくにあきれてるんだな。
カメラがぬるぬるになってきました
とりだしては広げ、を繰り返してきたら、かなり手が潤ってきた。
次にいこう。
これはかなり手が潤いそう。背景前面にマスクの形がぼんやりと浮かび上がっているのがいい。宇宙人っぽい。
マスクの形状にこだわりが感じられる裏の表記。期待が高まる。
パッケージ側面にもマスク型が。いいぞ。
期待を胸にあけてみたら、なんと黄色い!
そしてすごいぬるぬる。袋の底に大量の美容液が残る。
とはいえ、そういうのはぼくにとってはどうでもいい。形だ。とにかく形を見るぞ。なんだけど、あまりにぬるぬるすぎて、形が見えない。
トレースしてようやく表情が読めた。これも幸せそうな顔。いい笑い顔だ。横方向にふくよか。この人もメガネを掛けている。放射状に広がる6つもの切れ込みが、表情を豊かにしている。
そして気がつけば、カメラがぬるぬるに。そこうるおっちゃだめ。
こういう顔、ぼく、よくされる
あわててカメラをぬぐって、6つ目。
パッケージを2箇所で切って、なにやら別パーツが。
「集中ケアシート」なる別パーツ。眼の下とほうれい線付近にこれを貼って、その上からマスクをかぶせるそう。
なんとこの別パーツ、溶けてなくなるそうだ。へー。
そしてさらにびっくりしたのは、マスクに台紙がついていたこと。広げやすい!
写真でも見やすい! 台紙素晴らしい!
問題の表情もなかなか個性的。2番目と4番目の「あきれ顔兄弟」をうわまわるあきれ顔。後一歩で「軽蔑顔」の域である。こういう顔、ぼく、よくされる。
まさか美容マスクにこういう表情をされるとは思わなかった。
次の7人目にもあきれられた。
濃いブルーのパッケージ。そのデザインは眠っている表情だし、
書かれているマスクも笑っているからだいじょうぶだと思ったら。
またあきれられた。
あきれ、というか、困ってる? なんかごめん。
大物。たぶん葉巻吸う
ついに困り顔をされたか、と思いながらあけた8つ目。これに救われた。
ネイチャーな感じの1枚パッケージ。
描かれている似顔絵もニュートラル。
「厚手シート」の名にふさわしい、どさっとした取り出し心地。重量感。さて、どんな顔か……
あら、すごい笑い顔!
いい。すごくいい。ヒゲをたくわえた大物、って感じがする。たぶん葉巻吸う。
フォー・メンならではか
マスクを困らせてばかりだったところへ、気のいい御大の笑顔に救われた。
ここでちょっと変わり種を。
次。なんと男性向け。そういうのあるんだ。
マスクの似顔絵はあてにならなそう。さて、男性向けはどんな顔つきなのか。
なんか……ちょっと怒ってる?
あ、これ2番目、4番目と同じタイプだ。3兄弟だったのか。このあきれ顔が美容マスクのスタンダードなんだな、たぶん。ぜんぜん変わり種じゃなかった。
10番目。こちらもフォー・メン。
ぼくもやったほうがいいのかしらね。
おっと、これはかなり個性的な顔!
びっくり顔タイプだ。かなり横にふくよか。眼と口の開き方が大胆なのが特徴。
目元口元のケアは男性にとってあまり重要ではないのか。それよりは貼るのが簡単なほうが重要なのか。あと、おでこ生え際や首方向をあまりカバーしていないのも、フォー・メンならではか。
モアイとダースベーダー
男性用ならではの眼と口のびっくりぐあい、および横方向へのふくよかさを堪能した(ほんとうにそういう理由なのかわかりませんが)。そして最後はその対極。
なんとアゴ下までカバーする「3D」を謳う物件だ。これは期待が高まる。
3D、いったいどんな表情だろうか。
通常イラストのパッケージ表示も、写真だ。
しかし、とりだしてみたら、ふつうに折りたたまれてて「あれ?」って思った。ところが……
横顔! あっ! 3Dってそういうことか!
モアイだ。
正面も見たくて、むりやり広げたら、こんなになった。
あきれ顔のダースベーダー?
立体裁断ということもあるまいし、美容マスクが3Dっていったいどういうことか、と思っていたらこういうことか。おもしろい。表情的にも味わい深い。
まとめがこちら。
結論:大きく「笑い顔」と「あきれ顔」の2タイプに分けられます
予想していた以上に表情豊かだった、美容マスク顔レビュー。世の中にはまだまだたくさんあるので、それらも見ていきたい。
ジップロックに大量の美容マスク。各種成分入り交じってます。どうしよう。風呂上がりにでもぬりたくるか。
【告知】4/22に東さんと写真論トークイベントやります
4/22に東浩紀さんとトークイベントやります。タイトルは「都市と道の写真論」。みなさんぜひ。ぼくもすごく楽しみです。
自画自賛ですが、東さんとのトークは毎回間違いなくおもしろいです。
・ 大山顕×東浩紀【ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMA #6】「都市と道の写真論」
・ 2018/04/22 (日) 19:00 - 21:30
・ 前売券: \3,000(1ドリンク付 )
・ 会場:ボルボスタジオ青山(東京都港区北青山3-3-11)
詳細・お申し込みは→
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