お馴染みのやつです
お弁当箱、冷やご飯、のり……と用意しやすいレベル1のものが続くなか、いきなりレーザーカッターというレベル89くらいのものが出てきてしまった。スライムの群れに混ざるキラーマシンといった趣きがある。
こちらがそのレーザーカッター
なんと部品だけで30万するらしい!(組立済のものは60万!)なんでこんなものがあるかというと、同僚の茗荷くんが持っているからだ。
茗荷くんは、Yahoo!インタラクティブアワードの賞金でこれを買ったらしい。あぶく銭の賞金でさらに設備投資をするという、清き精神の持ち主であるが、個人で使うにはオーバースペック過ぎやしないか。こんな凄いマシンでのりを切るのは忍びないが、ありがたい。
のり弁のもとになりそうな文書をネットで探す。ページまるごと黒塗りの文書では買ってきたでかいのりを貼るだけで終了してしまう。できればデザイン的にかっこいい方がいい。まず準備した文書がこちら。
2016年頃のTPPに関するのり弁文書。
カクカクとした線が非対称にひろがっていてカッコいい。
このままTシャツにしたいくらいである
トートバックでもいい
話を戻そう。のり弁として切り出す際、小さ過ぎる文字はつぶれてしまう。かと言って、全く文字が入っていないのも寂しい。そのような問題がある中、こちらののり弁は文字数が極端に少なく、理想的だ。
ただ、このままの形では、レーザーカッターで切った際にそれぞれのパーツがバラバラになることが予想されるので、プラモデルにおける「ランナー」を入れたり、文字がはがれないように級数をあげたりして調節する(茗荷くんが)
レーザーカッターで切る際のデータはAdobeイラストレーターのaiデータでいいらしい。便利!
文字間を調節して、それぞれの文字がバラけないように調節する(茗荷くんが)
のりをセットしてレーザー起動
弾け飛ぶ閃光、溢れ出す磯の香り
バチバチと閃光が飛ぶ。縦、横、縦、横と高速で動き続けるアーム。どこか工藤静香の「嵐の素顔」の振り付けを連想させる。どんどんのりが切れる。弾け飛ぶ閃光、あたりに漂う焼き海苔の香り。こんなSFチックなのりの香り、わたしはじめて!嵐を起こして全てを壊しそう。
一通り切れた
茗荷くんにお礼を言って家に帰ろうとすると、彼はまだ残ると言う。この後も仕事があるそうだ。ブラックな労働をさせてしまった(のりだけに)
茗荷くんには申し訳ないが、のりが準備できたのでご飯の上に乗せてみよう。
のりが湿気にくいように、冷やご飯の上に並べる
貼り付けは神経をつかう
できた
なかなかの完成度ではないだろうか
たべてみる
のりとご飯の味だ
要するにただののり弁なのだが、レーザーカッターで切る際に下敷きとして使っている段ボールの焦げた匂いが染み込んで、燻製のような味がついている。当初の目的はこれで達成した。でも、実はこれで終わりではない。別ののり弁も用意している。
次はこちら
何ののり弁かお分かりになるだろうか
正解は、進駐軍の指示により黒塗りされた教科書~
こちらは墨汁と筆による手塗りなので、モコモコとした有機的な線が特徴だ。このお弁当を子供に持たせたら、きっと親が呼び出されるだろう(PTAかGHQに)
あと、子供の頭上にかかげると、ちびまるこちゃんの「ガビーン」みたいになったことをご報告させていただきます。
ガビーン
TPP、黒塗り教科書の次はやっぱりこれ。森友文書。NHKのサイトで調査結果の資料がpdfで配布されていたので、43枚目をのり弁文書にする。
書き換え後の文書で消された箇所を中心にダーっと黒塗りにした
TPPよりも複雑
湿気てヘナヘナになった
でも、一応読める
せっかくなのでゆかりのある場所へ
経緯を調査している大阪地検
お弁当を食べているだけなのだが、警備員さんがいるのでドキドキする。
「何してんの?」という目で見られたので、のり弁をかっこんだ
シンゾウに悪い
今回の記事では、黒塗り文書、通称「のり弁」を実際に作ってみたわけだが、ひとつわかったことがある。いくら、黒く、黒く、真っ黒に真実を塗り潰したとしても、光を当てれば裏が透けて見えてしまうのだ(だってのりだもの)。
現実もそうであってほしいと思う(歌丸的な締め)