特集 2018年3月14日

はじめてのチェーンソー

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先日、チェーンソーを買った。

知っていても、なかなか買う機会のないチェーンソー。

とうとう手にしてしまったこの興奮を、余すところ無く記事で伝えたい。
1978年、東京都出身。漂泊の理科教員。名前の漢字は、正しい行いと書いて『正行』なのだが、「不正行為」という語にも名前が含まれてるのに気付いたので、次からそれで説明しようと思う。

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チェーンソーには理由が要る

この現代に生きて、「チェーンソーを手に持ちたい」と思うことは自然な感情だろう。

木材を魔法のように削り飛ばしていくあの物体を一度は手に持ちたい。
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しかし「チェーンソーを買いたい」となるとかなり稀だ。
それなりの理由が無い限り、友人には怪訝な顔をされ、配偶者には説教され、最悪の場合、公安に身柄を拘束されることになりかねない。

しかし僕には理由があるのだ。それはミツバチである。
これはミツバチを飼うための巣箱
これはミツバチを飼うための巣箱

ミツバチを飼いたい

ミツバチを飼うことは、僕が長年抱いている夢である。
そしてできれば、野生のミツバチを飼いならして巣を作らせたい。
そのために幾多の巣箱などを作ってきたが、いずれも捕獲には成功しなかった。
ここらへんは一大世界があるのですが、詳細は割愛します
ここらへんは一大世界があるのですが、詳細は割愛します
野生のミツバチを招き入れるには、「くりぬいた丸太」が最高らしいのだ。
そのためにはどうしてもチェーンソーが要る。
いちおう、手持ちの電動ドリルでも試した。
いちおう、手持ちの電動ドリルでも試した。
無理だ。むしろ、狂気じみている。
外国のキツツキが掘った穴、としてNHKの自然番組で紹介されてそうな穴だ。
やはりドリルではだめだ。チェーンソーが要る。
というわけでぼくは買ってしまったのだ、電動チェーンソーを。
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その価格、1万130円

チェーンソー、思ったよりも安い。特価5000円ぐらいからあったのだが、ちょっといいのを買った。それでも1万円なので、大人なら何とか買える。
開封! おおお、チェーンソー入ってる!入ってる!
開封! おおお、チェーンソー入ってる!入ってる!
箱を開けるだけでわくわく感がすごい。子供の頃の、ファミコンソフトの箱を開けたときにも勝るうれしさだ。
はやく手にしたい気持ちと、箱を開けるのがもったいない気持ちが交錯する。

「保管用にもう1箱買っておけばよかったかな」という気持ちが思わず頭をよぎるが、ここは思い切って箱から出そう。
「サヤ」から抜き取り、刃を観賞してみると……
「サヤ」から抜き取り、刃を観賞してみると……
あれあれ……
あれあれ……
刃がイメージと全然違う。
イメージ:「いらすとや」より
イメージ:「いらすとや」より

刃はギザギザしていない

すっかりイメージで、サメの歯のようにギザギザしているのが付いているかと思ったら、全然違った。
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実際には、彫刻刀の「角刀」みたいなのが付いていて、これが高速で木材を削ぎ落す仕組みだ。
たしかに現実的な破壊力で言ったら、「面」で攻撃するこっちの方が断然強そうである。なるほど。
それではさっそく、ちょっとだけ回してみよう。
2重ロックになっている引き金を握ると……
2重ロックになっている引き金を握ると……
ギュヴォォーーン!! ヴヴォォーーーーン!! チェーンソーが一気に牙をむく!
ギュヴォォーーン!! ヴヴォォーーーーン!! チェーンソーが一気に牙をむく!
すごい! チェーンソー動く!!(あたり前だけど)
そして怖い!
振動と音がやばい!
動物的な本能に訴えてくる恐ろしさだ。
少しでも触れたら指とか吹っ飛ぶな、というのが何の説明も無くわかる。

これはまずい。
作業着に着替えて屋外作業に移ろう。
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フリー丸太を発見した

ところで、くり抜かれる丸太の方だが、これが意外と売っていない。
amazonや楽天で何でも買える時代になったが、「スギ丸太」で商品検索しても欲しいのが出てこない。(あってもけっこう高い)

IT時代もまだまだじゃな、ふぉふぉふぉ、と老師目線からコメントしても状況は変わらず、困ったなーと思っていたのだが、たまたま近所でこんな看板を発見した。
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都内では絶対に出会うことのないシチュエーションだ。茨城に引っ越して本当によかったと思う。
敷地内には丸太が大小ゴロンゴロンと転がっており、テンションMAXになりながら、手頃な丸太を選んだ。
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地主様、ありがとうございます、ありがとうございます。
小作人な気分になりながら、丸太を車に詰め込んだ。
とまあ、こうして手に入れたのが本日用意した丸太である。
いよいよチェーンソーで好き放題くりぬいてやろう。
丸太さん、覚悟してください
丸太さん、覚悟してください

再確認する、木の固さ

ガツン! ガツ、ガツン!
ガツン! ガツ、ガツン!
あれ、ぜんぜん刃が通らない。
もっと、刃先が当たるだけでフババババッと削れるのかと思っていたが、全然違う。
当たった瞬間にチェーンソーごと跳ね返され、丸太にはわずかな傷しかつかない。
コカッ! コココカカカ! ココカッ!
コカッ! コココカカカ! ココカッ!
僕はあらためて知る。

「木は固い」、と。

いくら刃が高速回転しようが、固いものは固い。
その固さに対抗できる支持基盤が無いと、腕ごと吹っ飛ばされるだけである。

すごいな、木。こんな固かったのか、木。
いったいどうしたらいいのか。
10分ほどかけてこれ。全く歯が立たない。
10分ほどかけてこれ。全く歯が立たない。
チェーンソーで木彫やってる人とかよく見るが、あんなに軽やかに削っていくのはどうやってるんだ。
これまでチェーンソーに抱いていた幻想が消えてゆくとともに、胸の中に新たに疑念が生まれる。
「この丸太、くり抜けんのか」、と。

それから30分が過ぎた……

しかし、途方にくれながらも試行錯誤した結果、それなりに丸太に切り込みを入れられるようになった。
見てほしい、この上達
見てほしい、この上達
ポイントはいくつかある。
まず、チェーンソーを腰に密着させ、体幹と一体化して丸太に当たること。
そしてもう一つは、垂直に突き刺すように掘り抜くことだ
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こうして、全体重で丸太にのしかかるように刃を入れると、やっとチェーンソーらしい、勢いのあるはたらきを見せてくれる。

が、この体勢、めちゃくちゃ腰に悪い

ふだんは腰痛とか無い僕だが、あっという間に腰にダメージが蓄積し、15分ほどでギブアップした。
そこまで奮闘した結果、開いた穴がこれである。
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ひいき目に見積もって、ラーメン一杯分あるかないかだ。巣のサイズになるまで何日かかるかわからない。
いったい僕がミツバチを捕まえられる日は来るのか。

厳しいチェーンソー初体験となったが、ミツバチへの想いを胸に、腰にサロンパスを貼って、次回に挑もうと思う。

ホラー映画などでもおなじみのチェーンソーだが、、あまりに過大に妄想を広げ過ぎていたのだということが買ってみて分かった。
やはり結局は人間の技量である。
ちなみに工事現場で地面を割ってるアレ(コンクリートブレーカー)も実際にやると、体ごと吹っ飛びそうになるという噂なので、これもいつか体験してみたい。
言い忘れましたが、保護メガネは必須です
言い忘れましたが、保護メガネは必須です
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